R18novel短編

テイクアウト-1

 その日は最悪だった。
 陽川(ひかわ)はファーストフードを食べたいと思って学校帰りにその店に寄った。
 友達は皆部活で忙しく、陽川はその日は部活が休みになり一人で帰るところであったため、そんな悲劇になったのかもしれない。
 ファーストフード店は何故か混んでいた。
 進む列は一か所だけで、もう一つのレジは不良たちによって占拠され、アルバイトの女性が絡まれている。
 陽川はその不良を見て思い出す。
 一部の生徒は、少し離れてたところにある不良学校の生徒だ。陽川が通う学校とは反対方向にあるのだが、陽川の家がこの近くなため、高校に進学をする時には、陽川が行っている普通学科の公立か、不良しかいない私立のどちらかしか選べない。当然、普通学科の公立を選ぶ人が多く、それでも地域的に小学校から荒れている学校ばかりなので、当然成績が悪いと私立に行くしか道はない。
 この時勢、高校くらいは最低は出ていないと、就職では上手くいかない。ちゃんとしたところに就職したいなら、大学まで行く必要があり、陽川は大学まで行ってちゃんとしたところに就職したいと思っている。
 だから私立は選ばなかったのだが、こうして町に出るだけで、私立の生徒と出くわすことがある。大抵、数人で固まっていれば無視してくれるのだが、気弱な人間が一人でいると絡まれることがある。
 陽川はファーストフードを諦め、店を早々に出た。
 関わりたくないから、遭遇しないように逃げるしかない。
 店を出て、商店街を抜けて、歩いて堤防へ上がる。
 陽川の家は、この堤防を伝って行くと橋があるのだが、それを渡った先である。小学校の頃からこの橋を渡って学校に通っていたので、今でも慣れた帰り道でもある。
 その堤防を歩いていると、後ろから自転車に乗った不良たちがやってきた。
 不良たちは自転車で通りながらも、陽川の頭を何かで殴っていった。
 その衝撃で陽川が地面に膝から崩れ落ちると、不良たちは笑って通り過ぎていく。
「ぎゃはははは」
「ヒット、ヒット」
 馬鹿馬鹿しいことをして喜んでいる。本当に頭が悪い。こんなことすれば警察に暴行で逮捕される案件だ。しかもこの様子からいつもやっていることらしい。
 憎々しげに舌打ちをして、不良たちが通り過ぎるのを見送り、自転車で去って行く不良たちの影が小さくなるまでその場で立っていた。
「くそっ……」
 だが、こういうことをいちいち警察も取り上げないことは知っている。被害者は泣き寝入りするしかない。ただ標的にならないことを望んで、こそこそと生きていくしかない。
 ここはそうした町だ。
 陽川は、やはり今日は付いてないのだと思い、引き返そうか迷った。友人たちが一緒なら、被害に遭うことはない。不良たちも多勢に無勢という言葉を知っている。中には柔道有段者もいる。彼らはそうした胴着を持っている人間だけは絶対に狙わないのだ。
 つまり弱いヤツが標的になる。
 不良たちをやり過ごすか、それとも引っ越して別の土地に行くのか。
 陽川の友人の一人も標的にされたことがある。見かけただけで追いかけられ、殴る蹴ると暴行される。さらには呼び出され金銭を強奪される。その友人は、最後には親に泣きつき、隣町に引っ越した。
 その不良は警察に呼び出されたが、少年院にすらいかずに話し合いで解放された。
 同じ学校のヤツだったが、陽川が標的になることは何故かなかった。
 堤防の上で悩んでいた陽川の横を、人が通っていった。陽川は、その人間の後ろからこそこそと家に向かって歩き出した。これなら何かあってもこの人が通報してくれるかもしれないと思ったのだ。
 だがそれは間違いだった。
 前を歩いている人間は、橋の近くに来ると、陽川の方を振り返り怒鳴ったのだ。
「こそこそ、俺の後を付けてきて、気持ち悪いんだよぉ!」
 そういきなり怒鳴りつけられて陽川は体を震わせた。
 振り返ったのは、作業着を着ている男性だ。近くの工場から自宅に向けて歩いていたのだろうが、後ろから付けられるように歩かれていたことに腹を立てていた。
「……いや、同じ方向なだけで……」
「うるせぇ、立ち止まってごそごそしてたかと思ったら、俺の後にこそこそして張り付きやがって」
 そう怒鳴り声を上げる男性だが、それに反応をしたのは、高架下にいた先ほど陽川の頭を殴って喜んで自転車で立ち去った不良たちだった。
「古田さん、どうしたんですか?」
 四人ほど人が集まってくる。
「こいつがなあ」
 男性はそう言って、ことの説明をする。不良たちは一斉に陽川の方を見た。
「お前、古田さんに何をやってんだ」
「何も」
 やってないと言おうとした陽川を見た一人が、「あ」と声を上げた。
「お前、陽川じゃん。小学校の時、隣のクラスだっただろ」
 と言われた。
「え?」
 陽川が驚いてその不良を見る。最初こそ思い出せなかったが、だんだんとその顔が、友人を殴っていじめていたやつに似てきた。
 藤沢というのが、そのいじめの首謀者だった。
「…………っ!」
 ビクリとして陽川は、歩いてきた方向に向かって逃げ出していた。体が自然に動いたのだ。逃げなければいけないとそう思ったのだ。
「こら、待て!」
 古田と呼ばれた男が、陽川の後を追って走ってきて、陽川の腕を掴むと、堤防の崖に向かって陽川を投げつけたのだ。
「ああ……っ!」
 陽川の体が一瞬宙を舞い、堤防の崖に叩きつけられる。幸い草むらの上だったお陰で痛みは酷くなかったが、斜面である。体が転がって落ちていき、堤防の下まで転がって落ちた。
 堤防の草むらの中に倒れている陽川に向かって不良たちが集まってくる。
「逃げてんじゃねーよ、陽川くん」
「そうそう、せっかく藤沢との感動の再会だって言うのに」
 そう言って近づいてきた不良の藤沢は、陽川の友人にいじめを繰り返した犯人だ。名前を聞いて確信できた。どういうわけか、当時陽川だけはいじめに合わずに済んでいた。
 陽川の服を掴んで、二山という男が歩き出す。陽川は引きずられるままで何もできずに、二山に高架下に運ばれた。
 高架下は、不良のたまり場ができていた。
 元々はホームレスが作った小さな家だったが、そこを不良たちが占拠し、ホームレスは何処かへ消えた。小さな家は、掘っ立て小屋で、中は六畳ほどの広さがある。ホームレスはこれを一年くらいかけて廃材を使って建てたと聞いた。
 この辺に住んでいる人間は、この建物があることを知っていたし、不良のたまり場になっていることも知っている。だが、行政はこれを撤去するにはお金がかかるとして、放置し続けている。
 掘っ立て小屋の前で陽川は殴る蹴るの暴行を受けた。頬は真っ赤になり、鼻血は出た。お腹も蹴られ、痛みで地面にうずくまった。
「なーんで藤沢、逃げられてんの?」
 古田がそう言うと、藤沢が言った。
「こいつといじめやってて一人だったかな転校させたんですよ。小学校の時。それからこいつ、俺のこと避けるんだよなぁ。中学校も別だったし、高校も」
「へえ、で、お前はこいつもいじめてたのか?」
「いや、元々は仲間だったんだけど、いつの間にかさっと抜けてやがって」
 藤沢がそう言うので、陽川は目を見開いた。
 俺が藤沢の仲間だったって? 何を言っているんだ? というように藤沢を見てしまった。
 すると藤沢はふっと笑って言った。まだ気付いてないのかという呆れ顔だ。
「そうそう、お前、あの時いじめてたヤツを裏切ってたってバレて、階段から突き落とされて頭を打ったんだよな。で、起きたら俺らの仲間だったこと忘れて、いじめてたヤツと親友だったって設定に記憶を改ざんしてたんだよな」
 そう言われて陽川は嘘だと叫びそうになった。だが、叫べなかった。
「それだけじゃねぇ。お前、時々記憶が戻ると、俺のところに来てたんだぜ?」
 藤沢がそう言う。
「なに……いって」
「覚えてないんだよなあ。いろいろと、本当に」
 そう藤沢が笑うと、体の大きな二山が陽川を抱え上げると、掘っ立て小屋の中に陽川を連れ込んだ。
 動けない陽川はそのまま掘っ立て小屋の部屋の中に敷かれた、ビニールシートの上に寝かされた。
「なに、なに?」
 二山が陽川の制服のワイシャツを引き裂いて、前ボタンをすべて飛ばして外してしまう。夏だから半袖であるし、ワイシャツと下着しか身につけていない。その二山はナイフを取り出して言った。
「動くと刺さる」
 そう言って、下着を下からナイフで切り開いていく。ビリビリと乱暴に切ってくるナイフに陽川は怯えた。
「ひっ……」
「動くな」
 そう二山が言ったのは、陽川が少し動いたせいで、ナイフの先が胸の辺りで刺さったからだ。
「いっ……」
 二山は下着を切り裂くと、陽川の制服を腕まで下げてそれで腕を固定した。
「な……にして」
 二山が真剣に行動しているのを、不良たちが興味深そうに見ている。先輩だという古田まで固唾を飲んでいる。大体は何をしようとしているのかは想像できたのだが、相手が男である。率先して手伝う気になれないのは男だからだろう。
 だが二山は慣れていた。
 手際よく腕を固定すると、突き出したような陽川の胸を手のひらで一撫でしてから、陽川の首筋にキスを落とした。
「やっめろっっ!!」
 ペチャペチャと二山は陽川の首筋を舐めていく。その感覚に陽川は最初こそゾッとしたのだが、どういうわけか息が上がっていく。
「やっ、あっ! やめっ! あっ!」
 首を振っても二山はそれをやめようとはしない。ペチャペチャと音を立てながら、首筋そして耳の裏、さらには耳の中まで舌で舐めていく。
「あっやっだめっんっ」
 陽川は自分でも信じられないような甘い声が口から出ていた。
 こんな訳も分からない状況で、知らない人間、しかも男に首筋を舐められて甘い声を出すなんてことは異常だ。だから陽川の頭は二重の意味で混乱していた。
 二山は首筋や耳を舐め終わると、体全体を舐めるようにして乳首まで辿り着いた。
 二山は乳首の周りを舌で円を描くように舌先で舐めていき、最後に乳首の先を軽くペロンと舐めた。
「あああっ!」
 それだけで陽川の体に電流が走ったかのように体が跳ねた。
 それを確認した二山は陽川の乳首を思い存分舌で嬲った。
「あっ! いやっ! あああぁっ! んあぁっ!」
 舌先で舐められ、転がされ、さらには吸われて歯で甘噛みをされる。
 そのたびに腰に電流が走って、自然と腰が浮いてしまう。それは二山に胸を突き出し、もっと吸ってとやっているように見える。
 陽川のズボンがはっきりと勃起していると分かるほどに膨れ、その先からはシミができている。
「もしかして……あいつ」
 古田が藤沢に聞いた。
「そうですよ。男、知ってます。仕込んだのは俺なんですけど」
 陽川が訳が分からないまま悶えているのを眺めながら、藤沢たちが状況を説明していく。
「あいつ、記憶障害の影響なのか、たまに俺の家に来るんですよ。近所だし勝手知ったる他人の家だから。でもまともに会話できる状態じゃないんです。ほっといたらいつの間にか家に帰っているし、その間のことは何にも覚えてないんです。で、覚えてないなら何してもいいんだって思って、ちょっとした好奇心で、あいつの体、開発して遊んでいたわけです」
 藤沢の言葉通りに、二山に乳首を吸われただけで、陽川は一回目の絶頂を迎えていた。
「あぁああああぁっっ!」
 陽川は信じられないほど早く追い詰められ、下着の中で射精をした。
 その放心している陽川のズボンと下着を取り払い、二山は陽川の尻を見える形にしてから、そこに自分のペニスをいきなり突き入れた。
「――――――っっ!!」
 息を飲み込む悲鳴を上げ、陽川は激痛に耐えた。絶対に裂けると思っていたアナルは、ものの見事に二山を受け入れ、裂けてはいなかった。
「すげえ、入ってる」
 他の不良もマジマジとその結合部分を観察した。
 二山はこの不良たちの中でも体が大きい。そしてペニスの大きさも皆が知っていた。それが勃起しガチガチになっている状態は凶器にしか見えないほどの鋭さを持っていた。
 それが陽川のアナルにすっぽりと入っているではないか。
 他人の、しかも男同士の行為なんてみたくはないのだが、陽川のそれは違った。
 いきなり知らない不良に強姦されているにも関わらず、陽川はそこまでの抵抗はしていなかった。挙げ句、ペニスをアナルに突っ込まれて、絶頂寸前の顔をして涎(よだれ)を垂らしている。
 これを見て、ホモだから遠慮するとは誰も言えない。