switch

switch外伝9 play havoc19

 夜も更けた頃、起き出してきた鬼柳恭一に、榎木津透耶が気づいて一緒に起きた。
「俺、寝落ちしてたんだな」
 鬼柳が透耶を見つけ、そう照れたように言うと、透耶は鬼柳にこっちにおいでと手招いた。
 寄ってきた鬼柳に透耶はキスをして、自分から舌を絡めるキスを強請った。透耶から仕掛けてきたキスに歓喜したのは鬼柳だった。欲しかった、ずっと欲しかった透耶が目の前でキスを強請ってくる姿が、愛おしくてたまらなかった。
 キスを何度も向きを変えてして、絡み合った唾液を何の躊躇もなく透耶が飲んでしまうと、キスはやっと終わった。だが透耶はそれだけでは満足せずに、鬼柳の襟首を捕まえてベッドへと引き倒した。
「おっと……」
 透耶を押し倒した形になったが、勢いよく寝転がったため、透耶の方を鬼柳は心配した。
「大丈夫か?」
 そう言ったのだが、透耶は口を膨らました後、鬼柳の服を脱がし始めた。
「ちょっと……透耶?」
 訳が分からずにそのまま上着だけ脱ぐ形になったところ、鬼柳は透耶にちゃんと座るように言った。
「お願いだから、ちゃんと言葉に出して」
「……」
 透耶が顔を真っ赤にして鬼柳の腕を掴む。そしてその手を自分の胸において言った。
「お願い、無茶苦茶にして」
 顔は真っ赤だったが真剣なお願いだ。
「恭がいっぱい欲しい。愛してるからいっぱい欲しい」
 そう言うのだ。
 だが恐怖心が少しだけ残っているのか、震えている。透耶は自分が汚れたと思っている。生きて帰るためとはいえ、体を他の人間に許した。それがどうしても許せないのだ。さらにそんな体を鬼柳がいやがるのではないかとさえ思っている。
「じゃあ透耶はちゃんと見てるんだ。触っているのは俺であることを確認すること」
「……うん」
 透耶がそう頷くと鬼柳は透耶の頬にキスをしてから、もう一度透耶を押し倒した。


 透耶の乳首を何度も舌でこね回して、鬼柳はそこから三十分も離れない。わざと浅く舐めたり、乳輪を舐めたりしてじらしたり、強く吸ったかと思えば、含んだだけで何もしなかったりと、とにかく意地悪だった。
 それでも透耶には気持ちがいいものだから、もっと先をして欲しくて、さっきから腰はずっと動いている。
「……乳首、とれちゃ……う……っっん」
 鼻に抜けるような甘い声が何度も上がっているが、鬼柳は緩い愛撫を繰り返す。
「そうかじゃあ、こっちならどうなんだ?」
 そう言って鬼柳は反対側の乳首を舐め始めた。さっきまでいたぶっていた方を指で押しつぶしたりしてくる。
「ああっ……あっん! あぁぁっ」
 敏感になっていた乳首をこねられて、透耶は乳首だけで射精をさせられた。まだ鬼柳が手も触れてないそれは、パジャマや下着の中を濡らした。
「透耶、お漏らしみたいになってる……」
 鬼柳がそう言うので透耶は真っ赤な顔をした。乳首だけで達したりするのは慣れるが、着たままされて、下着の中で射精をしたことは、夢精以外ではなかったことだ。
「……はずかしい……やぁ」
 透耶が恥ずかしがっているのを眺めながら、鬼柳はやっと透耶の服や下着を脱がせた。ベトベトになったそれを放り投げて、今度は透耶自身に手をかけて、それを扱きながらまた乳首を吸ってくる。
「あっ……やっやぁ……っ」
 達したばかりのものをいじられ、萎えたはずのものがまたそそり立つのに時間はかからなかった。さっきので濡れた透耶自身はニチャニチャと音を立てて鬼柳の手で高められていく。
 そしてもう片方の手が、ヌルリとした液体と共に透耶の中に進入してきた。一本の指が中をゆるりとこすりあげ、透耶は気持ちが良くてあえぎ声をあげた。
「あぁあっ! ああぁ!」
「透耶、可愛いね」
 鬼柳がそう言って乳首からやっと離れていった。そしてそこから鬼柳は透耶の腹を舐め、透耶自身に口を落とした。
「ひゃぁっ!」
 急に口腔に包まれて、透耶の腰が跳ね上がる。その腰を鬼柳は押さえつけながら口でしごいていく。はちきれんばかりになっている透耶自身を今度は口だけで達かせた。
 ビューッと長い射精が続いたが、鬼柳はそれらをすべて飲み干してしまう。
「二ヶ月ぶりだな」
「か、感想はいらないっ!」
「透耶、目をつむってたし、実況する」
「い、いらない! いらないから!」
 透耶が必死で止めようと起きあがるのを、鬼柳は片腕で制して、片方を孔の中で暴れさせた。三本入っている指を押しつけるように中をこすりつけると、透耶のいいところに当たって、透耶の抵抗がやんだ。
「……!」
 びくんと跳ねた体を見て鬼柳が言う。
「ほら、ここ透耶の好きなところ。ここ触ってやると、透耶の腰が揺れるんだ、ほらね」
 クネクネと腰が揺らいで、その指の感触をさらにいいところに当てようと蠢いてしまう。恥ずかしいのだが、それでも透耶は我慢が出来ずに、鬼柳の指にこすりつけるように腰を動かした。
「すごい透耶、エロい、最高にエロい」
 鬼柳は本当にそう思っているらしく、ゴクリと唾を飲み込んだ。そして一気に指を引き抜いた。
「あ……ん」
 名残惜しそうに孔が収縮を続けている。もっと大きなそれを早く入れて欲しいと強請っている。そこに鬼柳自身が当てられて孔に当てたままでなかなか入ってくれなかった。
「や……どして?」
 透耶が不安そうに、鬼柳を見る。だが鬼柳の顔は真剣そのもの。いや、それ以上に獣の顔をしていた。透耶を食い尽くす豹のように獲物に食らいつく寸前の顔だ。
 それを見た透耶は興奮したような顔になり、それこそ鬼柳が今まで見たことないほどの耽美な微笑を浮かべて言った。
「滅茶苦茶に突いて」
 透耶が両足を自分で広げてそう懇願すると、鬼柳ももはや余裕がないように、透耶の太股を手で掴むと一気に透耶の中へと進入した。
「ひっ……あぁぁぁああぁ!」
 透耶の悲鳴とも嬌声にもどっちでもとれる声が上がって、鬼柳を受け止めた。鬼柳は最初こそ強く突き入れたが、透耶の声で我を取り戻したのか、その後はなるべくゆっくりと突いてくれた。
 狂ったような腰つきになるのは、その後だった。
 鬼柳も我慢の限界だったのか、一回透耶の中で出すと、その滑りを利用してさらに強い腰つきをして透耶と突いた。
「もっと……もっとして!」
 透耶は甘い声を上げながら、鬼柳の激しさを強請った。
 そこら辺りで、鬼柳の理性は切れたといってもいいだろう。
「透耶……透耶」
 そう譫言のように言いながら、透耶の孔に己を突き刺し、一心不乱に腰を打つ。そんなことは本当に久々で、自分でもどうかしているのではないかと思えるほど狂っていたと思う。
 突くたびに透耶は失禁でもしたかのように精子を垂れ流していた。何度も達しているのに、それでも足りなくて鬼柳を求めた。鬼柳がたくさん出してくれているのに足りないともっと求めた。
 獣のようにお互いを求め合い、最後には言葉など何もないまま、口づけを交わし、中に入れたままで呼吸を整え、そしてまた激しく求め合った。
「う……んっ……あぁ……うぁ……んぁっ!」
 鬼柳は透耶の足を胸につけて真上から透耶の体を犯す。鬼柳が一度透耶の中に入ってから一度も出ていないので、孔からは泡のように残滓が溢れてきている。
 それがジャブジャブと音を立てて、部屋中に響いている。それでも二人はそれすらも楽しむように、お互いの体を貪り尽くした。
 鬼柳がやっと四回ほどの射精をした後、透耶の中から出て行くと、ポコポコと残滓が溢れて止まらなかった。
「透耶……大丈夫か?」
 視点の定まらない透耶の顔をのぞき込んだ鬼柳が透耶の頬を軽く叩いて呼び戻す。
「…………あ……きょう……」
 深い深呼吸のような息を吐いて透耶が鬼柳を見た。
「ごめん、調子に乗った」
 鬼柳がそう謝ると、透耶はクスリと笑う。
「それは俺もそうだよ」
 透耶がそう言うので鬼柳も笑顔になる。
「久々にタガが外れたな……風呂用意してくるから、そのまま寝てろ」
 鬼柳はそう言い残すと、部屋を出ていった。
 暑かった体が冷えてきた頃になると、鬼柳が戻ってきた。けれど透耶はうつらうつらとしていて、鬼柳の呼びかけにもまともに答えられない。
「いいよ、寝てて。そしたら朝だ」
 鬼柳がそう言ったので透耶は、そのままゆっくりと意識を手放した。話したいことはたくさんあるが、それはまた明日のこと。
 時間はたくさんある。これからたくさん出来る。
 そう思ったのだった。