R18novel短編

全ては気分次第-1

 真柄和志(まがら かずし)は、その日、友人の八向と二人で温泉に出かけた。
「おおー、いい景色。雪山が見えるんだな!」
 和志は、部屋から見える山を見つめ、気分爽快というように窓を開けて言った。
 その温泉は、数人しか宿泊ができない秘境で、予約は二年先まで埋まっている穴場である。そんなところに宿泊、しかも男二人でできたのは、友人八向の両親のお陰だ。
 たまたま両親がこの予約を取ったところ、予約のミスで旅行日に取れていないことが分かった。温泉側は、特別に温泉宿の休日に当たる日に、わざわざ予約を入れ直してくれたのだが、その前日になって両親の知り合いが亡くなり、葬式が入ってしまった。当然旅行はいけないが、予約を取り消すのも前日では料金も全額負担になるため、息子の八向に話が回ってきた。
 しかし、翌日に急に旅行に出られる友人はそう多くはない。その中で、和志は温泉やお風呂が大好きで、絶対に行くと決め、バイトのシフトを別のバイトに変わって貰い、翌日を開けた。
 そうして飛び出すように東京から静岡の温泉秘境にやってきたわけだ。
 山奥にある温泉は、地元の鄙びた路線から更に温泉宿が用意したマイクロバスで一時間も山深く入ったところにある。
「こんなところ、二度と泊まれないぞ。早くても二年後だしな。やーほんと来て良かった」
 和志がそう言うと、八向はさっそく風呂に入る準備をしている。
「あ、真柄(まがら)は露天風呂にいくのか?」
「お前は内風呂なんだろ? せっかくの温泉なのに……勿体ない」
「や、俺、苦手だから、知らない人がいるのがどうしても……」
 八向は、温泉には行きたくなかったのだが、親に押しつけられて仕方なく来ただけである。しかし温泉の感想を言わなければならないので、できれば温泉が大好きな人と一緒に行くことを望んだので、和志が選ばれた。
 しかし、八向とは大学の講義やゼミが一緒なだけで、そこまで親しいわけではない。なので、八向は和志と一緒に入るのは、勘弁してくれと言ったのだ。
 この温泉には、部屋に個室の温泉が付いている。もちろん和志はそこにも入る予定であるが、まずは明るいうちに外風呂に行ってくるつもりだ。
 ここには、自然の中にある温泉や、普通の宿の温泉、個室温泉といろいろとある。なのに、今日の客は二組だけで、和志達以外には一組だけだ。
 元々五組くらいしか予約できない上に、休日を解放してダブルブッキングをした和志達と、お得意様の一組だけ。
 部屋も端と端に分けられているようで、廊下を歩いていても会わない。従業員にも用事がなければ会わない徹底ぶりで、食事は夜十八時、朝は八時半。用事があれば受付。という風に、従業員が表をうろうろしない。
 秘境中の秘境なので、従業員が四人くらいしかいないらしい。
 周りにも民家はないので、休館日は女将達も街にある実家に帰るらしい。
 そういうわけで、周りには山しかないのだが、気温が少し下がってきた秋の紅葉を見ながら温泉に浸かる権利を放棄する気は和志にはなかった。
「じゃ、俺、外の温泉に行ってくる〜」
 三時に着いて、すぐに部屋に入ってから、十分もしないうちに和志は部屋を飛び出した。
 上機嫌で看板を見ながら裏口から外へと出る。少し歩いて行くと、川に降りる階段があった。そこから見ると、十メートル下の川の端に、温泉が見えた。
 階段に注意をして下まで降り、簡易に用意された脱衣所で服を脱いで温泉に入る。
 躰を洗ってからお湯に入ると、川の水が入っているのに、お湯がいい感じになっていた。逆上せない程度のお湯の熱さで、和志は、そのまま川の方を向いて、山を見ていた。
 紅葉が綺麗で見惚れていると、誰かがやってきた。
 ビクッとしたところ、相手は三十近いくらいの年齢の男性だ。鍛えた体は腹筋が割れている上に、腕なども筋肉が盛り上がっている。ジム通いが趣味と言われたら納得するような体作りをしている。
 堂々としていて、下半身も隠してはいなかったが、和志は少しだけ、大きなペニスだなあと思った程度だった。
 相手は和志と目が合うと会釈をしたので、和志も会釈をしたが声はかけなかった。
 多分、もう一組の客の一人だ。そうとしか思えない。だが親しくするような温泉宿ではないので、声を掛けないのがルールだと和志は思った。
 出るタイミングを逃したので、そのまま和志はお風呂に入り続けたのだが、相手も気にすることなくお湯に浸かり始めた。
 なるべく相手を見ないように、お湯に浸かっていたが、ふと気付いたら、相手が和志のすぐ側にいることに気付いた。
「……わっ」
 びっくりして思わず中腰で逃げようとすると、相手は和志の腕を掴んで、いきなり引き寄せてきた。
「……えっえっ? えええ?」
 相手にぶつかると目を瞑った。しかし、相手には確かにぶつかったが、痛くはなかったのでハッと目を開けると、相手の男の膝に和志が座っている形になっていた。
「ちょっと……あんた、何……ん?」
 引っ張った相手に文句を言おうとしたら、後ろから抱きついた男の手が、和志のペニスを握ってきたのだ。
「ちょっ……! 何してんだっあんたっんぁあやっだっ」
 和志は逃げようとするのだが、ペニスを握られていると、迂闊に行動ができない。潰されるのではないかと思うと、怖いのである。
 そんな怯えた和志の態度をいいことに、男は和志の首筋に唇を這わせて舌で舐めてくる。
「ひぁっ! んっ、ぁあんっやめ……っ なんでっ……んっあぁ」
 男は和志のペニスをニギニギと刺激しながら、空いた手で和志の乳首を捏ね回し始めたのだ。
「ひぃあぁっ! やっ、ちくびぃっ、ぁんっあぁんっやっなんでっ……おしりっ当たってる……っやっあぁっ」
 男が和志の尻の割れ目にペニスを押し当てて、腰を揺らしている。
「あああっ、やらぁっ、なんでっ、あっ、ひぁんっ」
どうしようと和志は思った。
ペニスを握られている以上、激しい抵抗ができない。けれど、このまま甘んじて、男の手を許すのはいけないと思う。けれども気持ちが良くなってきて、どうしようもなかった。
「ふぁあんっ、もっ、らめぇ……んあっ……」
 抵抗らしい抵抗をしないままでいると、男は和志のペニスを素早く扱き始めた。
「ああああーっ! ひあっ、あんっ、ああっ、あああんっ」
 なんとか中腰で逃げようとしていた足が力を失い、がくりと男の膝の上に全身を預ける形で倒れた。男はそれを受け止め、がっしりと腕を回して、和志のアナルに手を伸ばして、指をプツリと入れた。
「あああっ、やだぁっゆびぃっ、なんでっはいっるっ、あっ、ひぁんっごりごりしないでっあぁん」
 アナルに入った指はクネクネと動き、出たり入ったりと繰り返している。
「ひあんっ! あっ、そこはっだめっ……おゆっはいって……いやんっ」
 アナルに指を入れられ躰を硬くしても、ペニスをいいように扱かれて、躰の力が抜ける。するとアナルの指が内壁を擦り上げてきて、どうしようなく、腰が抜けそうになる。
 排泄物を出すところに入っている指が増えて、二本になると和志は知らずに躰の力を抜いて、それに合わせて腰を動かし始めていた。
 男は手を動かしながらも、和志の耳などを舌で舐め、耳の中まで犯してくる。
 ピシャピシャと粘った液体の音が耳に響いてきて、だんだんといやらしい気分になってくる。
「ひあぁ……っああっ、ああぁっ、らめえっ、いくぅの、いくからぁっ、もっ、ゴリゴリってしちゃらめぇっ」
 和志の勃起したペニスが、射精をしたがっている。しかしビクビクと震えるペニスを男は急にギュッと握ってきた。