novel

ROLLIN'1番外編 それでも来た道

 夕方、響は仕事を終えると、真っ直ぐに家に帰る。もうそれが日課になってしまっている。

 会社には、預かっている子がいると言っているが、その子ももう中学生になった。自分もいい歳になったと思う。

 だが、そのいい歳になっても、響にはまだ恋人がいなかった。いや、それは会社での評判であって、実際には、男の恋人がいるのである。

 その恋人に付き合って、もう7年目になるか。

 一向に冷めやらない愛情に包まれて、響は幸せであった。

 最終的に反対をしていた姉雅も、ついには折れてしまい、二人の事を認めるようになった。それも単に恋人、宝生楸のおかげである。彼は、雅を説得すべく、何度も足を運び、誠意を見せて、本当にもう自分は響無しでは、生きていけないのだと伝えたのである。

 それが実を結び、今に至る。

 二人の関係を邪魔する者はいなくなり、平穏な日々が待っていた。

 ただ、響だけは平穏とはいかなかった。

 毎日のベンツでの送り迎え。定時になると電話。家に帰れば、気分次第のセックスと、楸に振り回されている。ベンツはやめて欲しいと何度もお願いしても、過去に会社で襲われたり、誘拐されてみたりと、散々な目に合っている為、却下されてしまっている。

 家に帰れば、可愛い盛りを過ぎたはずの、耀が、響に構って欲しくて寄ってくる。

 最近では、セクハラまがいの事までやってくるので、油断がならない。これも、楸に発見された時には、響が油断しているのが悪いという事になってしまうのである。更に、誘惑したんじゃないかとか、まあ、色々言われ、最終的には、魅力的な響が悪いと、お仕置きタイムが待っている。

 これには猛然と抗議しているのだが、何かにつけて楸はセックスに持ち込みたいだけのようだった。これも頭が痛い事である。

 一緒に会社勤めのはずなのに、絶倫大魔神は、一向に衰えを知らないからだ。付き合っている方は根を上げてしまってるのに、それでもラウンドは続くのだ。

 それを考えると、今から頭が痛いと思う。日常茶飯事的に続くと、体と頭がもたないからだ。
 もう慣れてしまった仕事は、さっさと片づけてしまい、響は一人唸っていた。
 すると、携帯が鳴る。

「はい」
 響が出ると、それはいつも送り迎えをしてくれている、三束(みつか)からである。

 いつ会社を出るのかという確認の電話だ。これが毎日続く。

 すると、周りがざわめき出す。また、いつものお迎えベンツの電話だとバレているのだ。これも頭が痛いことの一つでもある。

「はい、解りました。今出ます」

 三束から、「早く帰宅なさって下さい。今日は組長も早いんですよ」と言われてしまえば、残業だとは言えない響。これで残業など言おうものなら、楸が迎えに来てしまう。これはヤバイ。非常にヤバイ。

 この前にも、渋った響を楸が強引に迎えに来た事があった。響の仕事内容は、何故かバレてしまっている為、こういうことが起こる。その楸を見た女性社員が大騒ぎとなったのだ。かっこいいだの、やくざっぽいなど。

 ヤクザが当たっているだけに、楸の正体をバラす訳にもいかず、親戚で片づけるのに苦労をしたのだった。もちろん、結婚して子供がいる事になっているので、そう説明するしかなかったのだが。

「じゃ、お先に」

「月時さん、やっぱ仕事早い」
 新人にはいつも言われるセリフだ。

「今日も残業なんてことはないよな?」
 意地悪を込めて、響が言うと、新人はニコリとして。

「まだ、慣れないんで、ちょっとだけ残業です。徳永さんも付いててくれるし」
 ちゃっかりものの徳永は、この新人女子に入れ込んでいる。まだ飲みに行く程度にしか付き合っていないらしいが、このままでは落ちるのも時間の問題かもしれない。

「ま、徳永に任せれば大丈夫か……」
 響はそう呟いて、新人を励まし、会社を出た。

 会社を出ると、待ち構えていたように、ベンツが横付けされる。まるで、社長が退社するかのようだ。

 三束が降りてくる前に、さっさと後部座席のドアを開けて、響は素早く乗り込む。ここでまごついていては、また会社の人に何を言われるか解ったものではない。

「響さん、早かったですね」
 運転席の三束がそうにっこりとして言う。

「早くしろって催促したのは、お前だろ」
「まあ、そうっすけどね。組長命令ですので、ご勘弁下さい」
 三束は、そう言うと車を発進させた。

「今日は仕込みはしたんですよね?」
 三束は運転しながらでも話しかけてくる。響はシートにもたれて答える。

「豚のショウガ焼きだからな。ちょうどいい具合にしみ込んでて美味いだろうな」

「じゃ、今日はショウガ焼き定食ですか」
「定食って……なんだ。定食屋じゃないぞ」

「十分、定食屋ですけどねえ。十人分のご飯を作ってるんですから」
「大家族の家は定食屋かよ」
 思わず、笑ってしまう響である。

 最初は、耀だけに作っていた食事は、楸に作り、ボディガードに作り、そして常備している組員に作っていく間に、段々と10人前後の食事を作る羽目になっていったのだった。まあ、慣れてくればそれも苦痛ではないし、食事代は、組から出ているので、材料代にお金が困る事も響にはない。ただ、手間ひまかける事は出来ないので、簡単な料理になってしまう事だけであるが、何故か、常備している組員には、この食事がウケているのである。

「今日も美味い飯にありついて、他の組員の人に睨まれそうっすよ」
 三束はそういって、はははと笑った。

 この響のご飯を食べる為に、夜の常備ボディガードをやりたがる組員が増えたのを、楸は面 白そうに語っていたのである。

「まったく、ヤクザなんかやってるから彼女が出来ないんだ」
 響は常にそう言っている。ヤクザとしてではなく、ちょっと怪しい会社の役員をしている人もいるにはいるが、ボディガードをしている人たちは、なかなか彼女が出来ないらしい。

「きついっすよ。そりゃ組長と響さんはラブラブですけどね」

「余計なお世話だ」
「すんません」
 三束はニヤリとしながら謝ってくる。その様子が嫌で響はそっぽを向いた。

 恋人の楸は、人が居ようが居まいが、響が側にいるとやたらと構ってくるのだ。それを知っているから、そういうことを言われてしまうのである。

 三束からみれば、響はかなりの照れ屋だと思うという感じだろう。あの組長が、強面 を平気で崩して接する相手というのは、響しかいないからだ。それを響は解っているのだろうかと思ってしまう時もあるのだ。それほど、ラブラブなのに、響はまだ照れてしまい、必死で逃げているたりする。それはそれで面 白いものを見てるという感じであるが……。

 宝生組が建てたマンションは、最上階だけが宝生組の事務所兼自宅になっている。他の住人には迷惑はかけていないようで、トラブルが起きたことはまだ一度もない。
 そのマンションの駐車場に入り、そこから最上階専用のエレベーターに乗って上がる。

 ここまで厳重にされているので、マンション出入りもかなり厳しい。まず、響がマンションの正面 入り口から入ることは滅多にない。他の組員も裏口から最上階へと直行しているようだ。
 そうした警備が厳しい場所を、響は顔パスで通り、自宅に戻るのである。

「ただいまー」
 響がそう言って、玄関を入ると、すぐに目の前の扉が開いた。

「おかえり、響ー」

 出てきたのは、耀だった。耀は、靴を脱いで上がった響に抱きついてくる。もう、こういったことは日常茶飯事なのだが、もう中学生なのだからやめさせなければと響は思っているところでもある。

「耀、くるしい……」

 響よりずっと背が高くなってしまった、あの小さな耀は、今は170センチは軽く超えてしまっている。そしてガタイがよくなってしまい、今では抱きつかれると、響の方が耀に埋もれてしまう状態なのだ。

「あ、ごめん」
 耀はそう言いながらも、響の腕は放さない。ぎゅっと握ってくる様子は、昔と変わりないのである。そういうところを見せられると、あまり強く言えないのだ。

「今日は、ショウガ焼きって言ってたよね」

「そうだよ。もう、お腹空いてるだろ?」

「うん、空いてる。お菓子食べたけど、足りない。別腹って感じ」

「成長期だしな。食前に何かあった方がいいかもなあ。俺もそうそう早く帰ってこれる訳じゃないし」

「おにぎりでいいよ。冷めても美味しいから」

「じゃ、朝に用意しておくね。それならいいか?」

「うん」

「ってか、自分で作れって言いたいな」
 響がそう言うと、耀はしまったという顔をした。

 そう、響と一緒に食事の用意を手伝っていた耀は、見事に料理が出来る男に成長してしまっていたのだ。それを忘れてしまうのは響のバカなところかもしれない。

「響が作るから、美味しいんじゃん」

「都合がいいな。自分で作るのが面倒なんだろ?」

「違うよ。響の手料理がいいの。ほら、お腹空いてるんだから」

 腕を引かれて、廊下を進み、リビングに出る。そこには、今日は早いと言っていた楸が、ボディガード兼相談役の槙達と何かをやっていた。

「ただいま」
 響がそう声をかけると、楸は顔を上げて言った。

「意外に早かったな。時間内か」
 わざと時計を見たりして、そう言われ、響はかちんときてしまう。

「てめーが早く帰れって言ったんだろーが」 

 響がそう答えるのと同時に、楸が立ち上がる。ヤバイと思った時にはもう遅い。逃げ切れずに捕まって、ただいまのキスをされる。

 それは軽いものではなくて、もちろん舌も入ってるディープキスなのだが、甘い感じがしてしまう、優しいキスなのだ。
 これには抵抗していた響も参ってしまう。

「ん……は……」
 楸は響の唇を堪能した後、ゆっくりと唇を放す。

「今日も浮気しなかっただろうな?」
 夢見心地なのに、いきなりそういう事を言う楸。

「は……ば、バカか!」

「いや、誘惑か。その色気、バラ一維いてるんじゃないか?ん?」
 楸はしっかりと響の顎を手で押さえたまま、そんな事を言い出す。これも段々しつこくなってくるのだから、響にはたまらない。

「バカ言ってないで、放せ」

「バカな事か。その色気に引き寄せられた奴が何人いたと思ってる」

「し、知らない!」
 響は自分の旗色が悪くなる前に話しを終わらせようとする。

 実際、響の会社にはそうして惑わされた人間が何人か居たからである。それを見逃す楸ではない。しっかり調査して、何か手を回してしまったらしい。そういう誘いをされていたのに、ある日いきなり無くなるということがあったからだ。

 それが、楸の仕業だと解ったのは、つい最近、本人に言われてからである。

「知らない? この間の事は覚えてないと?」

 それを言われると弱い響だ。会社の忘年会で、迫られ、ピンチに陥ったところに楸が登場して、何とかなった事である。

「い、いや、解ったから。もう、夕飯作らせてくれ……」

「ふん。逃げるとはいい度胸だ。今夜はしっかりと……」

「うわっ言うな!!」

 響はその先を言わさないように、楸の口を押さえる。でも、片方の腕は耀に捕まれているので、左手でしか出来ない。
 その左手もすっと外されて、楸が言葉を紡ぐ。

「仕事で疲れてるのに、夕食作りたいとは、さぞ体力が余っているんだろうな」

「い、う、な!!! 夕食は、お前も食べるんだろうが!!! とにかくその先を言うな!!」
 だが、それで許してくれるような楸ではない。

「お相手は?」
 じっと見つめられ、求められてしまうと、答えは決まっている。

「うっ……す、するから〜」
 真っ赤な顔をして、響が答えると楸は満足した笑顔を見せて、響の頬にキスを落とす。

「素直で宜しい」

「もう、いいだろ!」

「今日は、ショウガ焼きか。美味そうで楽しみだな」

 楸は響の言葉に満足したようで、やっと手を放してくれた。そして、何でもないように言って、ソファに座る。その動作が自然でさっきまでの甘い雰囲気はない。こういうところが楸の不思議なところである。

 やっと、解放された響は、耀と共に夕食作りに励む事が出来るようになったのだった。



 定食屋月時が閉店したのは、午後9時を回ってからだった。次々に現れる組員に食事を振る舞って、片づけをして、落ち着いたのが2時間後であった。

「あー今日も皆よく食べた」
「響の料理美味しいもんね。店屋物なんか取りたくないって感じだもんな」

 耀がそう言って、コーヒーを持ってきたところだった。
 毎回食後のコーヒーを入れるのは耀の役目になっていた。

「ああ、ご苦労」
 耀からコーヒーを貰った楸がそう答えて、美味しそうに飲む。

「ご苦労は、響だよ。この後、親父の相手もするんだもんね。大変だよ」
 しみじみと大変だという耀の言葉に、コーヒーを飲んでいた響は吹き出しそうになり、それを我慢して、飲み込んで咽せてしまった。

「ああー、そんなに急いで飲むことないのに」
 耀にそう言われて、ちがーうっと叫びたい響である。

 げほげほと咳き込んでいる響の背中を楸が優しく擦ってくれる。

「大変とはなんだ。愛の営みを大変とは言わないぞ」
 平然と言い返す楸の言葉にも突っ込みを入れたい響。

 それもなんか違うようで合ってるようで。

「愛の営み〜。なんか親父が言うと嘘臭い〜」
「営んでいるんだから、事実だろ」

「あんなに泣かせてるのに」
「啼かせてるだ。間違えるな」

「へえ、啼かせてるねえ。そう言うんだ」
 もうどうにかしてくれ、このバカ親子。と思う響はまだ咽せていた。

 反論が出来ないところで、際どい会話が続けられ、頭を抱えたのは、控えていた槙だった。

 お可哀想に、という同情の目が響に注がれる。
 もう少しこの二人にデリカシーがあったなら、こんなことにはならなかったはずであるからだ。

「お、お前ら!! いい加減にしろーーー!!」
 やっと響が怒鳴り返せれたのは、セックスについて二人が議論し始めた所だった。



「まったく、なんで耀はああなっちゃったんだ……俺、教育間違えた? いや、楸が悪い、うん、そうだ」
 響は、風呂から出てくると、そうぶつぶつと呟いていた。それを聞いた楸が、不思議そうな顔をしていた。

「何をぶつぶつ言っている。耀の教育とか」
 ベッドに腰をかけた状態で、何かの書類を見ていたらしい楸は、その書類を置いて、響を呼び寄せる。

 二人っきりになると、素直になる響は、その手招かれるままに楸の側へと寄っていく。

「耀の事。なんであんなに、せ、性の事とかに開けっ広げなんだよ」

 響はそう呟く。どうしてあんなに興味を持つのかは解る。思春期にある事だからだ。でもそれでも、あそこまで知っているのもどうかと思うのだ。それを助長させている楸にも問題があると思う訳だ。

「あれは昔からそうだっただろうが。知りたい事は教えてきたからな。色々知ってて当然だろう」

「当然って、元凶はお前か!」
 響が忌々しそうに楸を睨むと、楸はそんな響を引き寄せて、ベッドへと寝かせると上に覆いかぶさってくる。

「家でこんな事をやっている輩がいるんだから、気になるのは仕方ない」
 楸はそう言うと、響に口づけた。

「ちょ……んんんん」
 先を言おうとするのを止めるように、楸の接吻は深くなる。

「は……んん」
 何度も向きを変えて繰り返す接吻に、響は言葉を忘れてしまう。
 こうなる事はいつもの事。

 楸を好きなのだと解った時から、響の身体は非常に正直になってしまっていた。ゆっくりと触られれば、ちゃんと身体も反応するし、接吻だけでも期待をするようになってしまった。

 そうして、長いこと繰り返してきた行為は飽きる事無く、ずっと儀式のように続けられてきた。求めるのはいつも楸だが、応じるのは響だ。

 拒んだことは殆どない。響が疲れている時にはちゃんと寝かせてくれるし、無茶はしない。そうした優しさがあるから、響も身を任せていられるのだ。

「ん……ひさぎ……」

「響」

「もっと……」

「何度でもくれてやるさ」
 楸はそう言いながらも、響のパジャマを脱がせていく。それを手伝うように響の身体も自然と動く。

 そうしているうちに、ふと、楸が気がついたように言った。

「今日は、覗きはなしだぞ、耀」
 その言葉に、響がびくりとして起き上がる。

「え!? 耀!?」
 まさか覗いている?
 そう考えて、さっきリビングで話していた意味が理解出来たのだ。

「ま、まさか、いつも覗いて……」
「いつもって訳じゃないさ。いつもやってる訳じゃないしな。分かり切った時には、必ず覗いてる。知らなかったのか?」
 行為に夢中になっている時に、覗きを気にする余裕など、響にはなかったのである。

「し、信じられない!」
 響は楸を押しのけて、ベッドから這い出ると、ドアに向かって歩いた。そして勢いよくドアを開けて、覗きの犯人を見つけたのだった。

「耀!! 覗きなんて悪趣味、冗談じゃないぞ!!」
 響の怒りの形相に、廊下に隠れていた耀は、困った顔をしていた。

「だって……綺麗な響が見たかったんだもん……」
 耀は悪びれずにそう言い放つ。

「き、綺麗って……」
「親父に抱かれてる時、響、すげー綺麗だし、色っぽいし……」

「だっ!」
 抱かれてる時だって!

 それじゃ、頻繁に耀が覗いていたというのは嘘じゃなかったのだ。

「あきーーー!!!」
「ごめーん。なんで親父、バラすんだよーー」
 響には謝っておきながらも、耀は楸に抗議をする。

 すると、楸はこう言ったのであった。

「これ以上、見せつけて、本気で手を出されたらたまったもんじゃないしな。そろそろ響に知らせておくのもいい時期だろうと思ったのさ」

 その言葉に、響は唖然としてしまった。
 なんという言い訳だ。

 響はそのまま頭を抱えてしまったのであった。

「時期ってなんだよー」
「相手は響じゃ駄目だって事だ。他あたれ」

「えー、最初は響って決めてたのに」
「そんな事だと思った。それはいくら何でも、許すつもりもないし、響だってそんな気はちっともないさ」

「えーえーえー。そんなあ」
「駄目なもんは、駄目なんだ。諦めも肝心だぞ」

「やだ。響がいい」
「響に聞いてみな」

「ねえ、響。最初は響がいいんだけどさ」
 耀がそう言った時に、やっと復活した響は、大きな声で怒鳴ったのだった。

「バカかあああああああああーーーーーー!!」
 その大きな響の声に驚いた耀は、さっさと退散してしまったのだった。

 怒ったままの響はドアを大きな音で力いっぱい閉め、ベッドに戻ってくると、きちんとパジャマを直して布団に入ると言ったのだ。

「罰として、今日はなしだからな」
 そして、楸に背中を眠ってしまう。

 これには楸もやられてしまったようだった。

「手厳しい」
 クスリと笑った楸は、ゆっくりと響を引き寄せて今日は大人しく、響の言葉に従って眠る事にしたのだった。

 そんな日常が宝生組では続いていたのである。