R18novel短編

願望と妄想-1

「ん……あ……」
 椿(つばき)は妄想の中で常に男性に無理矢理犯されるというシチュエーションでオナニーをしていた。もちろんオナニー自体は誰でもしていることで、妄想だって普通だ。だが、男性とセックスしているところを妄想するなんてことは、普通にはなく、更に無理矢理というレイプ願望があるような妄想など、誰に話してもどん引きされることだ。
 だから椿は雑誌のグラビアアイドルがきわどい水着をきている写真がたくさん載っている雑誌をかかさず買っては、本当にそんな妄想でしかオナニーができないのかと試していた。
 案の定というか、気持ちよくはなるが、問題は彼女たちさえも無理矢理誰か犯されている始末だ。
「もう……なんでこんな……」
 もちろん誰に相談できるものではない。
 誰かに知られたら生きてはいけない。噂で広まったら街にも住めなくなるし、会社にもいけなくなるだろう。
 だから長年の妄想は段々と大胆になるばかりで、もちろん彼女なんか作れるわけもなく、童貞のままだ。
 ここのところ、妄想の相手は、大学に入って仲良くなった藤堂(とうどう)という青年だった。優しい彼が豹変してレイプしてくるという妄想。それは様々な場所で脅迫されてセックスをさせられるというものだった。
 例えば講義室の教師が使う机の上だったり、講義室で授業中に無理矢理入れられたバイブでいかされたり、隣が講義をしているのに、壁に押さえつけられてやられたり、駐輪場の二階だったり、トレイや屋上や夜中の校庭や、テニスの校庭のフェンスだったりと、バリエーションは様々だった。
 無理だって分かっているから、こうやって妄想しているのだろうが、それでもここ最近は酷いものだ。
 現在、椿がオナニーをしている場所は、学校内だ。
 バスケット部の片づけのために居残りで、体育倉庫中でボールを綺麗に磨いていたのだ。普通は一年生に任せるところだが、その一年生たちは研修旅行でいない。だから二年の椿たちに回ってきたのだが、気づいたら椿以外全員帰ってしまっていたのだ。
 三年生は怖いし、椿は一人でボールを磨いていた。
 体育館の管理をしている体育教師は、そんな椿を見て。
「わりぃな。ちょっと先生方と飲み会なんだ。俺はいないけど、終わったら鍵かけて下駄箱に鍵を入れておいてくれ。守衛さんには話を通しておくから、玄関は言ってあけてもらえよ」
 と言って教師は出かけてしまった。
 田舎の学校だから、教師も緩い。そして警備員は酒を飲んで警備室で寝ているに決まっている。
 そんなだから一応はボールを綺麗に磨いたのだが、気付けば夜も八時を回っていた。真っ暗になっていると気づいて、学校に一人でいるという絶好のチャンスが巡ってきたことに気づいた。
 こうやって一人で片づけをしていると、藤堂が現れて椿を襲うという妄想である。
 跳び箱の陰に隠れ、そのままズボンをおろして大胆にオナニーを始めた。漏れる声が意外に大きかったので、持っていた汗拭きのタオルを口にくわえて、孔までいじってのオナニーだ。
 そそり立つペニスを手でこすって、お尻の孔も広げた。
 あまりに妄想が過激だから、椿はオナニーで孔を広げるようなことまで覚えてしまった。今やネットで簡単にやり方が紹介されている。動画だって探せばあるような時代だ。
 それらのシチュエーションを思い出して、藤堂が孔の中にペニスを突っ込んでくる想像をする。
 いまや指三本なんて余裕で持っていたローションを軽く使えば、孔は柔らかくなってくれる。
「んふ……んっんっ!」
 ピュッと射精して、今日の妄想は終わりだ。
「んー……ふ」
 達してぐったりとした。弛緩するのはいつものことでその余韻も楽しみたかった。だけど、ここが学校ということを忘れていた。
「……すげぇ椿、それアナニーとかいうやつだろ……」
 いきなり声が降ってきた。
「と、藤堂!」
 藤堂が四つん這いになって、ゆっくりと椿の前に現れた。
「家に電話したら、居残りだって聞いて、それでボール磨きのこと思い出してきてみたら……」
「あ……いや……あの……これは!」
 まさか藤堂が戻ってくるとは思いもしなかった。
 誰も彼も忘れていただろうし、まして戻ってきてまで作業をしようなんて考える人間はそうそういない。だから椿は誰にも言わずに作業を一人でこなしただけだ。
 そのついでに妄想したのがいけなかった。
「これは……何?」
 興奮したような目をした藤堂がのそのそと近づいてきて、ズボンを下ろしたままで身動きがとれない椿の足の間に体を入れてきた。
 藤堂を見上げる形になって、椿はこれはもしかしていつもの妄想なのではないだろうかと思えてきた。
「これ、なに?」
 射精してすっかり萎えていたはずの椿のペニスは、見つかったことからの興奮と妄想ではないかと思える展開に震えて、また勃起していた。
 そのペニスを藤堂が手で掴んだのだ。
「あ……ぁぁああん」
 思わず甘い声が口から漏れた。
 藤堂のごつくて大きな手が椿の小さなペニスを簡単に包んでしまう。その藤堂の手がいやらしく椿のペニスをさすってきた。
「これ、なに?」
 もう一度藤堂が言った。何に対してなのか分からず椿は身悶えながら問い返した。
「なにっ……て……あぁあっな……ん」
 言葉になっていないような問いかけだったが、藤堂の目は椿のペニスに釘付けだった。ニチャニチャと先走りが出て、藤堂の手が巧くそれを滑らせてくる。
「乳首起ってるな」
 余っている藤堂の手が椿の乳首を指でピンッと跳ねた。
「んっはぁああっ!」
 自分でもびっくりするほど声が出た。
「椿は乳首も感じるんだ……チンコ起ってるし、先走り出てるし、孔はひくひくしてるし、何これローションでも塗ったの? ヌルヌルとしててテカってていやらしい」
 そんなことを言う藤堂をみた。違うと言いたかったけれど、その時の藤堂を見て椿は愕然とした。
 舌なめずりをして爛々とした目が椿の体に釘付けになって、その口から涎があふれ出ている。ピタピタと垂れてくる唾が、椿の腹にシャツに落ちてきた。
 いくら妄想で藤堂に無理矢理犯されることをネタにしていても、現実となるとそこに自分でも思いもしなかった恐怖心が沸いてきた。
「やっ……やぁ!」
 怖くなって藤堂から逃げようとしたが、のしかかっている藤堂の体の重さに椿は動くことができなかった。更に逃げようとしているのが藤堂にバレて、藤堂は握っていた椿のペニスを力強く掴んで引っ張ったのだ。
「いたぁああ! やめて!」
 悲鳴を上げて、ペニスを引っ張るのを止めてもらおうとするも、更に藤堂は強くペニスを握る。
「あ……あ……」
 恐怖で震える椿の耳に藤堂は舌を突っ込んで舐めてくる。
 ジャブジャブと耳から犯されて、椿はふっと体の力が抜けた。
「あぁ……あ」
 自分で口に含んでいたタオルを握りしめて、目をきつく瞑(つぶ)り、耳から受けるダイレクトに広がる淫靡な音に頭がおかしくなってきそうだった。強く握られたペニスは、椿が逃げる様相をやめたからなのか、またゆっくりを扱き始めた。
 藤堂は椿の首筋に吸いつき、強く吸って痕を残し、それを舐めてを繰り返す。片方の手がワイシャツのボタンを一気に壊して外し、インナーをまくり上げる。
 露わになった乳首に藤堂が吸いついた。
「ひぁああぁぁっ!」
 ザラリとした舌の感覚がダイレクトに伝わって、妄想などとは比べものにならない快感に椿は驚いた。チュチュッと音を立てて吸われて、乳首は完全に固く起ってしまった。
 舌で乳首を舐めたり、歯で噛みつてひっぱったりと藤堂のやり方は少々乱暴だったが、それも妄想の中の藤堂よりは優しい方だ。
 椿のはちきれんばかりに膨らんだペニスが一気に弾けた。
「んぁああぁっあぁあん!」
 ここまで派手に達したことはないほど、はしたなく声を上げて椿は精を吐き出した。ピューッと長く吐き出された精は、椿の腹を濡らした。
 夢のような気持ちよさに椿は酔った。頭の芯までしびれて、人にされるのと自分でするのではここまで違うのだと感じた。
「乳首とペニスこすられてイクんだ。椿、淫乱だな」
「……あぁう……と、藤堂……これは……」
「ほら、こうやってやるとね」
 そう言って藤堂は両手で椿のペニスをいじりだした。上下にこすりあげ、片方のては亀頭を撫でるように手のひらで押してくる。
「あぁあ”……あああっんぁあっはっあっ」
 藤堂はニヤリとした顔をで繰り返し、椿はよく分からないまま喘いでいたが、急に何かを射精したい気になって、それを吐き出した。
 おしっこに似た何かが勢いよく出て、それが普通の射精ではないことは椿が一番分かっていた。
「ひぁああぁぁぁっ……おしっこ……でちゃ」
「はははは、見事に潮を吹いたな。お前やっぱりすごい淫乱だ」
 藤堂がそう言うので、椿は初めて自分は潮吹きをしたのだと気づいた。
「したことないの?」
「な……ない……あっ!」
「こうやるともっと出るよ」
 藤堂がそう言って何度か椿のペニスをこすると、簡単に潮吹きをした。ピューピューッと精子に似た白い液体が勢いよく飛び出し、ビシャビシャと体育倉庫の床に散った。
 それが気持ちよくてふわふわとした感覚で椿は横たわった。
 その椿の体をぐっと押して入ってくる藤堂だったが、それはすぐにどういうことなのか椿にもわかった。