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switch101-27 電光掲示板

 街に買い物に出た時、恭はたまたま見かけた電光掲示板を見て呟いた。

「あれって、ああいうのに使っていいのか?」

 電光掲示板には、結婚して欲しいなど、愛の告白などが30秒単位で現れていた。
 こういう風に使ってするのは、よく見かける光景になってきていた。
 その言葉で俺は答えた。

「うん、お金さえ払えば、大抵のメッセージは載せてくれるよ」
 そう答えた俺だが、慌ててこう言った。

「あ、恭、使っちゃダメだからね」
 そう言い返されて、恭は見抜かれてしまった事に頭を掻いた。

 恭がしようとしている事は俺にも手に取るように解る。
 なんと言っても、俺のへの愛の告白でも載せてくれとか言い出しそうだからだ。

「せっかく透耶への愛の大きさをやって貰おうと思ったのに」
 そう言われて俺は脱力する。

 …これ以上、人前で言うのはダメだってば…
 もう十分なのに。
  

 その日は恭もそうかと答えたのに。

 大人しい恭には気を付けないといけないと思ったのは数日後。
 また街に出かけた時、恭が時計を気にしながらあの掲示板の前に止まった。

「どうしたの?」

「ん、ちょっと待ってくれ」
 そう言われて俺はまさかと思った。

 まさか、こっそりやってないよね。
 と青くなりながら待っていると恭が電光掲示板を指差した。

「ほら、透耶」
 言われて恐る恐る顔を上げて見ると、やっぱり…。

 そうは思ったけど、俺は何故か泣きそうになった。

 その言葉は、沖縄で恭が言ってくれた言葉だったからだ。

『I swear I will love you forever. So please promise me that you will stay with me as long as the world goes round. (お前だけしか愛さない。だから、ずっと側に居て。)』

 そう書かれていたから、俺は嬉しくて泣きそうになった。

 もうどうして俺が嬉しがる言葉を出してくれるの?

 恭を見ると、ニコリと笑っている。

 もうどうしてくれよう、この愛しい存在を。

 俺は街中だっていうのに、恭に抱きついてしまった。
 そしてこう答えた。

『I promises. We will be always together.(うん、ずっと一緒だよ。)』
 改めてその言葉を言うと、恭は抱き締め返してくれた。

『Toya. you are my one and only. I love you. I adore you. from the bottom of my heart.(透耶だけだ。他はいらない。愛してる。)』

 その言葉が聴こえて、俺は涙が止まらなかった。

 もう涙腺壊れてるし、恭は笑ってるし、通行人は変な顔してるし。
 だけど、それさえ関係ないくらいに俺は嬉しかったんだ。

 でも英語だったから、会話は通じなかったのは幸いだったかもしれないと、後で考えて思ってしまった。