R18novel短編

狂った関係-2

「ああぁあっだめぇ……んぁあっ」
 入り込んで掻き回してくる諒の指に周は翻弄される。
「あっあっんっあぁあっあっあぁっ」
 ズンズンと指を増やして入り込み、中を掻き回してアナルを広げる動きに、周の腰がビクビクと跳ねた。前立腺を撫で上げるように諒がしているせいであるが、周はそれを知らない。
 男でもアナルで感じることはできるだなんて常識を誰も教えてはくれなかった。けれど、この感覚を知っている。
「いやぁ、なぜ……なぜ……あぁあっあっあっ」
 困惑している周に向かって、諒は言った。
「クスリで眠っている時に、ここを毎日舐めて弄っていかせていたからね。周はオナニーをあまりしないから……ふふ」
 諒の言葉に周は言葉を失った。
 諒が周の乳首を舐めながら、アナルを何度も指で突くからだ。
「あっあっあぁあっんっああぁあっ……んぁあっあぁっ!」
 乳首を舐められ歯で甘噛みされながら、指でアナルを掻き回され、周は嬌声をあげて達した。
 ピューッと小さなペニスから精液が飛び出し、それが腹を濡らした。ビクビクと快楽の頂点を感じた体が痙攣をする。周の体が弛緩(しかん)するのを諒は満足した顔で見下ろしていた。
「可愛く達ったね、周」
 諒はそう言って周にキスをする。
「うふっ……んふっ」
 息を吸うために開いていた口に、諒の舌が侵入してくる。それを追い出そうとしたのだが、逆に口を開かされ諒の舌を招き入れてしまい、舌と舌が絡まんってしまう。
「う……うう……ん」
 舌を絡めていたと思っていたが、周の口腔を諒の舌が陵辱し始める。自分のモノとは違うザラリとしたものが口の中を這い回り、溢れ出る涎(よだれ)がたまっていくので、口の端から溢れる。だが次第に二人分の混ざった涎(よだれ)を周は飲み込むしかなかった。
 ごくっと喉が動いているのを諒は感じて、満足したように唇を放した。そして周の顔中にキスをして言った。
「可愛い周、愛してる。愛しているよ。誰にも渡さない。絶対に」
 諒のすさまじいまでの愛情は、周の家族愛の域を超えていた。ぞっとするほどの執着は、溺愛という形で形(なり)を潜めていたが、実のところ、こうしたかったという独占欲から来ているものだった。
 周は半分血の繋がった弟であるが、それでも諒の思いは止められるわけもなかった。ずっと可愛いと手間暇かけて育てたのは、目に入れても痛くないほど可愛がったのは、自分だけのものにしたかったからだ。
 両親からさえも奪い取るようにして、周を手に入れようとした。結果、母親は病死し、父親はそのショックで逃げた。独りぼっちになったと錯覚した周をこうして屋敷に閉じ込め、鬱病という診断を利用して睡眠薬を与えてから、体を触るようになった。
 溺愛した周の体、それは諒の心を歪(いびつ)にしていく結果になった。
 周を体をセックスができるように作り替えるのに一年かけた。薬の量を増やし、更にアナルまで開発した。
 すべて周が知らないうちにだ。
 すでに狂っている諒を止める手段は、周にはない。ただ次男の雷に助けを求めるだけしかできなかった。
「いや……いや……兄様……雷兄様! 助けて!」
「雷の名前を呼ぶな!」
 叫んだ周に対して、諒が声を荒げた。周の顔の横の布団に拳を叩きつけ、見たこともない恐ろしい形相で周を睨んでいる。
「……ひっ」
 周の喉の奥で息が音になった。諒に怒鳴られたことなど一度もなかった。それくらいに溺愛してくれていた。それなのに、今日の諒は恐ろしいほどに真剣だった。
「周……私を愛してくれとは、言わない。だが、私を拒否するな……私を」
 諒はそう言うと、周の足を掴んで引き寄せる。周のアナルの入り口には諒のペニスが当てられていて、それに周はまさかと思った。
 だがそのまさかが起こってしまう。
「私を中に入れてくれ」
 諒がそう言って、周のアナルに自分のペニスを突き刺していく。
「はぁっ……あああっ」
 男同士のセックスがアナルですることもあるのは、周も知っている。耳年増で同級生が冗談で言っていた話の中に、そういう話もあった。だが周はそれは自分と関係ないし、一生縁がないと思っていた。
 自分はいつか両親が選んだ女性と、それなりに恋愛して結婚をするのだと。
 そういう風に思っていたのに、自分が女性の役をやらされている。
「いぅうう……ひぃああぁ……やめ……兄様……あっあ゛っ」
 諒の凶器のようなペニスは、周のモノとは比べものにならないほど大きい。それを知っているから、あんなものが自分のアナルに入るなんて思いもしなかったことだ。
 だが、周のアナルの奥まで諒のペニスが侵入し、さらには指さえ届かなかったところにまで諒のペニスが入っている。
 あり得ない。こんなことあり得ないと、頭で否定はしても実際には起こっていることである。だがそれを受け止められず、心が壊れてしまいそうだった。
 だがその心の壊し方を諒は知っていた。それも周すら予想しない壊し方である。
「やっと周の中だ……ああ……気持ちがいい。周……お前にもこの快楽を分けてやるからな」
 諒は熱にうなされた譫言(うわごと)のように言い、ゆっくりと腰を使い始めた。
「うっ……あっ……うっああっ……んふ……あっ……いやっ……いやいや……」
 ズンと入り込んでくるペニスに首を振って抵抗してみてせるが、ズルリと抜ける感覚にゾワッとした快楽が押し寄せてくる。指とは比べものにならない質量が内壁を圧迫しているが、そんなものは十回ほど挿入された後は違和感がなくなっていく。
 それよりも違った感覚が押し寄せ始め、周は困惑した。
「いやっあっああっ……ああっあっあっあんっあんっ」
 自然と甘い声が口から出てしまうのだ。自分の声だと思えないような甘ったるい声に、最初は周も自分が出している声だとは思わなかった。だが次第にそれが自分の口から出ている声だと認識し、一生懸命口を閉じた。
「んふっふっふっんふっ! ふっんふっ」
 そのわずかな抵抗に、諒はクスリと笑って言った。
「駄目だよ周、声を殺しちゃもったいない」
 そう言って諒は周を突いていた腰の動きを強くした。挿入が早くなり、さらには前立腺をも擦りつけるやり方に、周のわずかな抵抗も空(むな)しく終わりを告げる。
「……んふっあっあぁああっ! あっ!あっ!あっ! んあぁっ!あっああっ!」
 声を我慢していたせいで、いつの間にか嬌声が大きくなっていたことに周は気付いてなかった。諒に強引に口を開かされた周の嬌声は、部屋中に大きく響き、いやらしく体さえもくねらせた。
 自分の意思とは違う淫らな動きになる体に、周は戸惑った。アナルを擦られて気持ちよくなるのはおかしいと思うのだが、それでも実際に気持ちよくて、体が自分から動き始めてしまう。
「あっあっんぁっ! あっあっぁあっ! あっ!あぁ!」
 諒は、周の腰が動き出したことに気付いたが、それは口にしなかったが、口の端で笑った。
 周は思った以上に快楽に弱くできていたらしい。
 そういえば、周の体を弄っている時もそうだったが、昔、オナニーのやり方を教えた時も気持ちよすぎて諒の手の中で痙攣をしていた。あの初々しさに諒の心は歪んだ。
 周を抱きたいという歪んだ心を何年もかけて育ててしまった。
「周……ああ、いいよ周」
「あっ……やっあっ……兄様……いやっいやっ」
 周は首を振りながら、快楽に溺れそうな自分を認めようとはしない。けれどそのたびに諒が前立腺を突きあげてきて、その否定を嬌声に変えた。
「あんっあんっあんっあっあっあっんっあぁああぁあ――――――っ!」
 前立腺を突き上げて追い詰めたら、周は射精をした。吐き出された精液が、周の腹を濡らす。
「周……お尻だけでいけるようになったね」
 諒はそう言い、更に腰を強く打ち付ける。
「今、周の中に種付けしてあげるからね」
「いや……兄様……いやあ」
 周は諒の下から逃げようをするのだが、押さえつけられていては逃げられない。それまでの優しいやり方とは違った動きに、周は何度も首を横に振った。
「周……周……あぁ」
 諒は奥まで突き入れてから、周の中に精液を大量に吐き出し、本当に種付けでもしているかのように、何度も奥で擦りつける。
 その精液を受けて、周は嬌声を上げていた。