R18novel短編

計画的犯行-1


 佐嶋はその日、出張でいつも泊まるホテルに宿泊していた。
 週に一回は出張がある仕事であるが、佐嶋はやりがいを感じていた。この仕事は好きだったし、忙しいが充実感は高かった。その出張の第一の問題点は、ホテルである。
 このホテルが気に入るか気に入らないかで、佐嶋の出張中の機嫌は決まる。今日のホテルはいつものホテルで、一年ほど毎週泊まっているホテルである。
 なるべくこのホテルを取るようにしているが、連休などが重なっていると取れなくなる。
 そんな日だった。連休中にも関わらず、ホテルの予約が取れたのだが、いざ行ってみると、なんとダブルブッキングであった。
「も、申し訳ありません。すぐに別の部屋をご用意致します」
 既に佐嶋と同じ部屋を予約した人間は、チェックインをしていて、佐嶋の方が部屋替えをされることになった。
 とはいえ、満室になっているホテルである。
 これは他のホテルに回される可能性がある。
 佐嶋は少し嫌な気分になる。
 今日の仕事でも新人がポカをやらかし、残業をしてきたばかりだ。
 本当なら、佐嶋の方が先にチェックインできていた可能性が高かっただけに、新人のポカに更に苛ついた。
 従業員は、ホテルの支配人代理を呼び説明をしている。
 その代理人とは顔なじみだった。週一回は泊まっている常連の客である佐嶋に代理人の仙野は、よく声を掛けてくれた。
「申し訳ございません、佐嶋様。こちらの手配ミスによるお部屋の確保ができていなかった問題ですが。スイートの方をご用意させていただきます」
「スイートを?」
「代金の方は、ご予約された部屋の代金で構いません。こちらのミスが原因でございますが、お部屋の移動という形で、お泊まりになれますが」
 どうやら、スイートなどの部屋は緊急時のために空けて置いたりすることがあると聞いた。金持ちが急に泊まりに来ることもある。安い部屋ではないので、たまたま空いていただけかもしれないが、普段泊まることもない部屋である。
「代金が同じなら、そこでお願いします。寝られればいいので」
「ご理解頂けてありがとうございます。それではお部屋にご案内致します」
 仙野は淀みなく従業員のミスをカバーして、佐嶋は何の文句言わずに、仙野の後に続いた。
 エレベーターはスイートなどの直通になる専用エレベーターで、そこに仙野と乗り込む。仙野が三十五階のボタンを押した。
 通常、三十階以上はスイートなどがあり、受付も三十階に専用受付がある。佐嶋は利用したことはないが、噂では聞いたことがある。
「ミスなんて、らしくないな」
 佐嶋はそう仙野に向かって言った。
「私がミスをするとでも?」
 仙野はそう言って、佐嶋を振り返る。
 済ました顔をしていた支配人代理は、ニヤリとした顔をしている。
「お前……まさかわざと……」
「こういう手は一度しか使えませんけどね」
 仙野はそう言いながら、佐嶋に近づくと、唇に噛みつくようにキスをした。
「……ふっカメラ……っ」
「今日はメンテナンスで、三十分前から一時間後までカメラは停止しています。だからこういうことも……」
 仙野はそう言うと、佐嶋の股間を手で撫でてくる。
「あっ……やっ」
 佐嶋は既に勃起し始めている。
「期待でここも待ちきれない様子ですね。もう少しお待ち下さい」
 佐嶋の様子に満足したように仙野は言い、佐嶋の股間を数回撫でてから、すっと手を離した。ちょうどエレベーターが到着し、チーンと音がしてドアが開く。
 仙野が先に出て、ドアを押さえているところを佐嶋が通ってエレベーターを降りる。その通りすがりに首筋にキスをされた。
「……あっ……お前っ」
 さっきから悪戯し放題である仙野に、佐嶋は睨み付けて抗議する。
 二人の関係を知られるのは構わないが、仙野の仕事中に客といちゃついているという理由で仙野が降格されたり、首になったりしたら、さすがに佐嶋も責任を感じる。
 仙野はニヤリとしたまま、三十五階の突き当たりにあるスイートの部屋に案内をしてくれた。
「飲み物は今日はサービス致しますので、冷蔵庫内のものはお好きに飲んで下さい。お食事は?」
「おにぎり摘まんできた」
「それでは、チャーハンをご用意させます。代金はこちら持ちとなりますのでご安心下さい」
「そういうのはいいから、仙野。何時まで?」
 淡々と仕事の内容を話していく仙野に、佐嶋は少し怒ったように聞く。
そんな佐嶋に仙野は笑ってから、佐嶋の唇にキスをしてから言った。
「二十四時、上がりです。あと二十分ほどです」
「ん……早く、これ頂戴、ね?」
 仙野の股間に佐嶋は手を当てて、それを揉む。しかし仙野はそれに動じた様子はなく、すっと佐嶋のズボンのベルトに手を掛けて外してしまうと、一気に下着まで下ろした。
「……仙野? わっ!」
 仙野は下半身がむき出しになった佐嶋をベッドに俯せにして、アナルに小さな注射器を挿し、中身を入れた。
「仙野っやっなに?」
 仙野はそうした佐嶋のアナルに、ピンクのローターをプツリと入れた。それは一つではなく、三つほどだ。
「あっ……ん……」
 佐嶋はそれを受け入れたが、恨めしそうに仙野を睨んだ。
「そのまま三十分ほどお待ち下さい。絶対に出したら駄目ですよ」
 仙野は涼しい顔をして、そう言うと部屋を出て行った。
 そのとたん、ローターにスイッチが入って、三つのローターが振動をし、内壁を蠢かせてくる。
「ひぁっ……あああっ、あんっ、うぁ、あっあっ」
アナルの中で動き回るローターに翻弄され、佐嶋はベッドから起き上がれず、ベッドの上で乱れる。
「あぁんっ……きもちぃっ……あうっ、ん、はぁっ、あっあっ……」
 この感覚は慣れていた。仙野は絶倫のくせに、道具を使って佐嶋が乱れるのを見るのが好きだった。さすがに入れたまま仕事というようなことはないのだが、こうやって、佐嶋は仕事を離れると、平気で自分が仕事中でも、仙野はちょっかいをかけてくる。
「ぁんっ……ひん! ふぁあっあっあっ、あっ!」
 ローターの三つの振動が全て微妙に違うせいで、中でローター同士がぶつかって、内壁を擦り上げてくる。
 たった三十分が、気が遠くなるほど遅く感じ、佐嶋はローターを外に出さないように必死に耐えた。
 前にローターを我慢仕切れずに出してしまった時は、仙野は一回も佐嶋にペニスを入れてくれなかったことがあった。おもちゃは散々してくれたのに、本物はくれなかったことが、本当に悔しかったのを思い出す。
 佐嶋はベッドでのたうち回りながら、
「あ゛ああぁーっ……あひっ、あ゛っいっあ゛っんっだめっ、あぁあっ」
 ペニスがいつの間にか勃起をして、先走りが潮を吹くようにピューピューと精液を出している。
 もはや時計を見るという行動さえもできないでいると、いつの間にか、仙野が部屋に入ってきていた。
 普段着のスーツを着ている。制服だったさっきとは違う格好で、仕事が終わったことを佐嶋は知る。