novel

Distance 6round everywhere1-4



「ちょっと……外せよこれ……!!」
  真麻(まお)がそう怒鳴るのだが、相手は無視している。
  机に向かっているのは、京義(たかぎ)という化学教師で最近はずっと真麻に悪戯をしてくる人物だ。

  この日も真麻は逃げ遅れ、京義に放課後捕まってしまった。京義は教室まで真麻を呼び出しに来ては、今まであったことをバラされてもいいのか?という脅しで真麻をここ化学室の準備室に連れてくる。

  そうしてベッドがあるのも謎な部屋に真麻は手首に手錠をかけられて縛られてしまう。こうなるとなかなか逃げ出すことは不可能だ。

  そうして京義は真麻におもちゃを使って悪戯をしてくる。
  最初は穴にバイブを入れて放置。
  そして耐えられなくなった真麻が助けを求めると、京義が相手してくるというものだった。

「やだ……あっ……これやだぁ……」
  段々とクスリが効いてくると真麻は自分でも何を発しているのかわからない言葉を言ってたりする。

  最初はそんなことを言っていないと言うと京義が証拠の品であるビデオを見せてきて、真麻は真っ赤になってそれをねつ造だと言い張ったのだが、それはただ単に京義を笑わせるだけだった。

「いやではないだろう?」
  くるりと椅子を回して、京義が真麻の方を見る。その目はとても真剣であり目の奥は笑っていない。

  だがそんなことは真麻には分からなくて、真麻は戸惑ってしまう。
  足を開いて、バイブを入れられている姿を見られるのは恥ずかしいし、そんなものに腰を振っている自分を見られるのも恥ずかしい。

「ふ……あ……ふあっ……あっ」
「だんだんよくなってきたようですね」
  京義が立ち上がって近づいてくる。そして真麻の頬に触れる。その手が温かくて真麻はいつも戸惑う。

  その手が気持ちいいと思うようになったのはいつなのか。それが分からない。

「ああん……ん……いい……いい……」
「そういい子だ」
  そういうと京義はバイブを握ってそれを動かすと出し入れする。

「あっ!! ……んあ……だめぇ……ああ!!」
  急激な動きに真麻はついていけなくなる。さっきまでの緩やかなそれとは違うからどうしても戸惑うのだ。

「せ……せんせぇ……外して……いやあぁ……!!」
  中を掻き回すように動かされて真麻は顔を振っていやがる。とにかく縛られることはどうしても苦手で、何されてもいいから縛るのだけは勘弁して欲しくなるのだ。

「真麻はちっとも私から離れないのだな」
  真麻の言う通りに手錠を外すと真麻はすぐに京義にすがりついてくるのだ。それはいつものことで、助けを求めているわけではない。

  真麻は知らずに、京義にすがることを覚えてしまったのだ。そうするとすぐにこの苦しい快楽から解放されることを知っているのだ。本能的に。

「せんせ……んぁ……ん」
  キスを求めるような顔をして京義を見上げると京義はにこりと微笑んで真麻にキスをする。
>   こういう時のキスは優しく残酷だ。散々深いキスを繰り返し、真麻の判断を全て奪ってしまうからだ。
  そうして真麻は京義の思う通りになってしまう。

「せんせ……これやだ、先生の……ちょうだい」
  真麻はバイブを自分で抜いてしまうと、京義にすがりつく。

「ああ、そうだね、それは嫌だったんだな」
  京義はそう言うと、真麻を寝かせて俯せにすると、腰を高く上げてすぐに己を突き刺す。真麻を見ているとすぐに興奮するのは京義には不思議な感覚だった。

  ずっと遊び道具を探していたのに、本当に真麻のことは手放せなくなっていた。
  どんなに可愛がっても可愛がっても足りないのだ。
  きっと初めてあった時から好きだったのだろう。
 そう自覚してくる京義。

  京義は本当に容赦なかった。囁きは残酷で、どこにも痛みを覚えることはない、熱意と執拗な愛撫とが交互にやってくる。それを受け止めることはまだ真麻には出来なくて、もてあますばかりだった。

「あん……いい……もっとそこ……ぐりぐり……して」
  完全に倒れて腰だけを上げている状態になっても真麻はずっと京義を求め続ける。

  これが気持ちいいのはよく知っているし、自分がまだそれをもてあましているのも知っている。
  けれどそれが欲しいと思うのだ。どうしてもどうしてもそれが欲しい。

  京義の全部が欲しいと思うのはこんな時だ。
  ふと京義は自分のことをおもちゃだと思っているだけなのだろうかと不安になる。

  不安になりながらも押し寄せる快楽に真麻(まお)は振り回されるのだが、今日は違った。
  涙が出てきて、とうとう京義(たかぎ)に聞いてしまった。

「せんせ……俺のこと……どう思って……るの?」
  真麻がそう苦しそうにしながら問うと、驚いたらしい京義が動きを止めた。

「……真麻?」
  不思議そうに呼ばれた名を真麻はああっと受け入れる。
  そんなことを言う相手が欲しいのではないのだなとすぐに分かってしまったのだ。

「う……うう……う」
  涙がどんどん出てきて真麻が本格的に泣き出すと京義は自身を抜いて、真麻の顔を覗き込んだ。

「真麻? どうしたんだ?」
「す……好きじゃないのに……なんで?」
  真麻はそう泣きながら言っていた。京義が自分を好きじゃないないなら、もうやめて欲しかった。こんなのは違うと思うし、そういう関係を続けるのはもう苦痛だったのだ。

「なぜ、好きじゃないと決めつけている」
  京義は真麻の顔中にキスをして、唇にもキスを降らせる。それはいつもの強引なものではなくて、とても優しい慈しむようなそんなキスだった。

「ん……せんせ……?」
「好きじゃなければこんなことはしない」

「うそ……おもちゃじゃないの?」
「おもちゃは一番大事にしている者のことを言うんだが……最初から真麻のことは好きだから手を出したまでだが……何を勘違いしているのやら」

「……へ? 好き?」
  真麻は大層驚いて京義の顔を見つめてしまう。穴が開きそうなほど見つめられて京義はちょっと照れていた。

  こういう相手と両思いになったことがなったのだ。だから相手から好きだと言われるのにはちょっと慣れていなかった。大抵こういう相手は、この道に目覚めて他の相手にまで同じことをさせて喜んでしまい、最後には京義が飽きてしまうのである。そうした冷めたものがあったのだが、真麻は違った。

  最初から何もかも違っていた。それが真麻という存在だった。

「そう、最初から好きで手を出していた。足りなくて足りなくて、毎日でも足りなくて」

「え、あの、でも、なんでこんなこと……」

「それが私の愛情だからだ。おもちゃを使うこともクスリを使うことも全部。私というものだ」
  京義は堂々とそう言ってのけた。

  こういう変態な自分でも好きになってくれる相手が欲しいと思っていた。
  真麻はそれでもいいのだろうかと少しは思う。けれど真麻から離れていかない限り京義は真麻を追いつめるだけの存在だ。

「こんな私が好きなのか? 真麻」
  京義がそう聞いてくるので真麻は顔を真っ赤にする。自分は確かにそう思っている。
  変態でもなんでも京義がこうして温かくしてくれるならどんなことでも受け入れられるのだと思う。

「うん……好き……だ」
  真麻はそう言って真麻は京義に抱きつく。
  京義は真麻を抱きしめると耳元でささやく。

「続きしてもいいか?」

「え……あ、うん……いいよ」
  真麻はそう言って自ら足を開いてみせる。
  こういう恥ずかしながらもやってくれる真麻は京義は一層大事にしようと思うのだ。

「許可をもらったからには、十分満足するまでさせてもらうよ」
「え? それは……い……や、あうっ!」
  きついくらいの突き上げをされて真麻は身体を仰け反らせる。一瞬だけ優しくされたがそれはつかの間で、身構えるほどの出来なかった身体はもう京義の思うままだった。

「ひ……あっ……あん……あっ……あんっあん!」
「どんどん啼きなさい」
  揺すられる動きが速くなって激しくなってくる。身体の奥にあるそれをひっきりなしに締め付けながら京義をそそのかすとおりに真麻は啼いた。

「あ……いや……あっあっ……んん……ふか……い……あぁ」
  大きくていっぱいのそれがどんどん奥を突く。
  それでも真麻はしっかりと京義に絡みついた。
  淫らな声をあげて真麻が達するまで京義の目はずっと真麻だけを眺め続いていた。


「ちょっとは……手加減……して……」
  帰りになると帰れなくなるほどに身体が起き上がれずにいる真麻を京義は軽々と抱え上げて運んでいた。

「そう言われても仕方ない。そんな私が好きなのは真麻だろう」
  京義はそう言うと真麻を車に乗せて運ぶ、今日はこのまま京義の家に直行コースだった。
  真麻には母親がいるが、その母親は家にあまり帰ってこない生活なので、京義が心配して家に運ぶことにしたようだ。そんな明日は休日だ。

「覚悟してくれ。好きになった代償だ」
  京義がそう笑って言うので真麻はもう諦めてため息を吐くだけにしておいた。
  この後も真麻が攻められ続けたのは言うまでもない。

  そうして結果、京義を喜ばせることになってしまったのだった。