R18novel短編

25時-1

 残業に続き残業。IT企業のプログラミングを担当していると、デスマーチという言葉が存在する。もう少しで出来上がらなければならない仕事を残業という言葉では甘い、泊まり込み状態で仕上げていくのだが、すべてが完成するまで、通路で人が死んでるような状態になる。
 労働基準法にもちろん違反しているが、こうしないと仕事が仕上がらない。
 深夜近くに仕事が上がり、やっと三ヶ月かかった大きな仕事が完成をした。
「終わった!」
 データを保存し、コピーしたものを封筒に入れ、上司に渡したところで、作業をしていた数人のプログラマーが荷物を持って立ち上がる。
「飲むぞ!」
「いつものところ、予約できました!」
「行くぞ!」
 いつものことで打ち上げという名の飲み会が開催されるのだが、その中で一番過酷だった部門のプログラムをした北森は、そんなことをやってる場合じゃないと、眠い体を引き摺って部屋を出た。
「おい、北森、寝るのか?」
「おおー、もう無理、徹夜二日目」
「分かった。明日は休みだし、寝てから帰れよ。危ないし」
 夜勤室という名の寝室は、部屋から遠いため、普段雑魚寝している職場の部屋からは離れたところにある。普通は夜勤の人間が使うのだが、ほとんどの部署で締め切りが終わっていたため、夜勤の人間は一人もいなかった。
 北森が夜勤室の一つのドアを開けて入り、二つあるベッドの近くに鞄を置いてからバタリと倒れてそのまま寝た。
 とにかく眠いのだ。
 そのまま北森は眠りにつく。
 二日の徹夜は、思った以上に北森を疲弊させていたようで、物音が鳴ろうが、人が入ってこようが、ピクリともしなかった。
 その北森は、夜勤室に鍵をかけ忘れた。基本的に鍵はかけるようにと言われているのだが、北森には疲れのあまりそれができていなかった。
 北森が眠って三十分ほどして、芦原という人間が部屋に入ってきた。
「北森……か?」
 寝ている人間に気付いて近づくと、寝ているのは隣の課のプログラマー北森だった。
 芦原は営業で、北森たちがその仕事を実際に作っていくのだが、北森は気が強くて、時折、営業が無理矢理取ってくる仕事に文句を言いに来るほどの気の強さで、言い合いになると芦原も負ける。
 辞めるプログラマーは大抵、営業が詰め込んだ仕事のせいで、辞めていくのだから、北森が怒るのは当然で、実際無理に詰め込んだ仕事の完成が二ヶ月遅れたことだってある。
 そうしたやれもしないことをやれるように嘘八百で仕事を取るのは詐欺のやることだと言われて、芦原はぐうの音もでなかった。
 そんな事件があった後、営業の出来もしない仕事を取ってくることが問題になり、課長の首が飛んだり、さらには部長や副社長の問題にまで発展した。
 営業先からは、この会社のプログラムを使っていて大きなトラブルになったことはないので、ちゃんと実績があるのだから、無理にプログラマーを放出するような仕事の取り方はやめた方がいいと諭されたことだってある。
 実際に北森達のお陰で大きな問題に発展する前に、営業のあり方を見直す結果になった。北森はそれに貢献したのは、話を聞いてくれた芦原のお陰だと言ってくれたため、芦原は課長に昇進した。
 芦原にすれば、北森と喧嘩をしていたら昇進したような感覚で気持ちが悪かったのだが、北森が褒めていたと言った言葉は素直に嬉しかった。
 それから北森がボロボロになりながらも仕事をしている姿を見ると、なるべく負担をかけないようにしたかったし、プログラマーも増やしてやる気になった。
 そのお陰で仕事は減ったが、業績と実績は上がり、社長は大喜びである。
 だがその後問題が生じた。
 芦原が偶然、トイレの中で聞いたことだったのだが、プログラムの専門たちから、北森は早々に引き抜かれるだろうという話だった。
「あいつマジですごいからな」
「ムカツクけど、コードは綺麗だし、間違いはないし……正直一緒に仕事していて嫉妬しか生まれないから、早く大手に引き抜かれてほしい」
「だよなー」
 という話である。
 こういう話が出るということは、北森に引き抜きの話が来ているということである。こういう話はいつの間にか広まっている。
 それに芦原は腹が立った。
 会社のためにとあんなに必死だった北森が、自分のためのスキルアップを狙っているなんてことが、認められなかった。
 冷静に考えれば、北森のためにスキルアップは必要であると思えたのだが、あの事件後の貢献からの流れで、北森は会社の仲間だという意識が芽生えていただけにショックだったのだ。

 芦原、部屋に鍵をかけると、荷物を置き、北森のベッドに座る。
 ギシリとベッドが軋むのだが、北森は起きない。
 芦原は荷物の中から錠剤を取りだし、それを一錠取り出した。
 ペットボトルの水を口に含んでから、俯せになっている北森を起こして、仰向けにすると、口の中に一錠突っ込んだ。
 北森は口の中に異物が入り混んできたのを少し嫌がったが、芦原がそのまま口づけをするようにすると、入り込んできた水が欲しかったのか、勢いよくその水を飲んだ。錠剤は一気に飲み込まれていった。
 だが、北森は芦原の口から離れようとはしないで、水を求めて芦原の口の中を舌で舐め取ってくる。
 ジュルジュルと涎まみれになりながら、キスを迫っているような感覚に芦原は少し戸惑った。
 ちょっと困らせてやろうと思っていたのに、寝ている北森に反撃を食らった。
 水を足してからまた口づけをすると、北森はごくごくと勢いよく水を飲んで、また芦原の口腔を舌で舐め取ってくる。その舌に芦原が舌を絡ませてから逆に舌を吸ってやると、北森の体がビクリと跳ねた。
「ふ……んっ!」
 水を飲むということよりも、北森はキスをしてもらうことに嬉しくなったのか、キスをせがむように口を開いて芦原の舌を受け入れている。
「んふ……ふっふ……んふふ」
 北森にキスをし続けていると、北森のペニスが半起ちしているのに気付いた。
「あ……ん」
 ズボンの上からペニスを擦ってやると、北森が甘い声を上げた。
 思った以上の甘い声で、芦原のペニスが勃起しかかっていた。腰に抜ける声といっていいか。想像外のことで、芦原はさっきまで怒っていたことなんて、どうでもいいと思いだした。
 そんなことより、北森を抱きたい。
 さっき北森に盛ったのは眠剤で、それを飲んでいると効いている間に目を覚ましても、次の寝て起きたら記憶が消えていることがあるという眠剤だ。
 少しの記憶障害を起こすようなもので、通常は道ばたで売人が売っているものを手にするしかないが、芦原は昔、睡眠障害でもらったものを常備していたのだ。
 芦原は寝ている北森の服を脱がしていき、全裸にした。
 思った以上に綺麗な体で、仕事の他にジムにも通っているのが分かる。筋肉がしっかりと付いていて、そのしなやかな体に芦原は跨がって、北森の体を舐め回した。
 首筋からキスマークを残さないようにキスをしていき、胸を何周も舐めてから乳首に達する。乳房をゆるゆると舐めてから、勃起した乳首を舌で転がした。
「んふっあっん……あっんふっ」
 北森の息が漏れるたびに、甘い声が聞こえてきて、芦原は夢中で北森の乳首を吸った。
 北森のペニスがすっかり起ち上がり、先走りをこぼし始めると、芦原は自分の腹を当てて、わざと腹で北森のペニスを擦ってやった。
 すると北森は自分でペニスを当てるために腰を上げ、芦原の腹に擦りつけてくるではないか。