R18novel短編

情炎(じょうえん)-3

「動くよ……ああ、いい」
「んんっあぁあっ!」
 叶内が腰を使って、出し入れを開始した。
 ヌチャヌチャッと音が大きく響いている。
二人の息がはあはあっと荒くなり、更には鏑木の嬌声までも響いている。
「あっ! あぁッ! あぁあっ!」
 奥まで突かれるたびに鏑木の口からは嬌声が漏れ、もはや閉じることすらできない。
「ああ、いい。やっぱり、鏑木の中は最高だ」
「あぁあんっあんっあぁんっ!」
叶内がうわごとのように何度も繰り返しそう言う。それに対して鏑木は怒りが沸くのだが、それとは裏腹に躰がそれを快楽だと認識してしまう。
 頭の奥で、これは強姦なのだ。嫌なことなのだと思っていても、躰がいいやこれは快楽だと言ってくる。
 もうどっちが正しいのか分からない。
 そもそもこの男が本当に叶内なのかさえも分からない。
 怖いストーカーが、そういう言い訳を使って近づいてきただけかもしれない。前から狙われていたのかもしれない。そしてそいつが叶内を利用しているだけなのかもしれない。
 様々な可能性があるのだが、それでも叶内が言う言葉が、それらの可能性をどんどん打ち消していく。
「ずっと好きだったんだ」
「ぅあ…あ、ぁっ…」
「心臓が悪くなって、全部諦めたけど、鏑木のことは諦めきれなかった」
「ふぁっ、ぁっ、あぁん! あぁっ!」
「最後に会った後、俺は生き返る方法を探した。臓器に思いを乗せれば、たまに元の持ち主の記憶を持つことがあるって読んで、それに賭けた」
「…っ、ぃ、い…ッ」
 叶内はそう打ち明けてくる。
 叶内が心臓が悪いことは知れたけれど、臓器に思いを乗せてという部分は、叶内は妹にしか話してないことだった。誰も知らないことで、それはこの男の中にいるのが叶内だと言っているのと同等のことだった。
「好きだった。好きなんだ。愛してるんだ」
 叶内はそう言うと、一層激しく腰を打ち付けてきた。
「ふぁッ、あふんっ、ふ、んんぅっ…ぅあんッ、あッあッ、だ、め…ッ」
 こんなことの為に生き返ったのか。こんなことをするために自分の前に現れたのかと、鏑木は悲しくなった。
 しかし目からは涙が溢れていたのだが、それが悲しみによるものか、それとも気持ちよさで流れているものなのか、判断が付かなくなった。
「ぁ…ッだめ、だめ…ッ! 嫌っ…嫌ァああッ!!」
 どんどん躰が高められていき、鏑木はまた自分が射精をしたいと思っていることに気付いた。
「出して、どんどん出して……鏑木、達って!」
「あぁあッ! 嫌ぁあっ! いやぁっ!」
 もう射精するしかない状態にされた時に叶内が言った。
「俺も出すから、鏑木の中にぶちまけてやるから、受け止めて!」
「ひッぃ…っ嫌ぁ…ッ!」
「ッはっあッ!」
「ぁあ…いや…嫌ぁ…っ! 許して…っあぁぁああ――――っ!!」
 叶内が腰を強く打ち付けてから、奥深くに射精をした。その感触を受けて、鏑木もまた達した。
 精液がビシャリと床に巻散らかされ、鏑木の奥から逆流してきた叶内の精液が、まだペニスで蓋をしている状態なのに、横から溢れて吹き出した。
「ああ……気持ちがいい……、鏑木も一緒に達ったよね? 気持ちよかったよな……まだ勃起したままだから、まだまだやろうね」
「……ひっぃい……いやだぁ!!」
 終わったわけではないと、鏑木が腰を進めようとする。それから必死に鏑木が逃げようとすると、鏑木のアナルからペニスが抜けた。
「はひ……っひぁあぁっ! ゃあぁっ!」
ペニスが抜ける感覚に、達したばかりの躰が痙攣をしていたせいで、余計に感じてしまい、鏑木は自分でも分からないまま、また達していた。
「また達ったの? 随分、好き者だったみたいだね、鏑木は」
 そう叶内が言うと、腰が抜けたようになっている鏑木の腰を掴んで、また引き寄せ、今度は仰向けにすると、鏑木の足を大きく開いてから、アナルにペニスを突き入れた。
「やめてくれ…っ、ぁ、あひぃ…ッ! いっ、ぃんッ…! んはぁ…っ!」
 すっかり叶内のペニスに翻弄されていた鏑木は、それをあっさりと再度受け入れ、全身を揺らしながら、叶内を感じることになった。
 叶内は腰を使いながらも、器用に鏑木の乳首に口を伸ばし、乳首を吸いながら腰を打ち付けている。
「はぁっ、はぁあんっ! 、ぁ、は、あっあっやっ」
 感じないはずの乳首を吸われた瞬間、躰が跳ねた。
 そんなはずはないと思っていても、躰中がそれを喜んで受け入れている。
「凄い、乳首も美味しいなんて……ふんむ」
「だめっ、もっ、あっ、ああっ んあ……っあぁああーっ!!」
叶内は唇全体で吸い付き、舌で乳首を転がしながら、時折それを噛んで乳頭を舐め、さらには噛んだまま引っ張る。
「ふ、ぁっ……ぁっ、まっ、待てっん、やめっ……あ、ぁんっ、そ、そんなっ…!」
 信じられないことに、乳首を噛んだまま引っ張られて、それだけで鏑木は達していた。精液が自分の腹部にかかり、滴り落ちる。
「んは…はぁ…っは、ふッ…」
 叶内の腰は止まってはいない。ペニスの挿入は何度も繰り返され、鏑木はそこが気持ちがいいと思うようになっていた。
「ひぁっ! ぁっぁっ、だ、めぇえっ!」
「気持ちいいんでしょ、鏑木?」
「ひぅ……っう、ぁっ、あっ、あぁっ、ひっ、ぃんっ……やっ……だめっ……!」
「いいんだ。いいんだよね、こんなに締め付けてっんんっ!!」
「いやあああッ! ひぅ、や、やめて…っ、やめてぇえ!」
 叶内は射精をしながらも、まだ腰を使い続けた。
吐き出した精液が掻き出され、それが更に音を立て、ビシャビシャぬちゃぬちゃと激しく聞こえた。
「あっ、はぁんッ、あああっ! あぁっ…ああんっ! ゃ、ああ…っ」
 知らない男が自分にのし掛かり、アナルにペニスを突っ込んで、それで自分が喘いでいる。こんな状況が理解できずに、鏑木はただただ嬌声を上げるしかなかった。
「気持ちいいっていって、そしたらやめるから」
「ぁん…っ きもちぃ…っ、あっ……、ん…っ、きもちぃ…っ」
「本当に? これが気持ちいいとか変態なの? ふっふっ」
 叶内のペニスがまた大きく膨らみ、堅さが更に増した。
「やっん!あっ! すご…っ、ゃ、いやっ…あぁっ、きもちぃ…──っ!」
 それは鏑木の本心だった。
それを証明するように、鏑木も腰を振った。
「気持ちいぃ…っぁ、あぁあ! や、ぁ、あ……っ あぁ、あん、イかせて……、も、イかせて……っ! あぁっ……いいっいいっ!」
「これからもずっと一緒にいようね?」
 叶内はそう言い、鏑木にキスをした。
「んんぅ! んん──っ!」
 キスをしながらの挿入は、ことさら気持ちが良かったという感想を鏑木は持った。鏑木は自分で足を持ち広げ、叶内は開いた手で鏑木の乳首を摘まんだり、捏ねたりした。
「んっくぅ…ん…!」
 いろんなところを攻められて、鏑木の中の常識は全て壊れたと言ってよかった。
 叶内がこんなに求めているなら、仕方がない。
 そういう風に考え始めたのだ。
 実際、叶内のペニスは気持ち良かったし、乳首も口内を舐められても感じることができた。
 最後の方はもう達しているのかいないのか分からないほど、躰が震え続け、痙攣をしっぱなしであった。
「あっ、んっ、んっ、ぁ、ちんちん、もっと……あっ! あっ! ぁっ、んっ、――っ!!」
 鏑木は全身を震わせ、絶頂を迎えた。
 鏑木の震える躰を抱き留め、叶内は満足したように微笑んでいる。
 これで叶内の目的は叶えてやった。そう鏑木は思った。