R18novel短編

Butterfly-2

 夜にはゼミの人間達が十人ほどが到着し、宴会となった。
 用意した料理は、あっという間に消えてしまい、大羽は追加のつまみを作ることに専念した。
 まだ未成年である大羽は、できれば飲みたくはないと言ったので、料理を作る方へ役割を振ってくれたのだが、消費の多さから多忙になってきて、なるほどそういうことかと大羽は納得していた。
 買ってくるわけにもいかない距離にあるコンビニや店、夜中に行くわけにもいかないので、食料を大量に買い込み、作り込むことで持たせた方が安上がりなのだ。
 余り凝ったモノを作ると、面倒なので簡単に炒めたり、焼いたりしただけで出せるものを用意していると、そこに乙藤がやってきた。
「……あ……」
 大羽は一瞬、戸惑ったが、その時の乙藤の様子は少し真剣だった。
「ちょっと、隠れるところ、ない?」
「……えっと、テーブルの下とか?」
 乙藤の問いにテーブルクロスを掛けているが、椅子が全て、料理の材料の物置と化しているテーブルを指さしたら、乙藤は礼を言った。
「ありがと!」
 すぐにテーブルの下に潜り込んで隠れると、ちょうどドアが開いて幹事の先輩が入ってきた。
 ニヤリと笑っていた幹事の先輩の顔が、大羽と視線が合って、驚いた顔になった。
けれど、すぐに笑顔になると言った。
「わりぃな、大羽。でも料理、美味しいぜ」
 幹事の先輩がそう言って入ってきた。
 大羽はすぐに察した。
「あの、できた料理を運んでくれませんか? 持ちきれなくて……」
 大羽がそう言うと、幹事の先輩はハッとしたようにして笑った。
「お、おう。そうだな、よし運ぼう」
 そう言うと、二皿を持って台所を出て行く。
「すみません、もう少しここにいてください。料理を運んできますから」
 そう乙藤に言うと、大羽は同じように料理を運んでいき、酒のケースも運んだ。そしてその料理が今日の最後である事を告げて、空になった皿を持って台所に引きこもった。
 一応、鍵があったので台所に鍵を掛けてはいってくると、乙藤はそのまま待っていてくれて、テーブルの下から這い出てきた。
「あー助かった……ふう」
 乙藤はそう言うと、膝の埃を払い、大羽が自分用に置いてあった椅子に座った。
「どうしたんですか? 先輩と何か?」
 察してはいるが、違うかもしれないので乙藤に聞いた。
 理由を聞かれた乙藤は、少し溜め息を吐いてから言った。
「あー……うん、まあ。しくじったから自業自得なんだけど……」
 どうやら、昼間のことが関係していそうだ。
「ほら、昼にしてたじゃん。前からやりたいって誘われていてさ。でも、なんかしつこそうだし、避けてたんだけど……結局やったわけ。そしたら、俺のことを自分のモノだって思い込んじゃって……あちこちでやろうとしてくるわけ」
 そう乙藤が言ったので、大羽は溜め息を吐いて言った。
「自業自得ですね、本当に」
 そう冷たく言い放つと、乙藤は一瞬だけ傷ついた顔をしてから、苦笑した。
「だよな……はぁ、上手くやってきたつもりだったのになぁ」
「上手くできなかったから、そういう目に遭っているんです。俺が言えた義理ではないですが、これからは自重した方がいいんじゃないですか?」
 大羽はそう言った。
 誰彼構わず手を出していれば、いつかは幹事の先輩のように独占欲の強い相手にぶつかりもするだろう。それに大羽にしたようにちょっかいを出したりしていれば、勘違いをする輩は高確率で現れるだろう。
「とにかく、なるべく人と一緒にいた方がいいですよ。あの先輩、前の彼女をストーカーしていたって噂がある人ですから」
 幹事の先輩は、普段はいい人なのだが、執着を見せると酷い独占欲を発揮する人だった。普段の姿が善人なので、誰もなかなか信じようとはしないが、同じ小学校から知っている大羽は、先輩のしてきた事実をその目で見てきたので、厄介な人だということは知っている。
「マジで? うわーっ」
 まさかそんな人だとは思ってもいなかったようで、さすがの乙藤も厳しい顔をしている。
「なあ、ちょっと提案、いいか?」
 そう乙藤が言い出した。
「いやですよ」
 大羽はすぐにそう返した。
「聞く前に断るなよ」
「聞いても俺にメリットがない話なのは分かります」
 大羽はそう言いながら、洗い物を始める。溜まっている食器は山ほど持ってきたからだ。片付けていかないと、深夜までかかってしまう。
 冷たい大羽に乙藤は、苛立ったように大羽の後ろから抱きついた。
「お前……本当に……もうっ」
「ちょっと、やめてください……なにやって……」
 大羽が泡まみれの手で食器を持っていることをいいことに、乙藤は大羽に抱きついたまま、ズボンの前のファスナーを開けて、大羽のペニスを取り出している。
「いい加減に……」
「しないよっ」
 意地になった乙藤が、大羽のペニスをしっかりと手に持って扱き始める。
「んっくっん……!」
 持っていた食器を流しの桶の中に落とした。
「ふふっ……生理現象って怖いね、大羽……ふっやっぱり……立派なおちんぽだね……ふふ」
 背中で興奮したような乙藤の息遣いが聞こえる。
「なんだって……もう、こんなこと……ふっん」
 大羽は流しの縁を手で握って、乙藤の行為に耐えようとしているが、抵抗ができないでいた。
「何故って? そんなの決まってる。お前とセックスがしたいんだよ」
「ふ、ん……っ こりたんじゃないんですかっ」
「意地悪な大羽が悪い」
「俺は……っ こういう関係はっ、いやなんです……っ」
 大羽はそう言いながらも、乙藤の手管で、射精をしていた。
 流し台の壁に大羽の精液が飛び散り、それが垂れている。
「……はぁ……いい加減にしてください……っ」
 そう言った大羽は泣いていた。
 背中にくっついていた乙藤は、まさかと思い、大羽から離れる。
 振り返った大羽は、涙を流しながら言った。
「あんた、最低だ……」
 大羽はそう言うと、ズボンの中にペニスを仕舞い、そのまま台所の裏口から外へと飛び出していった。
 まさか、泣かれるとは思わなかった乙藤は呆気にとられた後。
「あ、大羽っ! 待って!」
 飛び出した大羽の後を追って裏口から出た。