R18novel短編

専用ペット-2

「あー、見つかっちゃった。目敏いね……先生」
「なんだこれは?」
「これだけじゃないよ、まだまだある」
 そう言った藤坂は、本棚の中からいくつかのノートのようなモノを取り出して開いた。
「ほら、これ、一年前の先生の写真。ちょうど今頃。たまたま塾の見学に行った時に見かけて、それからずっと先生のこと見てた。写真はプロに任せたけど、ほら一杯あるよ」
 悪気もなく言い放つ藤坂に、奥島は驚愕して何も言えない。
「……何が、目的なんだ……?」
 こうまでして奥島を見つめ続ける理由。そんなものは奥島が望んでいる答えでは決してない。それは分かっているが、聞くしかなかった。
「先生に一目惚れした。ずっと好きだった。だから叔父さんにお願いして、手に届くところまで来て貰った」
「……手に届く?」
「この家に連れ込んで、先生とセックスすること」
 藤坂がニヤリと笑ってそう言った。
 その瞬間、奥島は走り出していた。藤坂が入り口にいたが、押しのけて階段を下りた。そして玄関まで走り、ドアを開こうとした。
 しかし、鍵が掛かっているように、ドアが開かない。
「なんでっ……鍵っなんで!?」
 鍵がかかっているのかと思って鍵を回すが、引っかかるような感覚や鍵が外れる感覚が一切なく、クルクルと回るだけだ。
「開かないよ? その鍵、鍵の役割してないから」
 階段から藤坂が降りてくる。
 その恐怖に、奥島はリビングに入った。
 リビングには大きな窓があり、そこに走りよりドアを開けようとしたが、その窓ははめ殺しだった。一枚ガラスで、ドアが開くところがない。
「ざーんねん、はめ殺しだから開かないよ」
 そう言われて奥島は、ダイニングにある椅子を持ち出した。
 ガラスなら割れば出られる。そう思って椅子を持ち上げて振り下ろした。
 しかし、それはガンと鈍い音はしたが、ガラスは割れる様子はなかった。何度も振り下ろしたがそれは変わらず、傷はついていない。
「防弾……」
「水族館とかで使われてるガラスだよ。そう簡単には割れないやつ。残念でした」
 そう藤坂が言った。
 奥島は藤坂に向かって椅子を投げつけ、台所の裏口に走った。ゴミを捨てたりするのにある裏口のドア。それを握ろうとした時にそのドアにノブがないことに気付いた。
「えっ!」
「ごめんね、そこのドア。使わないから潰したんだ」
 藤坂がそう言う。
 逃げる場所のドアや窓が悉(ことごと)く、普通と違うようにされている。
 そこで奥島はハッとした。
「まさか……中から開くドア全部を、開かないようにしてあるのかっ」
「正解。実例三つで正解に導くなんて、先生、応用力があるね」
「ふざけるな! こんなことして何になる!」
 そう奥島は叫んだ。それも声が枯れそうなほど大きな声で。しかし藤坂は笑顔で言った。
「家もね、防音なんだ。最近は防火防音って言って、中でピアノを弾いたり、大音量で音を鳴らして、全然漏れないようにできてるんだよ」
 得意げに言われ、奥島は唯一逃げられる方法を実行しようとした。
 廊下に走り出て、途中にあるドアを開けた。そこはトイレだったが、普通の一般家庭のトイレよりは広く、化粧スペースがあるトイレだ。
 そこに入り込み、ドアに中から鍵を掛ける。
 外へ出られないなら、触れないところへ逃げればいいと思ったのだ。
「先生、開けて」
「嫌だ! ……ふっくっ」
 叫んだのだが、なんだか躰の様子がおかしい。何か盛られたかもしれない。
「もう、仕方ないなあ」
 そうすると、トイレの中にもう一つドアがあるのに気付いた。慌ててそっちの鍵も掛けたが、鍵は意味がなかった。ドアの外でゴーンカーンと金属を打ち付けるような音と振動が響いてきた。
「……なにっ!」
 すると、押し開くドアが、ドアごと外れてどけられている。
 ドアを横に退けたところから、藤坂が入ってくる。
「先生、案外考えるんだね。トレイは盲点だったよ。そっちからのドアだけだったら、開けられなかったから、焦った」
 藤坂はもう一つのドアの蝶番を外し、ドアを物理的に外して入ってきたのだ。
「くっふっ……」
 躰が熱くなってきて、奥島は焦った。
「やっと効いてきたんだ。効かないのかと思ったよ」
「何、入れた? ふっくっ」
「BPっていう、セックスドラッグ。本当か嘘か知らないけど、快楽で脳天突き抜けるくらいに良くなれるセックスに使う薬だよ。まだ合法スレスレで、道で売ってる合法ドラッグ」
「くっそっ……なんだってこんなこと……」
「先生を抱きたくて仕方がないから」
「……嫌だ」
「そう言うって分かってたから、ここまでやった。先生はこの屋敷から出ることはできないよ。ここ以外、全部改造がしてあるんだ。先生を閉じ込めるために、いろいろしたからね」
「……なんで……おれなんだ……」
 奥島はそう言っていた。
 何故、俺だったんだ? 何故、こんなことに……? どう考えても理由が分からない。藤坂のことを嫌がっていたことは本人だって知っているはずだ。
「だって、今日、来てくれた」
「……っ」
「本当に嫌われていたら、先生は来なかった。少しでもメリットがあるから来たんでしょ? 一目惚れだけど、授業を妨害しても、先生は嫌な顔はしたけど、俺のことを本気で嫌ってなかった。それが嬉しかった」
「……今はこの世で一番嫌いだよ……んう」
「知ってる。だから、これ以上嫌われようがないってことでしょ?」
 そう藤坂が言って、おもちゃのピストルのようなものを出した。
「ごめんね、先生、案外しぶといから」
 そう言うと藤坂はそれを使った。発射されたのは、四角い先端で、それが奥島の肩に当たった瞬間だった。びりっとした感覚に全身が震え、躰がその場に崩れるように倒れた。
「こうしないと、駄目そうだし」
 警察が犯人逮捕に使う、拳銃型のスタンガンだった。
 崩れて倒れた奥島を少し引き摺るようにして、藤坂は肩に担いでトイレからリビングに運んだ。
 リビングのラグに奥島を寝かせると、藤坂はもう一度、奥島の首筋にスタンガンを当てて、もう一度動けなくされた。
「……ひっいっ……あ……あーっ」
 そのスタンガンの衝撃に、おかしくなっていた躰が反応し、奥島は尿を漏らしていた。
「漏らしちゃったんだ、先生。スタンガンで気持ち良くなっちゃったんだ? 仕方ないなあ」
 奥島は躰がいうことを利かず、おかしいのは分かっていた。
「おまえが……っ したっことだっ!」
 痺れたままでも口は動いてくれた。
「そうだね。俺がしたこと。で、これから俺がすることで、先生はみっともない痴態を晒すことになるんだよ」
 藤坂がそう言って、奥島の服を脱がし始めた。

 抵抗は空しく、奥島は全裸にされた。
 藤坂は奥島の躰を隅から隅までじっくりと観察し、手で撫でていく。
「やぁっ……見るなっ、みる、んっ、ぁんっ、触るなっやめっあっはぁあっ」
 奥島は触られて気持ちが悪いはずなのに、何故か気持ちがいいと感じる。その奇妙な感覚に躰と頭の思考の違いに戸惑った。
「やぁあああっ! あっ、あぁっ、だめっ、そこっんあ、やっやめっろっあんっ」
口から否定と同じく嬌声が漏れる。
藤坂は奥島の躰にのし掛かり、首筋から鎖骨、そして胸、乳首と舌を移動させてくる。
「やだっ……ぁあっ、はぁっ、やっ……」
 首を振ってやめてくれと懇願しても、ここまで用意した藤坂が止めてくれるとは思えない。
「先生の乳首……んふ、美味しい……っ」
 藤坂はそう言いながら乳首を舐めて噛んでくる。その感じたことがない感覚なのに、躰がそれを快楽だと認識していく。これは薬のせいだった。
 けれど、それが分からない奥島は、自分がおかしいのではないかと思い、抵抗できない自分がおかしいと思ってしまう。
「あぁん…! やっ、やだっあっあっ、やめっんんっ、やだぁっあっんっあぁっ」
 ちゅちゅっと音を立てて吸い上げられ、奥島の躰はビクビクと震えていく。
「やっちくびやらぁっ……あっあんっあんあんっ!」
「先生……っ ちゃんと勃起してる……俺の舌で勃起して……ふふ」
 藤坂がそう言って、奥島のペニスを指で扱いた。
「あひっやだっ……あんっあんあん……やめっやめてっあぁんっんっあぁーっ!」
 乳首を舐め回されながら、ペニスを扱かれるという快楽を与えられ、奥島は腰が抜けそうなほど感じた。抵抗は、弱い力で藤坂の頭を押したり、手を退けようとしたりするのだが、それが何の効果もなかった。
「乳首舐められて……おちんぽ扱かれて、イッて先生っん」
 奥島は藤坂に乳首を噛まれ、ペニスを扱き上げられて、絶頂を迎えた。
「あっあひっあひっやっああっあぁっもっらめっ……んああ――――――っ!!」
 脳天を突き抜ける快楽が襲ってきて、奥島の躰が跳ね上がる。