R18novel短編

フラストレーション-1

 石神(いしがみ)には、高校からずっと一緒のクラスだった小高(こだか)という知り合いがいる。大学も同じ、取っている講義もほぼ同じで、講義を受ければ目の端に入るくらいの距離にいる。
 だが友達ではなかったし、クラスメイト以外の言葉を持ち合わせてなかったはずだった。
 だが石神は小高の友達ではないが、重大な秘密を知っていた。
 小高がホモであることである。しかも突っ込む側ではなく、受ける側専門。

 それを知ったのは高校の夏休みの補習が終わった後だった。
 補習を終えて帰る途中で、教師に呼び止められ、理科室に荷物を運ぶ用事を言いつけられた。最初は断ったけれど、教師は私用でこれから出かけなければならず、急いでいた。断り続けていると最後には、これをすれば理科の補習の最終日にテストを受けなくていいと言った。もちろん成績はテストを合格とする取り決めだ。
 この暑い中、一日早く補習が終わるのは嬉しいことだ。
 石神は渋々というように教師の言う通りに荷物を運んだ。教材が入っている箱で、二往復。重さはそれほどではなかったし、場所は遠いがテスト勉強の気の重さを考えたら、二往復くらいなんでもない。
 やっとの思いで理科室の前に教材を運び、鍵を開けて中にはいる。
 言われた通りに教材を一番奥の壁沿いにある物置の上に置いた。
 時間にして二十分ほどかかったが、二十分で授業四十分を買ったとすれば、儲けものである。
 その時だった。
 準備室の方で物音がした。
 石神が準備室のドアを開けて中を見ると、一人の生徒がいた。
「何、してんだ?」
 そう言った石神に驚いた生徒が振り返った。その顔は焦っていて、睨み付けるようだったのだが、声をかけたのが石神と分かった瞬間、はあっと息を吐いて座り込んだ。
「小高? 何してんだ?」
 クラスメイトの小高だ。普段は話したこともないし、何かで同じ班になったこともない。クラスメイトだというのに何の接点もなく、名前だけ知っている同級生というだけだ。
 そんな小高が理科準備室で戸棚を開けて中を探っている。
 何をしているのかと問いたくなるのも仕方がない状況である。
 そうこの理科室には鍵がかかっていて、その鍵は石神が持っているのだから、小高はどうやってここに忍び込んだのかという問題もあった。
「教師は来ないのか?」
 小高がそう聞いてきて、石神は教師は帰ったことと用事を言いつけられて自分はここにいると説明すると、小高はホッと息を吐いてから、また戸棚の中を探し始めた。
「で、何してんだ?」
「捜し物だよ……たくっ見つかったらマズイモノを学校に隠すか普通」
 小高がそう言うので、石神は首を傾げながら言った。
「なんかよく分からないが、何を探してるんだ。俺も手伝ってやるからさ」
 そう言って石神は座り込み、別の戸棚を開けた。小高はまだ探し始めたばかりで、一個目の戸棚の奥まで探している。
「……DVDの形したもの……」
「DVD? なんだ? 没収されたのか?」
「……そうじゃないけど……」
 てっきり学校へ持ってきていたのを教師に見つかり、没収されたものだと思ったがそうではないと小高が言う。
「たぶんメディアには何も印刷されてない、もしくは何かナンバーか日付かが書いてあるものだ」
 なんだか分からないが、とにかく販売されているDVDではなく、自分でバックアップを取るために使うDVD-Rの話のようだ。
「分かった」
 石神はそう言って、戸棚の中の教材をかき分けて探した。入り口から始め、三十分ほど探していくと、一番奥の戸棚の奥の奥からDVDが入ったケースが見つかった。
「これじゃないか?」
 中を開けずに透明のケースに入ったDVDらしい入れ物を取り出すと、小高が飛んでやってきて中を開ける。
 一枚一枚を見てみると、イニシャルのような文字と日付らしい数字、そしてナンバーが書いてあった。
「……あいつ……」
 小高が憎々しいとばかりに吐き捨ててから、準備室にあったDVD用の小さな機械で中身を確認している。そして石神にはもっとないか探してくれと小高が言う。
「……ああ、分かった」
 小高の真剣な顔から何かマズイものだったのではないかと思えてきたが、石神はその内容を見ようとは思えなかった。知ったら秘密を共有することになってしまう。それがなんとなく怖かったのだ。
 更に同じ場所を探ると、同じような透明のDVDを入れておくための容器に入ったものが四つほど出てきた。その入れ物には十年前からの日付が入っており、最近のものは最初に取り出し小高に渡したケースだったのを思い出す。
 DVDはよく売っている布のような入れ物でDVDを二枚入れられるものがびっしりと四十枚入っており、中身は八十枚のDVDとなるわけだ。
「あと四つあったけど」
 小高にそう報告すると、小高はそれも奪い取った。
 日付の意味を理解したのか、また舌打ちをしている。中身をすべて日付とナンバーを確認して、小高は言った。
「その四つは元に戻しておいて」
 そう言われて石神は元のところにケースを戻す。
 日付の様子から、きっと小高が欲しがっているDVDは一番日付が最近のモノの中らしいことは分かった。
 だが、いったいなんだと言うのか。
 すると、一枚を見終わった小高が、興味は大いにあるが、聞くに聞けないでいる石神に一枚のDVDを差し出した。
「なに?」
「これ、中を見てから考えて。もし石神が俺の方が悪いと思ったなら、教師に報告していい。でも怖くて何もしたくないなら、何もしなくていい。もちろん中身を見ないという選択もアリだ」
 小高はそう言って、見つけた透明ケースごと一個を鞄に入れて持ち帰ってしまう。石神はそのもらった一枚のDVDを手にして暫く考えたが、とりあえず小高が見ていいと言ったのだからと、それを持ち帰った。

 その日の夜に、両親が食事に出かけるのに付いていかずに、一人で残ってから石神は、DVDの中身をパソコンで確認した。イヤホンをして動画を再生させる。
 場所は理科室だ。いつもの教室で、実験をしているテーブルの上に、誰かが寝ている。それも裸だ。そこに理科教師が白衣を着てやってきて、裸の人間に近づき、その体をまさぐり始めた。すると遠くから写していた画面がかなり近くになり、真上からその様子を写している。アップになり、画面一杯に映った姿で、初めてその寝ている生徒が小高だと気付いた。
「まさか……」
 小高はぐっすり寝ているようだったが、様子がおかしい。
 こんな状態で寝ているなんて、どう考えても理解ができないし、起きないのもおかしい。
 その小高の体を教師は上から下まで撫で、這い上がり小高の唇にもキスをしていく。そしてカメラが自撮りの画面に変わる。教師が手にカメラを持って、小高の体を舐めるように撮影し、余っている左手で体を撫でていく。
「ん……」
 意識が混濁しているような小高の息が上がっているのか、時折そうした鼻から音が漏れるような音がしている。
 そして教師が興奮しているように、ハアハアという声が聞こえる。
 教師が小高の口の中に指を突っ込み、いやらしく指を出し入れする。小高は無意識に苦しそうな顔になり、横を向いて抵抗をしている。口に入れた指を伝って涎(よだれ)がテーブルに大量に漏れるほど、教師は指で小高の口腔を犯した。
 そしてその指で小高の乳首を弄り始める。
 乳首をアップにして、通常の乳首が勃起していく様子を写し、ピンッと起った乳首を指で押しつぶしたり、指先で転がしたりとし始めた。
 すると小高の体がビクッと跳ねるのだが、寝ているのだがどうやらクスリを盛られたらしい。そう想像がついた。
 教師は乳首を舐め回ると、自撮りのままで小高のペニスを映し出す。AVなどにあるモザイクはもちろんない。そのままの小高のペニスがリアルに映し出されて、それを写しながら教師がペニスを扱いた。
「んふ……ふっ」
 乳首を散々弄られた後で、半勃起をしていたペニスはすっかり勃起し、先走りが出始めている。
「ふっん……うっん」
 小高も寝ていてもさすがに声が出始めてしまう。
 教師はその小高のペニスが射精をするまでを撮り続け、吐き出された精液を咥えて口で受け止めると、飲んでしまった。
 それから、カメラを置いて小高の体をロープで縛り始める。いわゆる亀甲しばりというものだなとなんとなく思ったのは、見たことがあるような縛り方だったためだ。 そして足も固定させ、その開かれた尻をまた自撮りで舐めるように撮っている。
 小高のアナルは、綺麗なピンク色をしていて、教師はそのアナルに舌を這わせて舐め始め、アナルの中まで舌を入れて、小高のアナルの襞(ひだ)すらも綺麗に舐めとっていく。小高の腰はそのたびに揺れ、くすぐったいというように抵抗している。
 どうやら睡眠薬を盛られたらしく、体だけは反応するようにしてあるらしい。
 やがて、教師の太い指が小高のアナルに入り込み、そこに何かの液体を足してヌルヌルと指がゆっくりと挿入を開始する。
 ニチャニチャと音を出しながら、一本の指は根元まで入り込み、アナルを広げる。そして二本目の指が入り、中を掻き回すようにしてアナルを広げた。最終的に三本の指がアナルを広げ、入り口はすっかり柔らかくなるほど広げられている。
 もう石神はその先に何が起こるのか理解していたが、再生を止めることができなかった。
 レイプ動画だというのに、石神のペニスは勃起して、先走りも出していた。そしていつの間にかズボンからペニスをだし、小高のアナルを見ながらペニスを扱いてしまっていた。
 それくらいに動画の撮り方が絶妙で、いやらしく開かれていくのがあの小高の体なのだと思うと、どうしようもなく勃起してしまうのだ。
 やがて指が抜けると、教師は自分の下半身を露出して、勃起したペニスを写した。
「さあ、これが小高くんのアナルに入るんだ」
 黒くて大きく、鋭い角度で勃起している教師のペニスが、小高のアナルの中に入っていく様子が映し出される。
「う……あっ……んあぁ……んっ」
 その後は、小高のアナルからペニスが挿入を繰り返すところがアップで映り時々、小高の顔を映しだす。小高の顔は完全に蕩けた顔になっていて、ペニスを喜んでいるように見えた。
 教師は生でペニスを挿入し、ゆるゆると最初こそは自撮りをしているのもあって遠慮していたが、次第に強く腰を打ち付けていき、最後にはカメラを置いてしまった。
 小高の腰を掴んで打ち付ける姿が、上のカメラに切り替わった。
 教師が小高の体を貪る様子が延々と映り続け、それを見ながら石神はペニスを擦り続けた。
「ああ、いくよ、いくよ、小高……ああっ」
 教師は散々打ち付けた後、小高の中に精液を吐き出した。
 そしてそれと同時に石神も達した。ティッシュで精液を受け止めたのだが、その余韻中も教師が撮影を続けている。
 教師は自撮り用のカメラを撮ると、小高の中に入っていたペニスを抜いた。ペニスが抜けると、小高のアナルからは教師の精液がビュッと勢いよく吐き出され、床に垂れていく。
「う……ん……んん」
 よく見ると小高も自分の腹に精液を吐き出しており、前立腺を刺激されて射精をしたらしい。
 その様子を最後に、一回目の映像が終わり、二回目が始まる。
 今度は小高は起きていた。
 自分から裸になり、教師に向かってお尻を向け、アナルが見えるように手でお尻を広げているところから始まる。
「お願いします……これでいいですか」
 どうやら小高は、レイプされた動画で脅されているらしく、自分から教師に体を開くようにされていたようだった。
 その様子も石神はすべて見た。
 小高は嫌悪していた顔から、快楽にたたき落とされる様子が映し出されていて、教師の上で自ら腰を振っている動画や、自分で強制されたアナニーをする動画とその三つがこのDVDに収められていた。
 石神は、アナニーをする小高が気持ちよさそうにアナルをバイブで突きながら、乳首を自分で弄り、片方の乳首を洗濯ばさみみたいなもので摘まんだままで射精を三回する動画でまた抜いた。
 そして、それが終わると、そのDVDをコピーした。
 このDVDはきっと返すことになるからなのだが、小高が何の目的でこれを渡してきたのかが分からない。
 石神がオナニーをすることを期待したのか、それとも秘密を知って教師を告発することを選ぶのか、それとも小高の希望通りに黙っていることを選ぶのか。小高が誰かと秘密を共有したくなったことだけはなんとなく理解した。
 こんな痴態を繰り返すうちに、小高はホモになったのだ。
 女性を抱けやしない体にされて、教師に仕返しがしたくなったのか。
 とにかく、石神はDVDを明日小高に返すことだけ考えた。