novel

Distance 10round Fainal Distance 2

 初対面の相手と思いっきり気持ちいいセックスをしてしまった。
 その事実は、暫く光を寝込ませることになった。

 あの時、一回で終わるはずだった行為は、西水の一言で、後三回も続いたのだ。
 あれは酷い。あんなに気持ちいいことを連続で味合わさせられたのだから、光もかなりおかしくなっていた。

 ――――――もっと突いて……もっとおくまでぐちゃぐちゃにして。
 そんな言葉も口走っていた。

 ――――――それが欲しいの、もっとちょうだい。
 そう言って、彼のを再度舐めて強請った。

「どうして……あんな恥ずかしいこと……」
 頭の中にはその時の記憶もあるので、自分が何を口走って何をしてもらったのかはっきりと覚えている。
 初めてだったのに、いくら西水が上手いとはいえ、あんなに乱れるとは思わなかった。

「……は、恥ずかしい……」
 最初は苦痛で、最後は快楽。
 それを全部西水に教えてもらった結果になった。
 だが、それもあの時だけの特別だ。西水という人間とはあの場限りの関係なのだ。

 それだけの関係なのだ。

 光が二日ぶりに学校へ行くと、周りは相変わらずの様子で光はホッとした。西水はあのことを誰にも喋ってないし、教師のことも噂になっていない。

 彼は約束は守ってくれた。
 そうして光は教師のことも諦めることが出来た。
 教師は光を放置した後のフォローなどしてこなかった。携帯やメールすらしてこなかった。光のことより自分の言い訳とフォローしかしてなかったのだろう。
 だから、光は教師のことは簡単に諦めがついた。そもそも恋愛だったと思っていたのは、光の方だけだった。
 西水のせいで、学校に来るまでずっと教師のことを忘れていた光も結局、教師のことを本当に好きだったのかどうかさえ疑わしい。

「光、ぼーっとしてどうしたんだ」
 友人の井坂伊吹(いさか いぶき)がそう尋ねてきた。

「あー、ちょっと」
 まさか二日前にあったことを全部思い出していたとは口が裂けても言えない。それに全部終わったことだ。そう思って思い出す必要もないことだと思ったのだったが、伊吹相手であるとそうは問屋が卸さない。
「ふうん。お前、野島となんかあったんか?」
 伊吹が鋭いところを突いてきたので光は焦った。

「え、いや、何にも……」
「何にもねぇ。お前、自覚なしかもしれないけど。今日一回も野島との惚気言ってないぞ」
 伊吹がそれがまずオカシイと突っ込んでくる。

「なんだよ。毎日言ってるかのような……」
「言ってたんだよ。まったく自覚なかったのかよ」
 伊吹が呆れた顔でそう言うので、光はそうだったかなと首を傾げた。
 そんなに口にしていた覚えがないのだが、伊吹が呆れ顔をしてそう言うのだからそうなのだろう。

「まったく、楽しそうに放課後出て行ったと思ったら、次の日から二日も休むし。その理由は言わないし」
 病気を心配して家に連絡をくれた伊吹だが、光の様子から教師の野島と何かあったのだろうと思っていたらしい。その病気のはずの期間、当の光は上の空だったから聞き出せるはずもなかった。

「あーうん。それはごめん。あのね、野島先生、来月結婚するんだって……だから」
 光は思い切ってそう言っていた。
 これなら光が教師のことを言わなくなった理由にもなるし、光がフラれたこともはっきりするだろう。

「なんだ、お前失恋したから二日も寝込んでたのか」
 呆れたように伊吹が言うので光は苦笑していた。
 本当は違うけど、そう思ってくれた方が好都合だ。実際失恋したようなものでもあるし間違いはないかもしれない。たとえそこに心がなかったと解ったとしてもだ。

「まさか来月結婚とは思わなくてさ。だからショックで」
 光がその話に乗って言い訳すると、伊吹は納得はしてくれなかった。

「お前、それと1組の西水と何か関係あるのか?」
 急に西水の名が伊吹から出てきて、光は全身から冷や汗が出た気がした。心臓に悪いし、何より彼との関係を知られたくはない。
 まさか伊吹に西水とのことを知られたのではないかと焦った。でも伊吹はそれほど厳しい顔をしてはいないので、光は慎重に聞き返していた。

「えっと、その人が何か?」
 なんとか震えずに声を出せたら、伊吹が意外なことを言った。

「いや、お前のこと尋ねてきたから。休んだ二日ともな」
「あの、その人、なんか言ってた?」
 光は焦りながらも声を落ち着けて、西水が何か言ってきたか聞いた。

「お前が凄く落ち込んでいたみたいだから、気になったとか。で、西水とは何処で?」
 伊吹に強く聞かれて、光は何とか話を合わせた。

「えっと、俺が先生が結婚すること知った時に、その人、それ聞いていたみたいで。それで俺が落ち込んでたのも見てたから。それでかな?」
 まあ西水がそこに居たのは嘘ではないので、これは合ってるだろう。

「それで、お前は遅くまで慰めてもらった挙げ句、車で送ってもらったわけか」
 伊吹がそう言うので光は驚いて伊吹を見た。
 まるでその場で見ていたかのような説明だったからだ。

「……伊吹、なんで?」
 知ってるんだ? そう尋ねたところ、伊吹はタネ証しをしてくれた。

「俺、新聞部に用があって、そこで茶して遅くなったんだ。そしたらふらつくお前を支えて車に乗せてる西水を見た。だけどいくらショック受けたって、あんな歩けないほどふらつくようなのはないわ」
 伊吹がそう突っ込んでくるので、光は途方に暮れた。

「お前、まさか……」
 伊吹がずっと思っていたらしいことを口にしようとしている。
 まさかの先が怖い。
 初対面の相手と腰が立たなくなるまでやったとかバレたら、本当にマズイ。

「まさか、野島に無理矢理やられたなんてないよな?」
「……は?」
 まさかそこに野島が関わってくるとは思わなかった光である。

「な、ないから。それはないから。いくらなんでもそれはない」
 光が命一杯ないと言い切ると、伊吹は不審そうにしている。
 相手は違うがあったことなのだが、そんなことは言えない。しかし、そこまで見てしまっている伊吹をどうやって誤魔化すかが問題だ。
 簡単なことでは伊吹は納得してくれない。
 そう光が困ってしまっていると。

「そう、それはない。光は泣きすぎて、目を擦りすぎて、一時的に視力がいつも通りじゃなかっただけだ」

 いきなり二人で座っていた一番後ろの席の更に後ろから声がして、二人はびっくりして振り返った。
 そこにはにっこりと笑っている西水が立っていた。

 あの視聴覚室では、はっきりと顔が見えなかったので、光は初めて西水を明るいところで見た。
 鋭くて細い視線、恐ろしく整った顔。鼻がすーっと通っていて細く、顔のパーツが一々綺麗な人だった。背も高かったので、彼は今お辞儀をしているような体勢だが、座っている自分たちより高い位置に顔があるので、足がかなり長いらしい。
 きっちりと着た制服なので、彼の仕草一つが洗練されているようだった。

「……す、西水……さん」
 驚いて光が名を呼ぶと、西水はにっこりしたまま光を見て言った。

「やっと登校したね。あの日はあまりに光が泣くから、心配だったんだ」
 西水はそう言うと光の顔を見るように覗き込んできた。

「あ、はい……あの時は、どうも……」
 光はなんて言っていいのか分からず、一応あの後家に送ってもらった時に礼は言ったのだが、この遭遇というか、西水からの接触があるとは思わなかったので慌てていた。
 その光の耳に西水は唇を寄せると小さな声で言った。

「今日来なかったら家に押しかけようかと思っていたところだ」
 西水はそう言い、光の耳にキスをした。
 驚いたのは光だ。びっくりして西水から耳を押さえて逃げると、伊吹が驚いた顔をしていた。

「光? どうした?」
 伊吹が聞くと光は慌てて答える。

「あ、み、耳に、息吹きかけられて……びっくりした……」
 光は自分でも驚くほど早く嘘を言っていた。その嘘に西水は笑っている。よくやったとばかりの笑顔だ。

「あー、お前、耳弱いもんな。西水、あんま悪戯してやるなよ。こいつ失恋したばかりだし、色々あったみたいだし」
 伊吹が庇うように言うと西水は笑って謝ってきた。

「ああ、悪かった。耳が弱いのは知らなかったよ」
 西水はそう言っているが、彼は知っている。
 光が耳元で西水の声を聞くと、どうしようもなくいやらしくなれることを。そして耳がさらに弱くなったのは西水のせいだということもだ。

「で、なんで耳うちなんかして、こそこそしてんだ? 光が失恋したことなら知ってるぞ」
「ああ、君はもう知ってるみたいだから、秘密でもなんでもなかったみたいだが、失恋と言ってもやっぱり憧れが強かっただろうってね」
 西水はそう言うと、伊吹はその理由に納得したようだ。

「あー、やっぱりあんたもそう思うだろ? こいつは恋愛してるつもりだっただろうけど、俺からすればただの憧れだったんじゃー?って思ってさ。それに結婚すると聞いたにしては、二日で復活だもんなー」

「二日も落ち込んでたじゃん……」
 伊吹の言葉に光が不満を漏らすと、西水が聞き返してきた。

「本当ならもっと落ち込む方?」
 不思議そうに言われたのだが、光はそうなのか?と伊吹の方を向いてしまったので、伊吹が頷きながら話に乗ってきた。

「ああ、もっとな。初恋の可憐ちゃんのときなんざ、1ヶ月ずーっと諦めきれずに落ち込みっぱなしだった。中学の時のも、お友達で居ましょうって言われて、二ヶ月落ち込んでたなあ。高校入ってからは、速攻女子校の子にフラれて、三ヶ月落ち込んでたし」
 伊吹が詳しく言うので光はため息を吐いてしまった。こんなに詳しく覚えられているとは思わなかったのだ。けどその時慰めてくれたのはいつも伊吹だった。うじうじと落ち込むのを見せられていたら忘れられないだろう。

「その予定でいくと、次にフラれて落ち込むのは四ヶ月だな」
 西水がその法則に気がついて突っ込むと、伊吹がぶっと吹き出して笑った。

「そうそう、そうだから、今回二日で復活はないって思ったんだよ。お前分かりやすいからなあ」
 伊吹と西水に突っ込まれて、光は一人でむくれた。

 まさか自分の失恋方式があるとは思わなかったのだ。
 そんなに分かりよかったのか、自分の落ち込み加減は。
 というより、なんで西水がここで自分たちと和気藹々としてるんだ?
 まさか、釘差しにきたとか? 目的が解らない。

「あ、あの、西水さん。この間のお礼に何か飲み物でも奢りますよ」
 光は慌ててそう言って、西水の腕を引っ張って教室の外へと逃げ出した。あそこでは伊吹が絶対に聞き耳立てているから、西水が口止めに来たことを悟られてしまう。
 そうして廊下に出ると、昼休みは終わりに近かったので、生徒達は教室に向っている姿ばかりだ。
 どこで秘密の話をしたらいいのか分からずに進んでいると、途中で西水が光の腕を引っ張り直した。

「光、話ならこっち」
 今度は西水が光を引っ張って廊下を進んでいく。だが進んでいる方向が特別棟の方で、二階まで上がってしまえば、西水が向っている先も光にも分かってくる。

 視聴覚室だ。
 普段、鍵はかかっているから、どうやって入るのかと不思議がっていると、西水は持っていたキーホルダーの鍵の一つから視聴覚室を開けていた。

「なんで、鍵持って……」
 そういえば、野島と入った時は鍵がかかっていたはずだ。
 野島が鍵を開けていたし、光はそれを見ていたから確かだ。
 あの時、鍵がかかった中に人が居たから、あれほど驚いたのだ。だって鍵はかかっていたし、人の姿はなかった。
 鍵の説明は今西水がしてくれた行動で分かった。彼はスペアキーを持っていたのだ。だから自分たちより先に中へ入って居られた。

「光、おいで」
 西水は一歩中に入って光を呼ぶ。元々西水を連れ出したのは光だから、話をしないわけにはいかない。
 決心して一歩中に入ると、西水は中から鍵をかけている。

「この学校にはいつくか伝統で受け継がれているテリトリーの情報がある。例えば、写真部準備室は下水流(しもつる)のテリトリー、生徒会長の準備室は、大塚(おおつか)会長のテリトリー。美術室は世嘉良(せかりょう)先生のテリトリー、化学準備室は京義(たかぎ)先生のテリトリー。とまあ、こういう風に生徒や先生にもテリトリーが存在する」
 いきなり始まった西水の説明に、光はキョトンとする。
 テリトリーと言われても、個々に部室やら教室を利用している人たちには当然のところばかりだ。

「こういうテリトリーはお互いがよく知っているし、他の人も知っている。教師にも生徒にもお互いのテリトリーは犯さないという暗黙の了解というのがある。俺も先輩からここのテリトリーの鍵を貰った。だからここは俺のテリトリー」
 鍵を密かに持っている理由や、伝統で合い鍵を作るのも、この学校ではよくあることなのだという。

「野島は、そのテリトリーを荒らし回っている常習犯で、ここ一年、他のテリトリーに入り込んでやりたい放題。正直俺らの邪魔になってたし、問題にもなってた」
 西水がそう言い出して、光はやっとその意味に気付いた。

「野島先生……あちこちに生徒連れ込んでた……?」
 光が呆然として聞き返すと、西水は頷いた。

「ああ、光みたいに純粋な子を連れ込んではな。テリトリー内でも警戒が強くなってきて、鍵を監視する先生も目を光らせて、野島が次に連れ込める場所を無くした上で、わざとここの鍵を持ち出せるようにした。そう、罠にかけたんだ」

 西水がここに当日に居た理由を説明してくれた。
 つまり、最初から野島を罠にかける為に用意された場所に、光は野島に連れられてきたというわけだ。
 そうして徹底的に逃げられない状況を作って、野島に「テリトリー荒らしはやめろ」とやったわけだ。

「一応、この学校は同性愛には寛容だ。だが、食い散らかすのは頂けない。生徒会でも問題になっていて調査をしていた。光のクラスにいた子が一人不登校になっているだろう?」
 そう西水に言われて光は思い出した。

 結構仲が良かった子だ。中道智(なかみち とも)。
 中道はある日突然学校へ来なくなった。電話は駄目で、メールも返ってこない。そのうち、不登校生徒になっていた。

「……あ……中道、野島先生と仲良かった……」
 ふと思い出した。
 野島は国語の教師で、担任のクラスは持っていない。この学校へ来てからまだ年月が足りないので、副担任にもなれない立場だ。
 なのに野島は、光と同じように中道と仲が良かった。あれは光と同じだったのかと分かってくると、光は思わず西水を見た。

「野島がこの学校へ来てから二年。その間に食われた生徒は十人くらいだそうだ。一年で五人。二ヶ月で一人」
 そう具体的な数を出されると、光も野島の性癖が分かってきた。
 多いなんてものじゃない。

「この学校の出身教師にも同性愛者はいる。だが、彼らは気に入った相手は大事にしている。ちゃんと付き合ってちゃんと別れてという手順を踏む。だから野島のような教師は困るんだ。この学校の伝統を勘違いして生徒を食い放題なんて、もの凄い勘違いをする教師はな」
 西水は野島のことを快く思っていないのは明らかだ。

「だから、罠にはめて、証拠を掴んで、牽制した?」
 光がその意味を理解して言うと、西水は頷いた。

「それが目的だったからな。だから光のことをどうこうしようとは思っていない。光は野島に不利になることは言わないだろうが、二度と野島に近づかなければいいだけだ。野島もさすがに俺に知られたからマズイと思ってるだろうし、結婚を駄目にするようなことはしないだろう」

 西水(すがい)がそこまで説明してくれたので、光はやっと全貌が分かった。これは学校中が野島の行動を監視していて、理事の娘やその理事を知っている西水に後片付けを任せたということなのだ。
 そうすれば、野島は二度と生徒に手出し出来なくなる。
 あの時の野島の態度を見れば分かる。あの人は自分の保身しか考えてない人だ。相手のことなんて、一ミリも思ってやしない。

 もし光に連絡があったとしても、それは絶対に関係を喋るなという口止めだけだろう。
 だが、それとこれとは話が違ってくることがある。
 西水がそこまで分かってて野島を排除したなら、光がやったことはなんだったのだ?という問題だ。

「……は……それじゃ……俺はしなくていいこと……したんだ」
 光はその結論に至って、呆然として西水を見た。
 目の前には笑っている西水が居る。

「……俺…………」
 光は無意味なことを西水とした。
 そう結論が出てしまう。

「最初から野島を排除するのが目的だとして、俺にそのメリットがあると思うか? 他のテリトリーが荒らされようが俺にはどうでもいい問題だ。俺のテリトリーさえ守れれば俺には関係ない話。そもそも理事の娘に話してしまえば勝手に解決するんだ。そこをあえて俺がこの作戦に乗ったのは、この為だ」
 西水はそう言って、目の前にあるスクリーンを操作している。
 何かが動いて、スクリーンに映像が出た。
 暗い映像だが、誰がそこで何をしているのかははっきりと映っている。

「……あ」
 映像には光の顔が映っている。だが西水の顔は映っていない。
 光の顔と体全体と何をやっているのかに焦点を絞ったそれは、光を犯している相手の姿がチラチラ映る程度で、誰か判明しないように設定されていた。

 前に見たことがある、AVのような取り方だ。
 相手は誰か分からない、でも女優は誰か分かる。
 しかもこの映像は、編集されていて、あらゆる場所から光の痴態を取って光が主人公のAVになっている。

「光、いやらしいよな。ほら、ここまで映ってる。勃起して、俺のモノをくわえ込んだ穴もはっきり見える。俺のが出入りして、光、嬉しそうな顔しているな」
 西水がそう耳元で言っていたが、光は自分の痴態に震えが出た。
 こんなのが外に漏れたら、自分は生きていけない。

『あぁ……もっと……突いて……もっとあぁん!』
『これが好きなんだな?』
『それ、好きぃあぁん……乳首も好きぃはぁん……あぁ……いい……いいよぉ……もっと……もっとぉ!!』
 ぐちゃぐちゃと穴に西水のが出入りしている音が大きく聞こえ、自分の甘い声が激しい息と共に漏れている。
 だが、西水の声は変換されているのか、別人の声に聞こえる。

「光は穴に沢山出されるのが好きだよな」
 西水が光の耳元でそう言いながら、呆然と立っている光の服を脱がしている。しかし光にはそれに抵抗は出来ない。
 今度はこの映像で自分が脅される番なのだ。

 だけど脅されているはずなのに、光は西水の手を拒むことが出来ない。
 だって知ってる。この手は、この映像のようにいやらしく動いて、自分に快感をくれる手だ。
 ブレザーを脱がせて、ズボンも下着も脱がせると、西水はゆっくりと光を横たえた。

「ほら、光ももう濡れている。自分の痴態を見て興奮した?」
 西水にそう言われて光は否定出来なかった。
 その通りだったからだ。

「光、あの映像から目を離すなよ。じっくりと見るんだ」
 机に横たえられた光は、映像から目を反らそうとして、その頭を西水に押さえられ、そう言われた。

「じっくりと、自分が犯されているのを見るんだ」
 西水が命令するように耳元で言って、光は映像から目を離すことが出来なかった。

 あの映像がしていることをこれから西水とする。そう考えるだけで頭の中がぼーっとしてくる。
 西水は耳にキスをし甘噛みして首筋にキスを落としていく。

 昼休みはとっくに終わっていたが、誰も入ってくることのない視聴覚室で、光は二日ぶりに西水に抱かれた。