R18novel短編

情炎(じょうえん)-2


 次にハッとして意識を持った時は、男が鏑木の躰に跨がっている。
「凄いぞ、鏑木……こんなことあるんだな」
 男がうわごとのようにそう言い出した。
「な、何なんだ!」
 訳が分からず、鏑木が叫ぶと、男は一瞬キョトンとした後に、一人で納得したように笑った。
「ああ、ああ、ごめん。これじゃ分からないよな。俺だよ俺。叶内」
 そう男が言った。
「……は?」
 何を言っているのだ。この男は。
 叶内は死んだ友人の名前だ。それもさっき死んだことを知ったばかりなのに、人を襲うのにその名前を使うなんて。
 だが、ふっとさっきの手紙を思い出す。叶内の妹が懸念していた、叶内がドナーを乗っ取って帰ってくるという話だ。
「だから、生きたいって願っていたら、生き返った。臓器の方に取り憑こうと思ってたけど、本当にできた」
「なに、言って……」
「俺だって叶内。心臓悪くて自殺した叶内。あーもういっか、そういうの」
 叶内はそう説明をしてきたが、妹が言っていた内容そのものである。この宅配便の男が本当に臓器移植を受けていたとしたら、叶内は本当に奇跡の復活をしたことになる。
 だが、復活してまでして、叶内は鏑木を床に押し倒して、何をしようというのだろうか。
 叶内は圧倒的な男の力を使って鏑木の両腕を、持っていたガムテープで何十にも巻いて拘束しようとしている。
「や……めろっ! 何やってんだ!」
 素早く後ろ手に拘束をしてしまうと、ワイシャツを一気にボタンごと引き裂く。そしてズボンに手をかけた。
「なにやってんだ! やめろ! 叶内!」
 後ろ手に拘束されたままでも、足で叶内の躰を蹴り、全身を使って起き上がって逃げようとする鏑木。男としても、一般人のヒョロッとした痩せ形の鏑木と、ラグビーでもしていそうなほど、躰を耐えている人間とでは、病み上がりであってもリハビリを真剣にやってきた叶内のドナーの方が強かった。
 逃げようとして前進する鏑木と、押さえつけようとする叶内との力で、鏑木のズボンが下着ごとはぎ取られるように脱げた。
 その拍子に鏑木は床に顔面を打ち付けて倒れ、目から火花が出る。
「……っ!」
 叶内は素早く鏑木を押さえ、鏑木のペニスを手でギュッと握った。
「ひっ……!」
「これ以上、暴れると、潰すよ?」
 叶内がそういいながら、鏑木のペニスを少し強く握ってくる。
「……ひっ……くっ」
 さすがに本気で潰すとは思えないが、今の叶内が何を考えているのか分からない以上、本当に潰される可能性もある。だから鏑木は躰を硬直させた。
「大丈夫、気持ち良くなるだけだから。そのためにたくさん調べたんだ。こうやってな」
 そう言って叶内は鏑木の腰を掴むと、尻を高く上げた。
「ひっ……あっ……な、なに!?」
 その高く上げた尻のアナルに、ザラリとした感触があった。
「んぁあああッ!! いやっいやぁああ!!」
叶内の舌でアナルを舐められているのだと分かったのは、何度もその感触が与えられてからだ。
「ゃめ…ッうぅ、気持ち悪ィ……っ」
 鏑木は抵抗しようとするが、叶内に握られている自分のペニスが、抵抗を見せるごとに強く握られているのに気付いて、それに耐えるしかなかった。
「んひぃ……っ、あ、あぁっ……」
 ピシャピシャと音が鳴るほど、涎を垂らしながら叶内は、鏑木のアナルの襞を舐め、指で広げて、開いた孔の中にまで舌を潜り込ませた。
「はっあ! ぁ、やあぁ……っやめ、いやあぁ……っ」
 今まで感じたことすらない奇妙な感覚に、鏑木は戸惑った。くすぐったい気持ちから、何か熱いモノが腰に抜けてくるのだ。
「や、ぁ、あっ! や、め、……っだ、あ、ぁ、あっあっあっ!」
 舌を立てたまま叶内は、アナルに舌を出たり入ったりを繰り返し、柔らかくなってくると、今度は涎で濡らした指を進入させた。
「いや、だ…っ! ゃだぁああっ!」
 舌よりも固いモノが中に入り込み、それが舌よりも奥まで掻き広げていく。
 ヌチャヌチャと粘り気のある液体の音が響き、更にはそこにもっと粘り気のあるものが足された。
「んぁあぁっあっ……いやっ……いやぁああ!!」
 進入した指は二本に増え、それが鏑木のいいところに当たった。
「ひうんっ……!!」
 ビクンと鏑木の躰が跳ねたのを見た叶内が言った。
「ここなんだね。ここほら」
 そこを弄られると、また鏑木の躰が跳ねた。
「ひぁあああんッ!! やめっ……やめ……ろっ……あんっあっあっ!!」
 耐えるために口を閉じて我慢していたが、怒鳴った瞬間に口を開いたために、口が開きっぱなしになり、そこからは甘い声が漏れた。
 それが自分の声だと鏑木は認識できず、更に嬌声に似た声が、息とともに上がっていく。
「ぅあん…ひっ、ひぁ…あっあぁっ、あっ、あっ、あはんっ」
 叶内はリズム良く、指を深く奥まで突き入れ、足した液体が滑りを良くして、グボグボと大きな音を立てながら、ズンズンと鏑木を追い立てていく。
「ぁあっ、はっ、はァっ! んぁっ、も、ぁ、あんっ、あんっ! あぐ、ぅ…っや、だぁ…っ!」
 そう叫んでも、前立腺を弄られると男は嫌でも勃起する。鏑木のペニスかすっかり起ち上がり、先端から白い液体を滴らせている。それが床に落ちて、糸を引き、小さな水たまりを作っている。
「ぁぐぅう…っんひ、ぁはっ、はぁんッ! んぁっあっ」
 どんどんと叶内は鏑木を追い立てていき、とうとう鏑木のペニスは限界を迎えた。
「嫌だぁあ! やめろ、やめろぉお…ああぁあぁ――っっ!」
 そう叫んだ瞬間に、鏑木は達していた。
「ひ、やぁ…あ…っ」
達っして弛緩した鏑木の躰を、叶内は抱きしめ、反り起った自分のペニスを、さっきまで舐めていたアナルに突き入れた。
「……んぁああッ…! やだッ…やめろ、やだぁあ…っ!」
 すっかり油断していた鏑木は、あっさりと叶内を受け入れてしまった。ミチミチと少し大きな叶内のペニスが、鏑木の内壁を押し開き、一番奥まで入り込んでいる。
「あー……気持ちいい……鏑木の中、凄い熱い」
鏑木の腰をしっかりと掴んで腰を入れた叶内から、鏑木が逃げようとするのだが、腰を捕まれているため、足をバタバタとしているだけになってしまった。
「ぃ、いやぁあッ!」
 自分の中に叶内がいる。それも受け入れる場所ではないところで、大きなペニスを受け入れている。それがどんなに屈辱なことなのか、叶内には分かっているのだろうか。
 しかし、叶内はこれを鏑木とするために戻ってきたのだと知らしめている。