R18novel短編

理性ゼロ-1

 飲み会の席は、馬鹿みたいに盛り上がっていた。
 会社の飲み会は、様々な課の飲みたいヤツを集める企画で始まった飲み会で、これで三回目の開催だ。忘年会ごときでは足りない、もっと飲み仲間が欲しいという人間しか集まっていないため、酒豪や酔いつぶれても平気な人間しかきていなかった。
 男女混合の飲み会なので、合コン目的で来る人間もいるが、こういうところに来る女性の飲んべえは、それはそれは酒豪ばかりだった。
 飲みつぶして得意がる女性、それを面白がっている男性と質が悪いとしか言えない飲み会ではあるが、由理は酔うのが好きで何度も参加していた。
 ただ馬鹿みたいに飲みたい時も多く、三回参加をしても由理は女性には誘ってもらえないでいた。
 この飲み会でカップルになる人間も多くいるのだが、由理だけは女性に相手にされない。
 それもそのはずで、由理はゲイであることを公言していた。
 それで女性は味方の方になり、男性が由理を警戒する羽目になっているわけだ。そんな由理を参加させているのは、幹事の森下の仕業だった。
 由理は飲み会の女性を集めるのが何故か得意で、さらにはカップルにならないで揉めそうなときはさっと仲裁に入ってくれるので、女性には頼りにされていた。男性達は由理がいないとこの飲み会が成立しないことを知っているので、由理には逆らえないというわけだ。
 そんな由理は大人しく飲んでいるだけで、別に男性社員を狙っているわけではない。
 馬鹿みたいに飲む人たちを尻目に、由理は一人つまらなそうに飲んでいる人を見つけた。
 たしか名前は芳川と言った。営業部のエースと言われる出世組で、来月には営業課長になるらしい。そんな人が飲み会にくるのは珍しいのだが、普段なら男性にならとりあえず群がる女性達が、誰も彼を気にしていないことに気付いた。
 由理はそんな芳川の隣に座って話しかけた。
「飲んでますか?」
 そう由理が話しかけると、芳川はにっこりとして由理に言った。
「あの人達ほどじゃないけど、普通に飲んでいるよ」
 そう言って見た先には、ジョッキを三杯を一気している馬鹿なカップルがいる。恋人同士で張り合って飲み合っているらしいが、一気は禁止なので周りが止めている。
「よかった。何か楽しそうじゃないから、大丈夫かなと思って」
 由理がそう言うと、芳川は笑う。
「こういう酒豪の会というのは初めてで勝手が分からないだけだよ」
「確かに初めて参加すれば、大抵の人は引きますね」
 芳川の感想に由理は仕方ないと納得する。
「そういう君も飲んでないようだけれど」
 そう言われて由理は驚く。確かに今日はあまり飲んではいない。いつも最後にトラブルがあるので、それに備えているのだが、まさか芳川に見られているとは思わなかった。
「僕は、ちょっと調整役なんで、あまり飲むわけにもいかなくて」
「そうなの? そんな調整役なんて毎回引き受けてるわけ? お人好しだなぁ」
 そう言われて少しだけ由理は傷つく。確かにこんな場の調整役なんて、幹事がするものだ。それをそのためだけに呼ばれるような関係になってしまっている。
「君だって好きなだけ飲みたいだろうに」
「まあ、あ、自己紹介がまだでした。経理課の由理です」
「俺は営業課長になったばかりの芳川です」
「その年でさっそく課長なんてすごい」
 芳川は大学を卒業してまだ三年目だ。営業成績は初年度からトップ。お客様の評判の良さから、契約は増え、会社の未来も変えたと言われる。順調に出世をしているようであるが、その芳川より年上の由理は、うらやましいと思うのと反面、出世欲がない経理課であるので、価値観が違った。
 小さな会社でこれだけの成績を上げ続ければ、いずれ部長になり、副社長あたりまではいけそうである。だが、その前にヘッドハンティングされて大手に行ってしまうのだろうなと由理は思っていた。
 芳川は由理の言葉に謙遜してみせていたが、態度からして社長まで上るつもりがありそうなほどの自信家に見えた。
「まだまだこれからですよ。どうぞ由理さん」
「あ、すみません」
 どんどん飲もうと芳川が酒を持ってくる。だがそれが日本酒だったことが由理のその後の思考を奪っていく。
 普段ビールなどを飲んでいるところに日本酒はかなりきつかったのだが、由理はそのお猪口の小ささに騙され、どんどん接がれるままに飲み干してしまった。
 当然その接いでいる芳川も同じくらい飲んでいるが、酔ってしまうのは由理だけである。
「あー、ちょっとトイレに」
「じゃ、俺も」
 由理がトイレに立とうとすると、芳川も一緒に行くという。ちょっと気まずいのだが、仕方なくトイレに立った。
 幸いトイレは大手チェーン店らしく大きく、四人ほど入ることができる。だが個室は案の定、酔って吐いている人間で埋まっているようだった。
「……」
 なんと言っていいか分からない、二人は用を済ませたのだが、その埋まっている個室から明らかに吐いているものとは違う声が聞こえだしたのだ。
「あっ! んっ! あぁあっ!」
 と嬌声が聞こえ、個室の中ががたがたと音を立てている。
「あぁっ! んっ! んぁあっ!」
「しーっ声、大きいって」
「だってぇ、お○んちん、気持ちいいんだもん……」
 どうやらやっているのは男同士だったらしい。なんだってこんなところで始めるのか。ホテルにでも行けばいいものをと芳川が思っていると、由理の様子がおかしい。
 真っ赤な顔をして、もぞもぞしている。
 それで芳川はピンときた。
 由理のズボンが少し膨らんでいるではないか。個室で盛っている二人に反応してしまったのだろう。 
「由理さん……もしかしてゲイ?」
 由理の後ろから、由理の耳元で芳川が言った。
「……ひっ、び、びっくりした」
 由理は飛び上がるほど驚いてしまったのだが、そういう場合ではない。
 芳川は由理の手を引くと、返事を聞く前にトイレから出た。そして突き当たりにある関係者以外立ち入り禁止と書いてある非常口を抜けて、非常階段に出た。
 非常階段は、建物の内部にある形で、どうやらこのビルに入って営業している店の従業員達が出入りする階段として使われているらしい。その階段を一階上に上ってから芳川の手を由理は振りほどいた。
「よ、芳川さん……なんなんですか……はぁはぁ」
 二人は向き合った状態になったのだが、芳川は由理を壁側に押しつけた。
「何って、あれ聞いて勃起してる人に言われたくないけど?」
 そう言われ、由理のズボンの前を芳川が手で押さえ、そして撫でたのだ。
「あっ……」
 少し前屈みになる由理を芳川は支えてやりながらも、勃起した由理のペニスを擦るように撫で上げていく。
「ん……ああっ……だめ……芳川さん……あっ」
 普段、誰かに触られることがないところを触られ、由理は腰が引けながらも気持ちよくてどうしていいのか分からなかった。抵抗して芳川の手を剥がそうとするも、気持ちよくて逆に押しつけている形になってしまう。
「ズボンにシミができちゃうね」
 芳川はそう言うと、由理のペニスをズボンの中からさっと出してしまう。
「えっ! あっ! だめぇっ! あああぁあっ!」
 小さなペニスがポロリとズボンから出てきて、それを芳川がさっと素手で握ってしまう。そして先走りを撫でつけるようにして扱き始める。
「芳川……さん……あっん……だめっん、なんで……あぁっ」
 芳川はそう由理に問われて正直に言った。
「ずっと君に目を付けていたんだ……可愛いね由理さん、あんな嬌声くらいで、お○んちんビンビンになってて、知り合ったばかりの男の手でお○んちん扱かれてるのに、気持ちよくてどうしようもなくなってて」
 由理の耳元で芳川が息を弾ませて言った。
 卑猥な言葉と最初から狙っていただの、由理目当てだったと言われて、由理は戸惑ったが、それでも芳川のようなイケメンでできる男がゲイである由理に興味を持ってくれたことは、素直に嬉しかった。
 そして男のペニスを何の躊躇もなく掴む芳川は、たぶんゲイだ。
「いやぁああっんっ……だめっ……ああぁ……だめなのっあぁっあっあっあっ」
「駄目じゃない。これはいいっていうんだ。ああ可愛いね由理」
 芳川は由理のペニスを扱きあげながら、耳元で囁く。そして耳を舐め、首筋にキスを落としていく。完全に盛った男になった芳川は、見た目の真面目さからは想像できないほど卑猥な言葉を口にした。
「だめっんぁっ……ひあっ! あっ! あっ! んぁっ!」
 芳川は由理のズボンのボタンを外した。脱げたズボンが膝まで下がり、それが足かせのようになり、由理は逃げられない。 
「あっあっあっあぁあああっっ!」
 とうとう由理は芳川の手で達した。
 勢いよく精液が飛び、階段を濡らした。
「はぁはぁはぁ……」
 涙目で呆然とする由理に、芳川はキスをして、下の下着も脱がしていく。それが脱げると、キスをしたままで由理のワイシャツも脱がし始める。
「あ、うそ……んんん」
 キスの合間に由理が慌てるのだが、ワイシャツを脱がしたところで、シャツをまくり上げた芳川は、由理の乳首を弄り出す。
「あっ……んんっ……乳首、はぁあっ」
 芳川が指で乳首を掴み、それをこね始める。グリグリと強めに摘まみ上げる。
「あっんっ! あっあっ……んっ」
「気持ちいいのか。だよな。強めが好きなのは、チクニーしてるからだな」
「……いやっ言わないで……あっ!」
「乳首いじって、好きって言ってみろ。そうしたら舐めてやる。この舌で」
 芳川はそう言い、由理の首筋に沿って顎までを舌でべろっと舐めて見せた。ザラリとした舌の感触に、由理は自分が舐められている感覚に陥る。
 あの舌で乳首を舐られたらきっと最高に気持ちがよくなるだろう。そう想像は付いた。
「……あっ……乳首……」
 芳川が乳首を押しつぶしてくると、由理の萎えたはずのペニスがゆっくりと持ち上がる。
「……はぁはぁ……乳首好き……好きっ! 舐めてっ! 芳川さんの舌でいやらしく僕の乳首を嬲って!」
 その言葉を吐いた通りに芳川が待ってましたとばかりに由理の乳首に吸い付き、舌で思いっきり嬲ってやった。
 その舌触りに強烈な快感が下半身を突き抜けた。
「あっひっあっん! はぁっ! あっあっひっあぁっ!」
 自分で乳首を弄ってもせいぜい指で嬲るだけが精一杯だ。だから舌で嬲られるのは初めてで、それだけで腰が抜けそうなほど気持ちが良かった。由理は芳川の舌であり得ないほど乳首で感じた。
 芳川は執拗に由理の乳首を舐め、舌で転がしてさらには口で吸った。最後には歯で噛みつき、そのまま引っ張っては舌先で乳首を舐めてやった。
「あっあぁあっあっひあぁっあっあっんぁっあぁっ」
 そうしながら、芳川は指を由理のアナルに突き入れた。