R18novel短編

廃園の庭-2

「あーあ、その花、人間の躰を麻痺させる毒があるから、ジャムにするって言っても、花じゃなくて葉っぱの方だけなんだよね」
「……は?……え?……」
「まあ、麻痺って言っても、足や手が痺れて動かなくなるだけで喋れるし、思考回路もあるんだよ。何というか、躰の自由だけ効かなくなるから、あっちの国では、レイプするのに食べ物に混ぜたりなんかするんだって」
 蜂屋がそう言って、クスリと笑っている。
「まさか、自分から花を食べてくれるとは思わなかった。……安久津くん、迂闊だよ。無邪気な姿を晒すから、悪い男に食べられちゃうね」
 蜂屋はそう言うと、安久津を抱え上げ、花の木の奥へと進んでいく。緑を抜けるとそこには、あの白い花の木が十本ほど生えた空間に出た。外から見た温室がいやに広かったのだが、外側が池の出っ張りのようなところに立っていたので、外からは見ることができない所だった。
 温室はすっかり外の雨や風、埃によって窓ガラスとしての透明さはなくなっており、磨りガラスのようになっている。
 それでも光は十分届くので、植物がちゃんと育っている。
 その対面に微かに見えるのは、高速道路の上がり口で公園の端っこである。見栄えとしては、ここから公園の中心を見ると、緑の奥に大きなマンションなどが幻想的に見える場所である。
つまり、この場所にいても誰にも見つかることはないのだ。
 蜂屋は慣れた手つきで、部屋の中央にある床に敷いているラグに安久津を下ろした。
「この温室はね。私の持ち物なんだ。公園のエリアにはあるけど、朽ちたせいで公園を管理している都は買ってくれないんだ。解体費もかかるから、解体をしたら土地を買ってやるって言われた。だから朽ちるままにしてやってたけど、最近、この花が面白くてね」
 蜂屋はそう言いながら、安久津の躰を完全に支配するように、何度も安久津の口の中に花を潰した汁を入れ続ける。
「麻酔みたいな麻痺っていうのかな。私には何故か効かないんだけど、他の人はたまに食べて倒れちゃうんだよね。でも三十分くらいで元に戻るから、食べた人が幽霊に取り憑かれた〜なんて思うらしいよ。危ないから、こっちの個室で管理し始めたんだけど、面白くって、ちょっと作用を研究していたんだ」
 信じられないことを蜂屋が明かしていく。
 蜂屋は知っていて、安久津にそれを食しても大丈夫だと、嘘を吐いたのだ。
「……なぜ?」
 確かに喋ることはできた。だが、躰が鉄になったかのように重くて動かせない。下手に思考回路が正常なので、恐怖だけが溜まっていく。同じ症状になった人が怖くて。霊に取り憑かれたと思うのも理解ができた。
「君がここに来始めたのは知ってたよ。皆、監視カメラが設置されていることには気付かないもんでね。ずーっと見ていたよ。君だけだった。花を大事にして、触れることも、手折ったりして持っていくこともせず、眺めるだけにしてくれたのは……」
蜂屋がそう言って笑う。
「……だって、そうする必要がなかっただけ……」
 安久津がそう答えると、蜂屋は頷いた。
「でもね、皆、興味があるわけじゃないのに、可愛い綺麗って言って、簡単に他人のものを手折るんだよ。手折ってしまったら、三日と持たないのに」
「……でも……悪気があったわけじゃ……」
「そうだね。悪いなんて一ミリも思ってやしないんだよ。君のように、描いたり写真を撮ったりするだけなら、私も許したよ」
「……え?」
「この建物に人が入ってこないのは、周辺住民なら皆知っているからさ。入った人間が皆、不法侵入の上に窃盗をして捕まっていることをね」
 どうやら蜂屋は、監視カメラに写った侵入者を全て特定して、警察に通報し、逮捕させていたらしい。もちろん、悪気があったわけではないし、窃盗とはいえ、花を手折っただけである。どう頑張っても、書類送検、窃盗に関しては不起訴になりそうな事案である。
それでも肝試しにくる人間は減る。さすがに書類送検され、不法侵入の前科が確実に付くとなれば、そういう人間の間で噂にはなるからだ。
 だから、かなり減った侵入者の中に、安久津だけが昼間に訪れる変わった人として、蜂屋に監視されていたわけだ。
 当然座って何かを広げ、一日中座っているだけで、花には触れもしない。そんな人間が何をしているのか、蜂屋も気になったから、今日こうして出てきたらしい。
「……俺も、悪いことをしました……少しならいいって……」
 蜂屋を怒らせてしまったのだと、安久津は思った。
 不法侵入をした人達と同じである。ただ窃盗だけはしなかった。それだけの違いだ。入ってはいけない場所だと分かっていたのに、入ったことは言い訳ができない。
 そんな安久津に蜂屋は笑うのだ。
「入場料、貰おうかな」
「……え?」
「お金じゃないよ。お金は持っているからね。だから……」
 蜂屋はそう言うと、安久津の服を脱がしに掛かった。
「……あの……?」
「躰で払って……君のこの躰で」
「え!?」
 さすがに安久津は驚いた声を出して、逃げようとした。だが躰は全くいうことを利かず、親指の先がピクリと動くだけであった。
「だから、迂闊だって言ったよ。……こうして私のように悪い男に、この躰を蹂躙されるのだから」
「……や……やめ……」
 安久津がそう叫ぶも、蜂屋は一切、気にした様子もなく、安久津の服を丁寧に脱がしていく。着ていたシャツを脱がし、ズボンや下着もはぎ取っていく。
 全裸にされた安久津はラグの上に再度寝かされた。
 周りはまだお昼過ぎ、外は晴れていて、太陽の光が燦々と降り注いでいる。一応は建物の中であるが、野外にいるのとそう感覚は変わらなかった。
「……っ!」
 恥ずかしい。そう感じても躰は動いてはくれない。でも触られている感覚はしっかりあった。
「こうやってね、両方やると、感覚が繋がるんだよ」
 蜂屋がそう言い、安久津の乳首を片方で摘まみ、もう片方の手でペニスを握った。
「んっ……やっ」
最初のうちは、乳首には何も感じない。ペニスの方が気になった。
 扱かれ始めると、躰の奥が熱く感じてきて、オナニーをしているような気分になってくる。だが、それは他人の手で行われていて、自分ではない。
「ん、……はぁっ……やっ……やだ……」
 本気で嫌だと最初こそ抵抗するように、声に出した。けれど、蜂屋は慣れたように安久津のペニスを扱き、段々と安久津のペニスが反り起ってくる。
「はぁっ……はぁっ……やだ……あっやだっ」
駄目だと分かっているのに、ペニスは勝手に快楽を得ようとしてくる。生理現象だから仕方がないと分かっていても、熱を帯びてくるのはそれだけではないことが、悔しがった。
「あっああッ……んっ、ふっ、あッ、んっんっ……はぁっ、んぅっ……」
 やがてさらなる変化が訪れた。安久津のペニスが気持ちがいいと感じて勃起したように、それに連動するかのように、何も感じないはずの乳首がペニスと直結したかのように何かを感じ始めた。
「やっああっ、そこっ……だめ、あっあっあっああっ」
 嬌声が漏れ始めると、蜂屋は機嫌が良さそうに微笑んだ。
「乳首が感じ出しだんだね。そうだよ、これが気持ちがいいってこと。こっちも舐めてあげるね」
 蜂屋はそう言うと、舌でもう片方の乳首を舐め始めた。
 ペニスを扱かれ、乳首を片方は抓られ、片方が蜂屋の舌で舐められる。それが初めての経験でも、十分以上もされ続ければ感覚が生まれる。
それは快楽の方への感覚で、安久津は初めて感じる快楽に戸惑った。
「ああぁっ! んっ、はっあっあっ、ちくびっだめっ……あっあぁんっ」
「何が駄目だの、気持ちいいっていうんだよ」
「ひああっ、もっ、ちくび……だめぇっ……おちんちん……だめっあっああっ……」
一気に攻められて、安久津は嬌声を上げ続けた。
 自由にならない躰なのに、快楽は得られる。
 蜂屋が言っていたように、躰の動きを麻痺させ、レイプに使うというのは本当のことなのだろう。実際、安久津はそれで襲われている。
「ひあっ、あっあっ、あっふあっあ゛あーっ……」
「……乳首がビンビンになってるよ。恥ずかしくないの?」
「もう……やっあッあんっあんっあぁーっ……」
「やらしい……。乳首とおちんぽ気持ちいい? 正直に言って、嘘はいやだよ?」
 そう言いながら蜂屋は、安久津のペニスを一層強く扱き、更に乳首に噛みついた。
「あぁっいいっ……きもちいっ、乳首も、ちんぽもぬるぬるで、感じるっ、いいっ……ああんっ、あっあっんんっ、ああぁっ」
 もう耐えられなかった。
 気持ちいいものはいいのだ。そう正直に言わないと、イカせて貰えないかもしれない。その方が辛かった。
「淫乱……なんだね。でも私はそういう子が好きだよ」
 安久津のペニスは先走りが漏れていた。蜂屋はその先走りのぬめりを借りて、更にペニスを扱き、亀頭を親指で撫でてやる。
「ちがっ……ぁんっらめっあっ、ぁんっ、あっ、あっ、あっ」
「嘘つきは嫌いだよ。淫乱なんだよ君は……知らない男に乳首を摘ままれ、舐められ、ペニスを扱かれて、絶頂して射精しちゃう子なんだよ。そういうのを淫乱っていうんだよ。覚えなさい、君は淫乱だっ!」
「ああぁっ…ひあっ…あッ、乳首っもっ……おんぽもっおかしくなっちゃったからぁっ…あっあっい、いくっぅあぁあああ――――――んっ!!」
 動かない躰が一瞬だけぴくんと跳ね、安久津は絶頂を迎えた。
 蜂屋はそれに合わせて、乳首を強く噛み、摘まみ上げた。射精をすると同時に合わせて、乳首も絶頂になるように仕込んでいるのだ。
「い゛っああっ、ひっあっああーっ…」
 乳首を一緒に噛まれ摘ままれたことによって、安久津は二度イキをした。絶頂を迎えたタイミングで、更に絶頂をさせられたのだ。
 安久津のペニスからは、大量の精液が溢れ出て、安久津の腹部を濡らした。