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switch外伝5 鬼柳恭一の休日-彼の背中の温かさ

 透耶がやっと目を覚ます。朝までコースだった昨日というか今日。
 鬼柳がいきなり帰ってきて、そしてそのまま雪崩れて……ということになったから、透耶はあまり鬼柳の顔を見ていない。
 時計を見ると、ちょうど夕方近くになっていた。どうやら一日中寝ていたみたいだ。
 しかしベッドの隣を見るとそこには誰もいない。夢だったのかと思うようなそんな感覚に襲われるも、身体の節々やらが痛い感覚が昨日のことは本当だったと教えてくれる。
 透耶が起き上がって身体を解し、部屋を出る。下へ降りていくとちょうどランドリーのところに鬼柳の後ろ姿を見つけた。
 ゆっくりと中庭を通ってそこへ行くと、彼は洗濯物を畳んでいた。ちょうど干したものが乾いたらしくそれを片付けていたようだ。
 透耶はその背中に向かって歩いていき、そのまま座っている彼の背中に抱きついた。
「え……うわ、と、透耶?」
 油断していたらしく、鬼柳は驚いたあとこんなことをするのは透耶だけだと気付いてそう尋ねてくる。 
「うん」
 透耶がそう答えると、鬼柳はほっとしたように身体の力を抜いた。
「今起きたのか、身体大丈夫か?」
「ん、大丈夫、ちょっとだけしんどいけど」
 透耶はそう答えて笑っている。鬼柳は少し楽しそうにしている透耶から、自分が戻ってきたことで透耶が喜んでいることを悟る。
 鬼柳が帰ってきた時、透耶は鬼柳の姿を探して後をついてきたりすることがある。寂しさが募ってしまった後に鬼柳が戻ってくると、どうしても透耶の方がストーカーのようになってしまうらしい。それはそれで鬼柳にとっては可愛いもので、まるで親鳥のような感覚になる。
「お腹空いてないか?」
 鬼柳が立ち上がろうとするも透耶がそれを邪魔する。
「やだ……」
 ぎゅっと鬼柳を抱きしめて、透耶が鬼柳を立ち上がれないように押さえつける。鬼柳の力を使えばそれは簡単に振り解くことができただろうに鬼柳はそれをしなかった。
「どうしちゃったのかなー?」
 鬼柳はそういいながら目の前にある洗濯物を畳んでいく。透耶は何も言わずにその背中にくっついている。
 そんなご飯なんかよりも今は鬼柳にくっついていることが幸せでたまらないのだ。
 その洗濯物が畳み終わると鬼柳は立ち上がって食堂へ向かう。もちろん慌ててくっつき直した透耶も連れてだ。
 そのまま食堂に入ると、鬼柳は簡単な食事を用意していたようでそれを冷蔵庫から取り出しレンジで温める。出てきたのは目玉焼きやベーコン、あとは果物くらいで、少しのパンがある。
 夕方に朝食は変であるが、透耶にとっては朝と変わらずなので仕方ない。
 それを見ていた透耶はお腹が空いてきたのか、キョロキョロとしだす。全部を用意して鬼柳が透耶を引き寄せて席に座らせる。慌てた透耶の隣に鬼柳が座って透耶の頬を撫でる。
 ちゃんと隣にいるからというような合図をすると透耶はそれだけで安堵するようだ。
「ちゃんと食べよう」
 鬼柳がそう言うと透耶は食べることに専念しだす。鬼柳は綺麗に剥いたフルーツを透耶に差し出して食べさせたりしていた。
 透耶は普段なら差し出したら手で受け取るだろうが、今はそのまま鬼柳の手に食らいついてくる。エサを貰うひな鳥という感じだ。この感じが可愛いので鬼柳は結構これをやるのが好きだった。
「美味しい?」
「うん」
「これも」
「うん」
 桃も食べさせてやって、透耶はやっとお腹が張ってきたようだ。ちょうど鬼柳が出した食事は綺麗に食べてくれたようだ。
 それを片付ける頃には透耶もやっと完全にくっついて離れないというようなことはなくなる。だが、鬼柳の様子が気になるのか、台所から離れてはいかない。仕事は今日はないらしく、暫く休みなので透耶は気ままに本でも読もうと思っていたらしいが鬼柳が帰ってきたから予定は変更されてしまった。
 洗い物をする鬼柳の背中を眺めていると、本当に帰ってきたんだと透耶はホッとなる。いないことになれていても時には居ないことが辛くて泣きたくなることだってあるのだ。
 いくらメールが届くからと言っても鬼柳が辛い状況を語ることはないからだ。
 ただ愛してると締め括られるメールを何度も透耶は眺めている日々だ。
「よし、透耶リビングいこう」
 鬼柳がそう言って透耶に手を差し出す。透耶はそれを握って席を立ってついていく。
 リビングに入ると鬼柳はソファに座って、その隣に透耶に座るようにいう。そして座った透耶の膝に頭を乗せて膝に収まってしまう。今度は鬼柳が甘える番だといわんばかりだ。
 透耶はにっこりとして鬼柳の頬を撫でて、頭も撫でる。そうして二人が見てるのはただのニュースだったりする。
 その日のトップニュースは、昨日鬼柳が乗っていた飛行機に関することで、空港でのちょっとした事故から後の便がなかなか着陸出来なくなってしまったのだ。雨も降っていたし視界も悪かったらしい。
 そうなっているとは透耶も知らなかったので、まさかそれに鬼柳が乗っているとも予想出来ないだろう。
「あれに乗っててな。もう最悪。向こう出た時も空港でトラブルあって数時間飛行機が飛ばないし、やっと昨日中に戻れる便捕まえたと思ったら、こっちでも空港トラブル。やっと降りたら午前様だ」
 鬼柳はそう語ってくるので透耶はそんなこともあるんだと頷いて聞いていた。
「大変だったね。でも無事だったからよかった」
 そう言いながら透耶は鬼柳にキスをする。降ってきたキスに鬼柳は少し驚いたようだが、嬉しそうにそれを受け入れた。
 軽くキスした後は執拗に貪る。熱い舌をねじ込んで口腔を舌で掻き回す。その感触に透耶がぴくりと身体を震わす。舌をそのまま吸い上げると透耶の身体がびくびくと震えた。
 やっと唇を離すと、透耶ははあはあっと息を肩でして、少しぐったりとしている。どうやら酸素が足りなかったようだ。
 そんな様子を眺めて鬼柳は透耶の股を撫でる。
「……んあ……」
 昨日の余韻もあるのか、透耶はすぐに反応してくれる。
 今日は鬼柳が帰ってきたとあって、メイドの司は休みであるし、執事の宝田は気を遣って下がってくれている。ここにいるのは二人なので透耶も甘えてくれるのだ。
 そういう環境はすでに朝の段階で整えているから鬼柳も策士かもしれない。
 足をいやらしく撫でられて透耶は少し顔を赤らめて戸惑う。
「あ……だめ……んん」
 ぴくりと眉がハの字になってしまうのを見て、鬼柳はゆっくりと起き上がる。起き上がるのと同時に透耶をソファに押し倒した。
 透耶の中心を押さえて握ってみると透耶はあっと声を上げて恥ずかしそうに顔を腕で隠した。握られたそこはすでに反応していて膨らんでいたからだ。
「ふーん、透耶いやらしい」
 鬼柳はにやりと笑ってボタンとファスナーをあけて中身を取り出す。
「え、や……っ」
 抗議しようとするも解き放たれたそこは立ち上がっていて鬼柳の顔の前にそれをさらけ出していたから恥ずかしさが倍増してしまう。
「やだ……だめ……はずかし……」
 大きく開かれた足は鬼柳が身体を入れてしまった為に閉じることが出来ない。
 黙って鬼柳が見ているだけでも透耶は十分に反応してしまっていた。先からは汁が溢れてきていた。鬼柳はそれを咥えて先から出るものを吸い取った。
「……あぁ……やぁ……っ」
 跳ね上がりそうになる身体を鬼柳が押さえてしっかりと吸い付いてくる。
「んはっ……あぁ……や……ん」
 ジュルジュルと妖しい音がするほどに鬼柳は透耶自身を舐めあげてきていたが、鬼柳は根本を押さえていて簡単には達かせてくれないようだ。
 下から上まで舌で舐めあげ、先端を舌でくすぐるようにしていじってくる。
「んぁ……や……あぅ……あぁ……っ」
 なかなか許されない射精だったから透耶の身体は淫らに乱れる。
「だめ……いかせて……」
 喘いでいるその口からやっと懇願する声が漏れると鬼柳は満足したかのように押さえてた手を離して、透耶自身を口に含むとギュッときつく吸い出した。
「やあぁぁぁ――――――!!」
 ようやく許された射精は、強烈な快感で透耶の身体を貫いた。だが射精してもそれは全部鬼柳の口に吸い込まれ搾り取られる。
「やぁ……熱い……ひ……ぃあ、ひゃぁぁ!!」
 絶頂感が止まらないまま、ドクドクと鼓動に合わせてあふれ出すものを鬼柳が全部飲み込んでしまう。 やっと収まったのだが、出てしまったものを鬼柳が綺麗に舐め取っていく。あふれていたものがついているものを舌で綺麗に舐め、震える透耶の身体を刺激していく。
「んぁ……は……ん……んん」
「透耶、かわいい」
 鬼柳はやっと起き上がって透耶の顔を覗き込むと、そこには快楽に支配されたままの透耶がいる。
 虚ろな目はどこを見ているのか分からないがまだ戻ってきてはいないことは確かだ。
 ゆっくりと口づけをする。開いたままの唇の中には簡単に侵入ができた。
「んん……ん」
 唇を押し開いて中に入り込むと舌で中を舐める。歯も口腔も全部を舐めて、溢れた唾液を透耶に飲ませてもまだ鬼柳は口づけをやめなかった。
「ああん……んう……ん……ぁ」
 ここまでトリップさせてしまうとあとは簡単だった。透耶は鬼柳にならなんでもさせてくれる。
 ズボンを落として足を広げると、鬼柳は穴の中に指を入れて掻き回した。
 透耶に舐めさせた指で塗らしておいた指だからくしゅっとした音がする。
「あふ……ん……んぅう……あぅ……っ」
「透耶、そのまま俯せして」
 鬼柳が穴をいじりながらすっと離れると、透耶は言われた通りに俯せになる。ちょうど鬼柳にお尻を突き出した状態になる体勢だが、トリップしている透耶は気付いてない。
 散々そこを塗らして舐めて解した後、鬼柳は熱くなった自分自身を透耶の中へと押し込んだ。
「あ……ふ……!」
 透耶はぎゅっと鬼柳にしがみついてその衝撃に耐えた。
「だめ……あぁ……お、大きい……っ!!」
 狭い穴を大きいもので目一杯広げられて苦しさで透耶は喘ぐ。でも辛いのは最初だけだと知っている。一番太い場所が入ってしまえば後はスムーズだった。
「やぁ……あ、入る……はいって……んん」
 一気に入ってしまうと、後は楽だ。一旦寸前まで引き抜かれ、また奥まで突き上げられて掻き回される。
 鬼柳の指は透耶の前に回って透耶自身を包み、先端をいじり出す。
「ひぁぁぁ……っ!!」
 それだけでも達しそうになってしまうには衝撃は十分だった。鬼柳が許してくれたので透耶はそのまま達する。びくびくと出している間も鬼柳の挿入は収まらない。
 達している最中の衝撃に耐えると気持ちがいいのを鬼柳はしっているからだ。
「すごい……射精してる時って、中がひくひくして吸い付いてくる……絡みついてすごい……」
「やぁぁ……んん」
 透耶は首を振りながら、そんなことはないと否定しようとするが、その言葉も甘い喘ぎに変えられてしまう。
「うそ……やっ……あう……だめ……も……やぁ」
「駄目? うそだまだ透耶いけるよ」
 鬼柳がクスリと笑って腰を強く打ち付けてくる。そしてまた透耶自身をいじり始める。
「んあ……あぁ……うぁ……っ」
 熱い物が中にずっとあるのが気持ちがいいと思う。
「熱い……ぅん……あつ……いよ……」
「透耶……透耶……愛してる……」
 鬼柳が何度もそう呟くと透耶は何度も頷く。
「大好き……あい、してる……きょう……」
 あとは喘ぎに変わるだけだった。
 鬼柳が達して終わるまでその場でのセックスは止まることはなかった。
 ので、外から戻ってきたばかりの宝田は今日は早々に部屋に引き上げるべきだなと仕事が終わるとそそくさと部屋に戻っていったのだった。