R18novel短編

散った花-1

 深津は、その日コンビニのバイトの日だった。
 バイトを始めて約三か月。慣れない深夜のバイトであったが、それでも大学生にもなって、親の臑をかじっているだけでは駄目だと思ったのだ。
 親は学業が優先だといい、バイトを認めてくれなかったが、それでも親に強請るのも憚るような飲み代なとは自分で稼ぐことにしたのだ。
 そのお陰もあり、ちょっとしたことで金銭に困ることや、強制的な飲み会をパスするためにバイトを持ち出して逃げたりと、いろいろと便利なことが増えた。
 それでもバイトは大変で、一緒にシフトに入っているのは東南アジアの留学生などばかりで、深津は店長にそうした人達の面倒まで見るようにいわれていた。 この日はその留学生のバイトがシフトを上がり、深津も後は早朝までのバイトと交替を待つだけの残り三十分であった。
 珍しく人の出入りがなくなり、店は閑散としていた。
 暑い夏が終わり、秋がだんだんと深まってきたからか、店前で屯(たむろ)している学生たちの姿は完全に消え、その代わり深夜のよく分からない職業を持つ人達が店に来るようになり、日用品を買ったりしている。 近くの繁華街にも大きなコンビニがあるので、殆どの人はそっちへ行ってしまうという、立地条件が悪い場所であるが、それでもそれなりに収入があるようで、店は潰れていない。
 午前零時を過ぎると、人の姿は滅多になくなる。
 その代わりと言ってはなんだが、広すぎる駐車場にコンビニに用がないであろう車が数台止まって、朝まで違法駐車している。
 小さな山の麓であり、裏は小山である駐車場は、無駄に広かった。そのお陰で車で来る客が多い。ポツポツと客が訪れるが、大抵タバコや飲み物を買ってすぐに去っていく。
 その車の客は、そんなタバコや飲み物を買った後、駐車場で三十分は時間を潰しては去っていくということに、深津はバイトに入って二週間目に気付いた。
 そういう客の行動がだんだんと見えてくると、いろいろと分かってくることもある。
 駐車場で屯(たむろ)しているのは、大抵タバコや飲み物を一点だけ買う客だけなのだ。暫くして、その人達が、ある一台の車の運転手に毎回話しかけていることに気付いた。
 その一台の車は黒のワゴン車。ガラスにはスモークが貼ってあり中の運転手などは見えない。一点物を買った客は、買い物をしたその足でそのワゴンの窓をノックし、中から何かを受け取ってから、何かを渡している。
 たまに長時間話し込んでいる人もいるが、それでも十分もかかる人はいない。
 ワゴン車の人間はコンビニに用があるのではなく、その客の方に用があるようで、早朝までのバイトの話によると、朝の五時くらいまで駐車場に居座っているのだそうだ。かと言って、それは毎日ではなく、週に一回程度。深夜から午前五時までの数時間。
 さすがに怪しいので、注意をしたいところだが、店長に報告すると放っておけと言われたという。
 関わるとろくでもない恨みを買うだとか、駐車スペースは余ってるから一台くらい止まっていても問題はないだの、とにかく関わりたくないというのが店長の言葉の端々から感じたという。
 だから放っておいた方がいいと、早朝までのバイトの人は無視をすることにしたという。
 そのワゴン車は今日は来ている日だった。
 何が目的なんだろうと考え込んでいると。
「おはよーっす」
 早朝バイトがやってきた。
「おはよーっす」
 挨拶を返すと、バイトは手を上げてロッカーロームに入っていき、すぐに着替えをして出てきた。
「わりぃ、遅くなった」
「大丈夫だよ、まだ五分くらいあるから」 
「え、本当? 俺の時計、ちょうどなんだけどな」
 腕時計を見てバイトは首を傾げている。そのバイトの時計は確かに時間通りになっていた。だが、店の時計はまだ五分前だ。
「いやー、自転車のチェーンが外れてよ。暗闇で直してくる羽目になったんだよな。今まで一度も外れたことなかったのに」
 そう言いながら、バイトはレジに自分の認識番号を登録する。ここから早朝の荷物が配達されてくるまで、彼が一人で店に立っていることになる。普通は規定違反になってしまうのだが、幸い一人でも何とかなる客の入りという具合から、店長が人員削除をしたというのだ。
「レジ外れていいよ。もう四分くらいっしょ、着替えてタイムカード押す準備でもしてて。それに今日、人が少ないだろ?」
「ええ、零時を回ったらぱったりですよ」
「だよな。寒くなってるもんなぁ」
 そんな話をしてか深津はロッカールームに入った。タイムカードの時間は二分前。着替えをしていたら過ぎてしまう時間だ。
 制服から普段着に着替え、荷物を整頓して振り返ったら、時間は一分オーバー。
「よし、上がりっと」
 自分のタイムカードを押してから、元の位置にある壁に戻した。
「お疲れでした」
「おつかれー」
 たった五分程度だけ会話したバイトに挨拶をして、裏口からコンビニを出た。
 裏は従業員用の駐車スペースで、深津はそこに自転車を置いている。自転車で十分ほど行くと、深津の自宅であるマンションに辿り着く。
 駅から遠いのだが、自転車を使うとあっという間の距離で、マンションは一人暮らしには広く、安かった。広さと安さを取って、自転車通学を取ったのは、親の仕送りを気にしたからだ。
 リュックを背負い、手荷物を籠に入れて、いざペダルを漕ごうとした瞬間だった。
 あの黒のワゴン車に近づく人影があった。
(嫌なところに出くわせたな)
 心の中で嫌な予感を抱きながら、漕ぎ出すタイミングを逃す。
 黒のワゴン車に近づいた人は、助手席の窓ガラスを二回、コンコンと叩いた。すると、ワゴン車のウインドウが開き、その中の男が言った。
「どれ? 今日は葉っぱ、粉? 最新のBPもあるよ」
 すると近寄ってきた男が言った。
「粉。BPの新作は一本?」
「3m10で一本」
「じゃあそれも」
「三本ね」
 さっと男が札を出し、ワゴンの男がそれを受け取り小さな袋を男に渡した。
 深津はそれでやっと気付いた。
 男達は薬物の取り引きをしていたのだ。一本は一万円のことで、葉っぱは大麻、粉は覚醒剤。BPとは、最近流行っているセックスドラッグのことだ。
 そうした知識は、よくテレビやっていた操作番組で仕入れた知識であったが、本当に行われているのを見たことはなかった。
 これは見てはいけないものだったのだと気付いて、薬物を買った男が自分の車に乗り込んだところを見てから、深津は逃げるようにして、ペダルと扱いた。
 コンビニの裏から出るには、そのワゴンの近くを通っていかなければ車道に出られない。だから見てはいなかったという雰囲気を使って、裏から出て行ったのだったが、
相手には既に気付かれていた。
 ワゴンの後部座席のドアが横に開いたかと思ったら、そこから人が走り出てきたのだ。それは深津の側まで走ってきて、あっという間に深津に体当たりをして自転車ごと深津を地面に倒したのだ。
「……っ!!」
 いきなりのことで逃げることができず、深津はそのまま地面にたたきつけられた。受け身も取ることができずに地面に倒れると、すべての衝撃が体の中を走り抜ける。息もできないほどの痛みと衝撃が深津の体を襲い、無防備になったところで、ぶつかった男が深津を軽々と抱え上げた。
 すると、さっきまで止まっていたワゴン車と同じタイプの車が駐車場に入ってきて、男の側に横付けした。それと同時に後部座席が開いて、深津はあっという間にワゴンの中に連れ込まれた。
「……たっ!! 助けて!!」
 そう叫んだのだが、既にワゴンのドアは閉まっていて、声はその音でかき消された。
 外へ出ようとして動こうとした深津だが、中にいた男達にあっという間に押さえつけられた。男達は、深津の両腕を何かで縛り、床にある固定する金具で固定した。
「たすけて! 誰か!」
 必死に叫んだのだが、大きな音楽が鳴っていて、はっきり言って外まで聞こえているのかさえ怪しい。ズンズンとダンス音楽が鳴り、叫んでもその声がかき消される。
 深津は腕は床に固定をされて、自由にならない。足を振り上げたら、何かに当たったが、次の瞬間には足も両方とも一人ずつに押さえつけられた。
 車の中を始めてしっかりと見たのはその後で、車の中には男が三人、運転手や助手席の人間を加えたら五人は乗っていた。
「さっさとアレやれよ」
「どれにする? 即効性ならスプレー?」
「スプレーを使ってからチューブが楽だぜ」
「じゃ、まずスプレーな」
 男達は軽い口調で話し合い、深津が叫んでいる口に、小さなスプレーが付いたものを吹き掛けてきた。
「……ぐっごほっ」
 叫んだ後の口の中にスプレーをされ、息を吸った時にそれが入ってきたので深津は噎(む)せた。口の中には甘ったるい砂糖水のような味がして、それが一気に口内から喉の奥に通っていく。
 噎せている間に、男達が深津の服を切り裂いていく。シャツはナイフで一気に切られて、ズボンも下着ごと脱がされた。
「おお、可愛い乳首だな」
「ここにも塗ってやれ」
「お、いいな。舐めながらテンション上がっていくの楽しいんだよな」
 男達は口々にそう言いながら、チューブを出し、そこから出したモノを深津の乳首やペニス、さらにはアナルまでに塗ってきた。
 深津が抵抗しようとすると、男達は更にスプレーを使って深津の口に液体を拭きかける。
 深津は抵抗していたのだが、次第に体の変化を感じた。奥底から、熱い何かがわき上がってきて、思考回路を徐々に支配していく。
 深津の口は開いていたが叫び声が上がらず、荒い息が漏れてくる。
 まず乳首が熱くなった。そしてペニスが熱くなり、完全に起ち上がっている。ムズムズとした感覚が強くなり、どうしてもオナニーをしたくなって仕方がなかった。
「あっ……いやあ……あつい……でちゃう」
 勃起したペニスが射精をしたがっていることだけが頭の中を支配し始めて、深津はすっかり抵抗を忘れた。
 それはクスリを使われたから、そうなっているのであって本心ではない。だが、勃起した乳首やペニスが、強烈な刺激になって思考回路を狂わせている。
 男達がニヤニヤしながら、まず深津の乳首に触れた。
 塗り込んだモノを更に馴染ませるように乳輪を撫で、乳頭を指でゆっくりと撫でていく。
「……あっだめ……ちくび……だめぇっあっあっんぁっ」
 そう言いながらも深津は胸を差し出すように体が浮かび上がり、求めているように見えた。
 男達は深津の胸を掴むようにして人差し指で乳首を何度の往復して撫で回した。ぴんっと弾くように高速で乳首を弄られ、深津は自分でも信じられないほど甘い喘ぎ声を上げた。
「んあっああっひあーっ……ちくびっ、やだぁっ……あんっ、んっんーっ、んっあーっ」
「気持ちいいんだな。お前、可愛いな」
 乳首をまじまじと眺めながら、男達は深津の乳首を更に弄っていく。
「あ゛むりっだめっ、あんっあっあっあんっ」
 滑らかに動く指が乳首を更に勃起させ、完全に固くなった乳首を指で摘まんで乳を搾るように抓(つね)り上げた。
「お゛っああぁんっあひっ、あ゛っんっあぁんっ!!」
 男達が深津の乳首を捻り上げるのと同時に、深津はまだ何もされていないペニスから、精液を吹きだし射精をした。