R18novel短編

月齢14-1

 その日はとても晴れた日だった。
 夜道を歩くには街灯もない道でも明るく光が届き、道がはっきりと見えるほどだった。酔っていた春次でも、足下が不安であったが、今日は違った。
 雲一つない夜空、星は少々街の明かりが消してしまっているが、それでも綺麗に見えた方だった。
 そのお陰で春次(はるつぐ)は空ばかり見上げて行動していた。それでも春次は上機嫌で鼻歌さ歌っていた。
 その日は友達の家で朝から映画を鑑賞し、さらには夕方から野球をTVで見て盛り上がり、酒を飲んで応援した。贔屓にしていたチームが勝利し、更に上機嫌になれたところで解散となった。
 春次は明日も休みだったが、友人は明日から仕事だったためだ。さすがに遅くまで騒ぐのは可哀想だと、止める友人を振り切って友人宅を出た。
 時間は九時ちょっと過ぎくらいだ。世のサラリーマンはこれから本格的に飲む時間だろう。帰宅するサラリーマンは少なく、やっと残業が終わったというサラリーマンが疲れ切って帰宅する時間にさしかかった。
 そんな中で少し酔った頭が冷めてくる。
 自宅付近の駅で下車し、街灯を頼りに自宅へ急ぐ、少しだけ酔いが冷めてしまったので駅前のコンビニで酒を少し買い込み、日本酒のカップ酒をコンビニの前で開け、飲み始めた。幸い、コンビニは人の往来が余りなく、入り口付近で飲んでいても誰にもとがめられることはなかった。完全に一本飲んでしまうと、空き瓶をゴミ箱に投げ捨てて自宅に向けて歩き始めた。
 酔いが戻ってきていい感じになったので、二本目のカップ酒を開けて飲みながら歩いた。
 春次の会社は三連休で、今日は二日目。明日は、やることがあるけれど、多分それ以外は寝て過ごすんだろうなと思えた。
 最近、彼女と別れた。結婚を迫ってくる彼女は年上だったのが、三十を目前にそれが酷くなった。まだ結婚しても上手くやれる気がしない春次は社会人二年目である。もう二年くらい待ってくれれば昇進はできそうだったので、それまで待ってくれと言ったところ、女はどうこうと語り初め、それが面倒になったので喧嘩になった。そして彼女の様子が更におかしくなったため、怖くなり別れを切り出した。
 彼女は暫く、三十女をフルなんてと春次を罵倒していたが、ある日を境にふっと音沙汰はなくなった。
 聞いた話では、急に会社を辞め、地方の実家に帰ったらしい。
 最初のうちこそ春次の悪口をこれでもかと言っていたらしいのだが、次第に他の何かに怯えるようになり、実家に逃げたらしい。それが何なのかは女友達も分からず、それ以来、彼女との連絡は一切実家の人が取り次いでくれないのだという。
 春次が何かしたのかと言われたが、せっかく別れる決意をして別れたのに、付きまとうみたいなことはしないと言うと、その友人も納得したくらいに、彼女の様子はおかしかったらしい。
 それ以来、春次は彼女を作るのは嫌になり、仕事に打ち込んできた。彼女の嫌がらせが酷く、春次の家の中はおとといまで酷い荒れ具合だった。暴れた彼女が壁を壊し、中のドアガラスを割り、食器や冷蔵まで壊したほどだ。何とか友人を頼って家財道具を一式揃え、彼女との思い出があるものを全て捨て、入れ替えたりした。
 壁の工事がおとといやっと終わり、部屋は新品に生まれ変わったが、その費用で夏と冬のボーナスが消えた。
 友人たちには、年上の女性を結婚するつもりもないのに振り回した授業料だと言われた。中には結婚しなくてよかったんだから、逆に見る目はあったのかもと言われた。 二年待ってくれという言葉を無視して結婚を迫る彼女の性格も暴かれたわけで、結婚していたら何をされたのか分からなかったなと、慰めてくれる人もいた。
 どっちもどっちと言われることもあったが、春次には結婚という言葉は更に重荷になった事件だった。
 その時に助けてくれた友人と、部屋が治ったお祝いと称して飲み歩き、友人宅で映画と酒と野球で盛り上がって、嫌な気分も一掃してきたところだ。
 もう彼女のことは忘れてしまおうと、春次が心に決めて、持っていた酒を一気に飲み干そうとした時だった。
 後ろから誰かがぶつかってきた。
「……!」
 コップに入った酒が、その衝動で気管に入り、叫ぼうとしたのだが声が出る前に咳が出た。
「げほっ……だ……だれ……ぐほっ」
 地面のアスファルトに受け身もなく倒れ込んだ為に、体中に衝撃を受けた。手はアスファルトの道で擦れて擦り傷ができていた。足も臑をぶつけて痛かった。気管には酒が入って苦しかった。そんな状況に何故なかったのか分からなかった。
 誰がこんなことをと振り返ったのだが、近寄ってきた人はわざとぶつかったのだと悟った。
 だってぶつかっておきながら、大丈夫かとかすみませんとか、そうした謝罪や心配をする言葉が全く聞こえてこなかったのだ。
 春次は、不良か何かに絡まれたかと焦った。
 その人物は、春次の口に何かを入れると、それを飲み込むようにペットボトルの水を無理矢理に上から注ぎ込んでくる。
「ぐほっ……げほっ」
 まさに少量の水で溺れさせられる感覚だった。
 飲みたくないのにその水を飲まなければ溺れると思い、春次はその水を全て飲み込むことで溺れる感覚から逃げた。
 ただでさえ、酒を二カップも飲んだところへ水まで飲めば、水分が腹に溜まり、そのせいで吐き気が起きる。
 春次にそうした人間は、春次を起こし、すぐ側の壁で春次が吐くのを解放するようにした。
「……ぐっ」
 水分だけがザバザバと吐き出され、さっき飲まされたものは全て出てしまったようだ。
「兄ちゃん、飲み過ぎ〜」
「ひゃははは」
 ちょうど側を通ったサラリーマン二人が、吐いている春次の様子を見て笑っている。
 その人達に助けてくれと言いたいのだが、言葉を発するたびに口から水分が出てきてしまう。そうしているうちにサラリーマンたちは遠くに行ってしまい、春次はふらつきながら、その人物に抵抗した。
 相手が男だとはっきりと分かったのは、自分よりも背が高く、体の形も太かったことだ。女性でそんな人間は早々いないから男だと思った。
 がっしりと肩を掴まれて、ふらつくままの体を男は誘導して、道の途中にある古びた門を開けて中へと連れ込んでいく。
「やめ……ろ……いやだ……」
 何をされるのか分からず、抵抗しようとすると、掴んでいる手の力が強くなり、骨が折れそうなほどに力を込められる。
「……いたい……」
 あまりの痛さに動けなくなると、男は春次を抱えるようにして脇に持つと、引き摺るようにして、その門の奥のドアを開けた。
 そこが玄関なのだろうが、何処かの住居という温かさはない。
 埃の匂いがして、とても人が住んでいるような気配ではない。
 そこで、春次はここが何処は予想がついた。春次の近所にある豪邸の廃墟だ。十年くらい前に家人が死に絶え、相続した人間はいるらしいが、今は誰も住んでいなかったし、管理もされている様子がないような屋敷で、壁には毎年青々とした蔦が生え、不気味な幽霊屋敷のようになっていた。
 男はそこに春次を連れ込んで、奥の奥まで進んでいく。この家の裏は少し小高い山がある。その山もこの家の持ち物だったようであるが、そちらは時々木々の伐採は行われていた。
「離せ……っ! なんだよ!」
 やっと咳が治まってきて、春次がそう叫ぶのだが、男は平然としたもので、春次が暴れるのも構わず、奥の部屋に入っていった。
 その部屋は、埃の匂いがしなかった。
 洗剤の匂いがし、フローラルな匂いまでする。あからさまにさっきまで通ってきた廊下らしき埃まみれの場所とは違う。
 男はその部屋の中央にある柱に春次を下ろすと、素早く春次の腕を捻り上げて柱の回されると、春次の手首に何かを填めた。
 内側に柔らかな布みたいなものが付いた拘束具であることに、春次はすぐに気付いた。
 腕にかかった力が消えたので動かした時に、柱を中心して拘束されたことが分かったからだ。
「何……これ何! お前なんだよ!」
 ここまで一切の理解できないことばかりで、春次の頭は混乱していた。何より酔っているせいで、ちゃんとした把握ができない。
 目の前にいる男が、春次のズボンのベルトを外し始め、ボタンやファスナーまで外してしまうと、下着と一緒にズボンを一気に足首まで下ろした。
「…………!!」
 いきなりのことで春次の思考は、やっと身の危険を察知した。
 ピンッと音がして、窓から入ってくる光が、ナイフを取り出した男を照らした。やっと男の顔が見えたのだが、暗闇なのではっきりと電灯の下で見るのとは違った。
 ただパッと見て知っている人間なら分かる程度の明かりである。
「……お前、誰だ?」
 知っている人間ではないことは確かだった。
 近くの人ではないし、道で見かけたこともない。近所の人ではなさそうである。
 だだ、その男の顔がいやに整っていることだけは分かる。中東辺りにいそうな彫りが深い海外の人間という顔立ちで、日本人っぽさは一切ない。
 もしかしてと春次は思う。
 言葉は通じてないのではという、相手と意思疎通を行うことができない恐怖がわいてきた。
 男のナイフが春次の体を撫でるように当たっていき、それがペニスの前で止まる。
 すると男はもう片方の手にスプレーのようなものを持ち、それを陰毛に向けて吹き掛けた。
「!!」
 何か分からないものを吹き付けられて、ビクリと体が震えたが、暴れることはできなかった。春次のペニスの横にはナイフが常にあり、それが刺さりそうで身動きができなかったのだ。
 だが男は吹き付けた泡を、陰毛に塗り込むようにして付近に更に足し、泡をたくさん付けた。そして缶を置くと、その手で塗り込むように撫で始めた。
 そこでやっと春次は男が何をしようとしているのか察した。
 陰毛を剃る為のシェービングクリームを塗ったのだ。
 男の顔がペニスに近づき、ピシャリと水音がする。どうやらこの周りには男が用意した道具があるようだ。
 ナイフが肌に当たり、それが春次の陰毛を剃っていく。その感覚が肌に当たり、春次は大人しく剃られるままになった。男は慣れたように毛を剃り上げ、春次の陰毛は綺麗になる。さらには足を上げて、股の間のものもカミソリで剃られた。
 そしてそれが終わると、男は濡れたタオルで春次の股間を何度も拭いては濡らしを繰り返し、クリームなどを取り除いた。
 ホッとしたのも束の間だった。
 こんなことを男がただの趣味でやっていて、終わったからと言って解放してくれるはずもない。
 男は春次の股間を覗き込むように、春次の太ももを掴み、萎えているペニスを息を荒くして眺めているのだ。
 確実に変態であり、頭がおかしい人だ。
 男は、暫く眺めていたが、春次の股間の唇を寄せて近づき、男の舌が春次のペニスを舐め始めたのだ。
「な……な……やめろっ!」
 怖くて震える足を掴み広げられ、その間に男の体が入り込んでいる。
「あ……やめ……いやだっ!」
 大きな声を出しながら抵抗し、体をくねらせるのだが、男が押さえた足に込められた力が強力であったし、後ろ手に拘束されているため、逃げ出せない。更に足の先には自分のズボンや下着が絡まり、男を蹴ることさえできなくされていた。
 混乱しながらもペニスを舐め上げられてしまい、体がピクリと反応してしまう。男はスッポリと口の中にペニスをくわえ込んでしまうと、舌で先の方を何度も何度も舐め上げてきたのだ。
「あ……あっ……いや……だ……あっあっ」
 男はペニスを口で扱き始める。強く吸い付いたままで、頭を動かしフェラチオをする。それが非常に上手く、春次のペニスはすっかり高められてしまい、勃起してしまっていた。
「あっ……んっんんっ」
 なんとか耐えようとするのだが、腰がガクガクと震えた。
 知らない男にペニスを咥えられて扱かれているのに、感じてしまう自分の体が信じられない。だが、酒に酔っていたというのもあり、頭が余りはっきりと回らない。
 ペニスを吸われていて、ふと気付いたが男の指がアナルの周りを撫でている。濡らした指が何度も何度も孔の皴を撫でていて、やめてくれと思うのに、腹から何故か熱くなっていく。
「いや……あっあっ……ああっんっんんっ!」
ぼうっとした感覚が頭を支配し、もう何も考えられなかった。
 男の指がアナルの中にぷつりと入り込み、濡れた指が中を何度も擦り上げる。その指が入ってから、更に腹から熱くなり、こわばっていた体が緩くなっていく。
「あっあっああぁっんっんっんんっ」
 フェラチオをされながら、アナルに指を入れられ、それが擦り上げる感覚に腰が勝手に動き、春次は自ら腰を振っていた。男は既に咥えているだけの状態で舌を絡める余裕をみせていた。男の口に自分から腰を振ってペニスを吸わせるように動き、さらにはオナホールでも使っている気分に陥り、男の口を使って自分で気持ちがいい部分を当てるようにして腰を振り続けた。