R18novel短編

雷鳴-2

「たくっ仕方ないな……」
 三木もだんだんとその気になってきた。
 外の雨は斜めに降り続け、賽銭(さいせん)箱近くまで雨が飛び散っている。音は雷鳴と雨の叩きつける轟音で、中で何をしていても外の人間に気づかれることはないだろう。
 それもあって、三木はすんなりとズボンと下着を脱いだ。
 その間に守屋はポケットから小さなチューブを出した。市販されている有名な会社のジェルであるが、その一回使い切りミニサイズという女性に受けそうなピンクの入れ物のものだ。
「…………呆れた」
 三木の呆れ顔に、守屋は笑うだけだ。
 どうやらどこでもできるように、ポケットにジェルの入った小さなチューブを入れていたらしい。用意周到というよりは、馬鹿である。見つかったらいいわけができないレベルの物体をどうどうと取引先まで持って行くのは、呆れる以外に何ができる。しかもコンドームもさらっと出していたが、懐から五枚綴りのものを出してきたのも同様に呆れる。
 守屋はその容器からは、ジェルの蓋を開ける。いつもみたいに大量には使えないが、孔を解すくらいのことはできそうなものだ。
 三木が腰を上げた状態で守屋の前に晒すと、守屋はふっと気がつく。
「……石けんの香りがする……ってことは」
 どうやら三木も昨日の逢い引きを邪魔されて、セックスができずに困っていたようだ。今日の仕事が終われば、やっと休みになる。一日延びた休みであるが、仕事が終わればすぐにできるように準備だけは朝からしていたらしい。
 それが分かって守屋はニヤリと笑ってしまう。もちろん三木には見えていない。
 守屋は見えていないことをいいことに、ジェルを一旦床に置いて、三木の尻を掴むと、そこに顔を埋めた。
「ひやああ!」
 ピシャリと明らかにジェルや指ではない感触に三木はビクリとして振り返った。
「なにっやってんだ!」
 あまりに驚いて三木が逃げようとするのだが、守屋がしっかりと足を掴んでいて放してはくれない。舌は三木のアナルを愛おしそうに舐めてきて、その舌が触れるたびに三木はビクビクと体を震わせた。
 抵抗もむなしく、完全に三木はアナルを舐める守屋の舌に翻弄された。
「んぁっ! あっ……んんふっ……ああ……」
 守屋は三木を愛撫するのが大好きである。できれば早くアナルにペニスを突っ込んで気持ちよくはなりたいが、それよりも三木が悶える姿が好きだった。
「あっ!あっ! んぁっ! ああっだめっんんふっ」
 開いた足の間でペチャペチャッとアナルを舐める音が聞こえだした。雨が少し小降りになってきたのか、息遣いまで聞こえ始めた。だが雨音はまだしており、契約書類を持っている手前、少しでも雨が降っているなら、出る訳にはいかない。
「あっん! んあぁっ! ああっ」
 一応建物の中にいるとはいえ、一歩間違えば青姦である。
 誰にも見つからないだろうが、それでも人が絶対に来ないとはいえない。
 ザンザンと雨が時折強く叩きつける中、人に見つかるかもしれないと思いながらドキドキと緊張しながらの行為。それでも止まらないのは気持ちが高まってしまっているからだ。
「あ……ん」
 舌や指を入れてアナルを柔らかくした守屋は、やっと三木のアナルから顔を上げた。入ってくるわずかな光に三木のアナルが守屋の唾などで光っているように見える。
 それに守屋はゴクリと喉を鳴らして、三木のアナルにペニスを挿入し始めた。
「ん……あ……あ……んぁっ……んんん」
 ゆっくりと三木のアナルは守屋のペニスを飲み込んでいく。朝から慣らしておいたお陰もあり、いつもよりすんなりと挿入ができた。
 守屋はゆるゆるとペニスを進め、根元まで押し込めるつもりで四つん這いになっていた三木を抱き上げて起こし、膝に乗せた。
「……んぁああぁぁっっ!」
 膝に乗せられると、三木は自分の体重で体が沈み、ペニスが奥の奥まで突き刺さるのを感じて仰け反った。
 綺麗に仰け反っている三木の体を支えながら、守屋は三木の乳首に悪戯をする。
「んぁっあっあっだめっ! あっ!あっ!ああぁっ!」
 乳首を摘ままれて、三木の体が逃げるように動くのだが、その逃げることで浮いた体を守屋が腰を使って追い立てる。下から突き上げられるように挿入されて三木は仰け反り、嬌声を上げた。
「あっ!あっ!んぁ!あっ!んんっ!」
 守屋は三木を抱き留め、乳首を何度も摘まみ上げ、腰も突き上げた。三木は自らも腰を振り、守屋のペニスを銜え込んで身もだえる。その姿がまた守屋を煽り、守屋は三木を床に寝転がらせ、片足をあげると、横から腰を突く。
「あっんああぁああっ! んああっ! あぁああっ!」
 嬌声は我慢しようとするのに、口から零れ出てしまい、大きな声は周りに響いていたが、それを雨音がすべて消し去ってしまっている。
 雷鳴が鳴り響き、土砂降りがまた始まった。
「んぁあっ! あああぁあっ! あああぁあ! あっ!あっ!あああっ!」
 ザンザンと打ち付ける音に合わせて、守屋が挿入を乱暴に繰り返し、前立腺を刺激された三木は、悲鳴を上げて達した。
「ひぃいああああぁ――――――っ!」
 三木はいつもと違う環境と緊張から、全身で絶頂を迎え、ペニスに填められていたコンドームに精液が一気にたまる。
 だが守屋の腰は止まらず、素早い挿入を繰り返す。
「ひぁあ゛ッ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! いってるうぅってっ!」
 絶頂をしているのに、まだまだ追い詰められ、快楽から苦しいくらいの快楽を与えられ、三木は涙を浮かべて守屋に訴える。
「お○んちん……いやあぁあっ! ああっ! あああぁあ! んぁああっ!」
 この追い上げ方は、三木はマズイと思った。このまま続けられると、違うものが出る。そういう感覚だ。
「だめっだめっ! だめぇえええああああぁあああっ!」
 三木がそう叫んだ瞬間、三木は潮を吹いていた。
 コンドームの中にそれがたまった。幸い、沢山はでなかったのでコンドームで受け止められた。
 次の瞬間、守屋が達したのか、うめき声を上げて腰の動きが止まった。
 そして守屋のペニスが抜けると、三木はぐったりと床に倒れた。
 そこで守屋はやっと三木が潮を吹いたことに気付いた。
「あー、本格的なのじゃなくて良かった」
 そう呟いたのだが、それは三木には聞こえない。
 雨の音がさっきから酷く、周りの音が雨音と雷鳴だけだ。
 守屋は自分のコンドームを外して縛ってしまうと、三木のコンドームも外してやった。だが、守屋はそうしてやったのにも関わらず、三木を仰向けにすると、三木のペニスに口を寄せて吸い付いたのだ。
「……ああっ! ああああぁぁあっ!」
 萎えているはずの三木のペニスが、守屋の舌や口によって高められていく。あれだけ達したのだから勃起はしないと思ったのだが、昨日してなかったのが大きかったのか、守屋の口で扱かれているうちにすぐに勃起をした。
「ああぁあっああっん……いくっいくっ」
 ペニス全体を舐めあげられ、三木は体を震わせて達した。守屋はそれを口で受け、三木の精液をゴクリと飲んだ。
「はぁ……はぁ……ん、もう……お前、強引だって……」
 三木がそう言った時には、外の雨は止み、雷鳴は遠い空で鳴っていた。
 二人はそれに気付いて、急いで服を着て、コンドームなどもすべて拾い集め、持っていたビニール袋に入れ、神社の中を綺麗にしてから、人がいないのを確認して社から出た。
 すっかり雨は上がり、どす黒かった雲は遠くの空になっており、青空が顔を出していた。三木が時計を見てため息を漏らす。
 雨が降ってから一時間ほどだ。神社の中に入ってから三十分くらいはセックスをしていたわけだ。
 三木は、ハッとして振り返り、神社の神様に向かって謝った。
「申し訳ありません。もうしません」
 そう謝っている三木を守屋は不思議そうに見て言った。
「本当に神様がいるなら、やってる最中に俺らに何かあっただろ?」
「うるさい。気分の問題でもあるんだ」
「そういうもんか?」
「そうなの!」
 三木はそう言うと神社を出た。そして振り返って言った。
「電車に乗るの疲れたから、お前のおごりで会社までタクシーな!」
「マジかよ」
 守屋はそれを聞いて、少しだけしくじったかなと思ったが、続けて三木が守屋の横に来て言った。
「それでそのままラブホテルに行くぞ」
 その言葉に守屋は機嫌を良くして頷いた。
 遠くの空では尚も雷鳴が鳴っている。