君のさえずり

 秋野はストリートミュージシャンをしている。
 ギターを片手に、道ばたで歌うのだ。そして通りすがりの客から投げ銭を貰って生活の足しにしている。とはいえ、その投げ銭で貰ったお金はそれ専用の貯金通帳に入れて、その残高を眺めては、心の支えにしている。
 人が多い場所で歌っても、雑踏に消える声なのか、あまり立ち止まってはくれないが、人通りがあまりないがストリートミュージシャンを聞きに来る趣味がある人たちがいるところでは、割と多めに投げ銭を貰える。
 悩みどころなのは大勢の人に認識してもらうように人の多いところに行くか、それとも投げ銭が多く貰える場所でやるかの二択がいつも迫っていた。
 売れたいなら大勢の人に認識して貰わないといけないのだが、そこでは個性が合わないのか、あまり人気もない。けれど、投げ銭が多く貰えるところでは名前も売れてきて、固定のファンも付いている。
 だから売れる売れないにしろ、ファンがいるところだと心地が良く歌えた。
 秋野は毎日散々悩んでは、ファンがいるところに行って歌った。
 普段秋野は会社員をしている。副業もオッケーなところで、業務は九時五時だった。事務の雑用をこなし、電話や取り次ぎなどの仕事もしている。
 最近は社長のお供もするようになってきて、仕事の方も順調だった。
 だからそろそろストリートで歌うのは、辞めようと思い始めていた。
 プロになる気もないまま、ずるずると続けてきて、未練があるままであるが、何度かスカウトらしい人が来てたりもしたが、秋野が選ばれることはなかった。
 同じ場所でストリートミュージシャンをしていた人がプロになり、売れてテレビに引っ張りだこなのを見て潮時を感じた。
 趣味で続けるならそれもいいだろうが、プロを目指す気もないまま続けてもわざわざ見に来てくれるファンにも申し訳が立たない気がした。
 悩んで半年、最近は辞める方で気持ちが傾いている。だからなのか、終わりが分かっているからなのか、完全燃焼するように調整して歌っていた。
 そのせいなのか、最近ファンが増えた。
 見に来る人が増えて、投げ銭も増えた。
 それでも秋野の辞めようという気持ちがなくなることはなかった。
 人が多くなるにつれ、未練が消えるのだ。何故だか分からないが、もういいと思えた。
 秋野の最後の舞台の日。
 それは土曜の深夜だった。
 ファンは何となく秋野が辞めるのだろうと感じたのか、かなりの人が集まってくれて、聞いていってくれた。
 その秋野の相乗効果なのか、周りのミュージシャンにも人が流れてくれて、あちこちで人が増えたなと秋野は気付いた。
 いつの間にかストリートミュージシャンが集う場所には倍以上の人が通ってくるようになっていた。
 今日もスカウトが誰かを探している。けれど最後の日すら秋野には声はかからなかった。
 こんなものだ。と妙な納得と共に諦めが付いた。
 早めに終わり、荷物を片付けているとやっとファンが引いた後に一人の男性が秋野に声を掛けた。
 高級なスーツに綺麗な靴。明らかに場違いな印象。顔はイケメンと言っていいだろうが、少し野性味があるいい男で、身長も百九十くらいはありそうだった。
 そのイケメン男性はここで歌っている時には見たことはなかった。
「今日は特に素晴らしかったよ。これ、投げ銭をしようと思ったのだけど、このまま入れたら君の身が危険な気がして投げ入れられなかったんだ。どうか受け取って」
 そう言われて男性が出した封筒を秋野は受け取った。
 しかしそれはイヤに分厚い。
 封筒を開けてみると、中には百万ほど入っているではないか。
「え……そんな、こんなに貰えない……」
 恐ろしい金額に秋野は思わずそう言って返そうとするのだが、男性は受け取らない。
「君の声にはそこまでの価値がある。私はそう思ってずっと聞いてきた。だからそれは君の声に対する対価だ。今ままで私が聞いてずっと投げ銭をしたかったのを我慢して溜めたのがその金額なんだ」
「や、でも……」
「うん、普段の声も綺麗な声だね。とても響きがいい」
 男性は満足したようにそう微笑んでいる。
「でも、こんなにもらったら、何かお返ししなきゃ……」
 普通、投げ銭でも最高は千円くらいだ。それ以上も投げる人がいるが、一万も投げる人は相当な金持ちくらいだ。秋野はそこまで貰ったことはなく、せいぜい一日歌って稼いでも、一万にも満たないくらいだ。
 全額の貯金すら百万にぎりぎり達したくらいで、まさかそれと同等のお金が貰えるとは思ってもみなかったことだ。
「お礼、してくれる?」
 男性は秋野のお返しという言葉に反応した。
「あ、はい、できることならですが」
「できること。そうだな、できるだろうけど、君はきっと嫌がると思う。私が望んでいることなど、きっと君の想定外のはずだ。だから無理はしなくていい」
 男性はそう言うと、少し興奮したように頬を赤めた。
 何を想像しているのか分からないが、聞いてみないことには受けようにも断りようもないことは事実だった。
「いえ、言ってください。できることなら俺、お礼をします」
 そう秋野が強く言うと、男性はうーんと悩んだ後にこそっと秋野の耳に小さな声で言った。
「君を抱いた時の声が聞きたい」
「……え……?」
「つまり、君とセックスをしてみたいってことだ。君の声がとてもいいから、きっと燃えるだろうなと。そういうことだよ」
 そう言われて秋野は顔を真っ赤にした。
 まさか、そういう意味で身体を求められるとは思いもしなかったことだった。
「え、え、え、えええ~」
 さすが驚いて引くと、男性もそれ以上は無理はしなかった。
「だから言ったよね。無理だって。でも君がまた歌ってくれるなら、それでいいから」
 そう言うと男性が去ろうとしたので、秋野はその男性の腕を引いて呼び止めた。
「あの、俺、今日でもうストリートで歌うのは辞めるんです。だから次に来てももういません」
 秋野がそう言うと、男性は信じられないというように顔を真剣にして振り返った。
「なんでだい? プロになれないからかい? や、仕事関係とか? んーやる気の問題?」
 とにかく思いつく理由を聞こうとしてきたので、秋野はちょっと待ってくださいといい、荷物を片付けてから男性を誘って喫茶店に入った。
 知り合いのマスターがやっている店で、時々そこで歌わせて貰っていた。
 秋野は席に座り男性と向き合う。
「実は仕事が順調になってきたので、だんだんとストリートで歌うのは、もう辞めようかなと思い始めてたんです。今年の最初くらいかな。それから段々と辞める気持ちが固まってきて、今日で終わりにしようと決めたのが三ヶ月前くらいで、それで調整をしてきました。もちろん辞めるまでは気を抜かないようにしてきたし、心も込めました。でもスカウトは一度として声かけをしてくれたことはありません」
「……それは……プロになりたかったってこと?」
「そういうことではなくて、誰でもいいからプロの人に認めて欲しかったかなという、プロになる気もないのに、スカウトくらい一度くらい声をかけて欲しかったなという気持ちもあって……でもなかったから、妙に納得したというか。自己満足でいつまでも続けられるものではないから、ちょうど仕事も軌道に乗ったし、辞め時だなって悟ったんです」
「……そうだったのか……それは……」
 男性は何故かものすごく後悔をしている顔をしていた。
 秋野は男性の事情はよく分からないが、男性にそう話してすっきりした顔をしている。 誰かに言いたかったこと、愚痴だけれども悔しかったなと言えたことで未練がなくなった。
「だから、もう歌いません。や、自分でカラオケとかすると思うんですけど、それだけです。ストリートでも歌わないし、歌うのは友達の前とかだけになります。今まで応援ありがとうございました。最後にこんな愚痴みたいなこと聞いて貰って、申し訳なかったんですが、俺、すっきりしました。笑って辞められる」
 そう秋野が言うと、男性は苦痛の顔を浮かべている。
 相当な秋野のファンだったらしく、もう歌わないと断言する秋野を引き留めることができないことを悔しがっているようだった。
「……実は……君のスカウトなんだけど……その私が止めていたと言ったら、君はどう思う……?」
 急に男性がそう言い出して、秋野は首を傾げた。
 どういうことなのだろうか。意味が分からない。
「どういうことですか? スカウトを止めるって?」
「その、君にストリートで歌っていて欲しかったから、スカウトの連中にスカウトしないように通達を出していた。あの通りは私の縄張りと言って良い場所で、その取り仕切っているのも私なんだ。だからスカウトたちには顔が利くんで、そう……言って引き留めていた」
「……え?」
 いきなりの男性の言葉に、秋野は驚愕する。
 秋野をストリートで歌わせるために、スカウトたちにスカウトをしないように通達し、あの通りの所有と権利をこの男性が持っているから、そこに立ち入るためにスカウトたちはそれに従っていたというのだ。
 確かにあの通りは私有地である。その届け出を出してそこで歌うことができた。
 だから人は集まったし、近隣からは苦情もでなかった。
 まさか、その元締めがこの男性だとは思いもしなかった。
 そして、スカウトは最初から秋野をスカウトするつもりでいたことも衝撃だった。
「え、あ、すみません、よく分からない……なんで……なんでですか」
「君がプロになりたいわけじゃないのは知っていた。けれど、まさかスカウトに認められたいなんて思っていたなんて思わなかったんだ。君がストリートで歌い続けたいなら、あの場所もそのままにしようと思って維持してきた。君のためにあの場所はいつでも開けていた。でも……君のためだなんて、噓だな。私は私のテリトリーから君が出て行くのがイヤだったんだ。だから引き留めるために妨害をした……それはとても許されることじゃない……」
 何てことだ。
 秋野はさっきまでの良い気分がだんだんとモヤモヤしたものに変わっていく。
 スカウトは最初から秋野を認めていた。あの場所で歌い出した時から、ずっと。
 秋野はそれを知らずにこの三年頑張ってきた。スカウトに認められるまでと願って歌ってきたのに。
 なのに、それはあのストリートで歌っているかぎり一生来ないことだったなんて、辞めた今更そんなこと言われるなんて、思いもしなかった。
 秋野の心臓がバクバクと大きく鳴り、怒りも悲しみもわいてきて、どうしていいのか分からない感情が渦巻いている。
「……すまない。本当にすまない」
 男性がそう言って謝っている。
 それに秋野は目を向けて、高鳴る鼓動を押さえた。
 この男性がどれだけの権力を持っていたとしても、スカウトを完全に止めることはできなかったはずだと、秋野は思った。
 秋野は一時期、別の場所でも歌っていた。掛け持ちだったが、それでも場所が違えばスカウトはできた期間だってあったはずだ。
 それでもスカウトはこなかったのだ。
「……いえ、あなたがどれだけの権力を持ってしても、あの通り以外の場所でも俺は歌ってた。でもそこでもスカウトからは相手にされなかったという事実がある限り、俺の実力はあなたが思うほどでもなかったんだと思いますよ」
 そう自然と考えたことが言えた。冷静に淡々と事実を認めることこそ、未練を断ち切る手段だ。
 そう秋野が言い出して、男性は顔を上げる。
 凄く驚いた顔をしていたのが意外だったのだが、少し秋野の心を穏やかにした。
 そう男性は過大評価をしているのだ。
 スカウトがこの男性に従う理由がない。どんなことでも売れそうな人がいればどんな手段を使ってでも奪い合うのがスカウトの仕事だと聞いた。
 だから、何人もの人に声を掛けられる人は様々な方法でスカウトから接待すら受けていたほどだ。それを知っているから、抜け駆けを一切しないわけもないのだ。
 男性がいくら権力を持っていても、その力はあのストリートだけにしかないだろう。
「あなたが俺を評価してくれるのは嬉しいです。でもスカウトからは評価に値しないと思われていたから、俺はこうして辞めるんです。それだけの事実です。だからあなたが謝ることは何一つもないんです」
 秋野はもやもやが晴れた顔をして、男性のことを許した。
 そう秋野が言うと、男性は口ごもった。
 それが事実だと思ったのだろうか、それとも何か他にもあるのだろうか。それは分からないが、とにかく秋野は言った。
「それから、この金額のものはさすがに全額は受け取れません。中から一万だけ好意として受け取るということで承諾してください。それで俺は気持ちよく辞められる」
 秋野がそう言うと、男性は静かに頷いた。
 そうして男性は封筒からお金を抜き取り、一万を封筒に入れ直して秋野に差し出した。「ありがたく頂きます。ありがとうございました。最後にいい思い出ができました」
 秋野はそう言うと、レシートを掴んで席を立った。男性はまだうなだれているが、もう良いだろう。そのまま男性を置いて、男性の分のコーヒー代も払った。誘ったのは秋野なので、当然だろう。
 秋野はギターケースを抱えて店から出て、すぐに駅に向かった。
 終電がそろそろ終わる時間だった。
 足早に歩きながらも、秋野はあの男性のことが気になった。
 執着したモノが去って行く、それも自分が行った出来事のせいで。そう思っている男性は秋野に酷いことをしてきたのだろうが、今は何だか哀れに見えた。
大きな体を小さくして、申し訳ないと嘆くあの姿がどうして忘れられなくなってしまった。

 

 秋野がストリートで歌うことを辞めて、二ヶ月ほどだった頃だろうか。
 会社から帰宅をすると、自宅の玄関先に人が立っていた。
 誰だろうと思っていると、その人物は秋野を見つけてからホッとしたように言った。
「すみません、SY音楽事務所の林田です。実は秋野さんにお話があってきました」
 そう言われてしまい、秋野は驚きながらも自宅に招き入れるわけにはいかずに、駅前まで戻って喫茶店に入った。
「やー、すみません、お仕事忙しいでしょうに……」
「いえ、それで、その事務所の方が何か?」
 秋野が話を進めると、林田は単刀直入に言ってきた。
「実は、秋野さんがストリートを辞めたと聞いて。今更こんなことを持ちかけるのはご迷惑かと思ったんですが、どうしても諦めきれずに来てしまいました。あの、うちでデビューしませんか? ずっとストリートにいるときから目を付けていたのですが、そのこういうことを言うのはどうかと思うのですが、そのスカウトをするなというお達しが出ていて……てっきりもう何処か大手を契約しているのかなと思ってたのですが……三年経ってもデビューはしないし、気付いたら秋野さんは辞めてるしで訳分からなくて」
 林田の言葉に秋野はふとあの男性のことを思い出した。
「えーと、スカウトをするなという話はストリートを辞める時に偶然聞いたのですが、それってどういうことなんですか? そういうことって可能なんですか? そのスカウトを脅すというか、一括してスカウトさせないようにするとか……」
 秋野がそう聞くと、林田はその実情を話してくれた。
「大手の事務所から、秋野はうちで面倒を見る予定だし、本人も納得してストリートをしているから、余計な手を入れるなっていう、上からのお達しで。ほら、実力とかあるから、ストリートで名をもっとあげてからデビューに箔を付けるつもりなんだって納得しちゃってね。でも、何か違うかなと思いだしたのは、割と最近で。秋野さん、俄然上手くなってるし、今デビューしなきゃ勿体ないって思って、我慢できずに調べていたらデビューの話はそもそも作り話で大手でも手を付けてないって分かって。そしたら秋野さんがストリートに来なくなってて、やっぱりデビューするのかなと思ってたら、ファンの子が辞めたんだって言ってて。最後に見た日が辞めた日だって言われて、うそだーって思ってね。あんなに凄かったのに、辞めるのなんてないよって。俺ら変な噂に惑わされてたんじゃないかって、でも上からスカウトするなっていうのは本当のことで、その上の人もどうしてか分からないけど、ヤバイのがついてるって言うだけで……」
 林田もよく分からないが大きな力が働いた結果、本当にスカウト厳禁の話が通っていたらしい。
 さらに二ヶ月も経って訪ねてきたのは、秋野の周りのことを調べていたからだというのだ。
「秋野さん、他でデビューなんてしてないですよね?」
「してないですし、スカウトも受けてもいないですし、そもそも大手さんと話したこともありません。どうしてそんな話になったんでしょうかね?」
 秋野は事情は知っているが、あの男性のことは言う必要はないので言わなかった。
「ああ、やっぱりそうなんだ……うわあ。勿体ない、絶対三年前にデビューしてたら今頃ヒットメーカーだっただろうに、誰だよ貴重な三年潰したの」
 林田は本当に噂を流した人にも腹が立っていたようだし、秋野が頑張っていた三年をちゃんと見ていてくれた人だった。
 とてもいい人なのだろう。
 それでも秋野はあの三年は悩んだけれど、無駄ではなかったと今でも思っている。
 もし三年前にデビューできていたら、きっと三年後行き詰まっていたに決まっている。そう心が付いてこなかっただろうと知っているから。
 一発ヒットだして低迷してきっと終わっていた。
 それが今はよく分かる。
 一度辞めて、それでもまた何か始めたくなっている今は、その三年で悩んで出した結果を覆したくなるほど力がこもっているのだ。
「それで、秋野さん、まだやる気があるなら、いやそうじゃない。一緒にやりましょう、三年で秋野さんの実力は想像以上に上がってます。私は今の秋野さんの実力で勝負したいです。お願いします、うちを選んでください!」
 林田はしっかりと秋野の瞳を見て真剣に頼んできた。
 それは真摯な姿で、三年も秋野を見てきた人の真剣な言葉だった。
 一緒にやろうと誘ってくれている。
 それがどれほど嬉しくて、どれほど待ちわびた言葉だったのか、秋野は嬉しくて泣いた。
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。よろしくお願いします」
 秋野はそう言って林田の手を取った。
 林田は舞い上がり、秋野の手を取って何度も感謝の言葉を言った。
「ありがとうございます! ご、後日事務所で、契約とかレコーディングとかその他のこと決めましょう!」
 そう言われて秋野は頷いた。

 それから秋野は会社が終わったら、事務所に行って契約をして会社から副業の許可も貰い、レコーディングにすぐに突入した。
 秋野が作ってきた曲は、三年の間に五百曲以上堪っていた。
 音楽を辞めてから書いた曲だってある。
 結局、音楽は好きでどうしようもないほど音楽がないと生きていけなかった。
 二ヶ月はそれを実感するには十分ほどで、すっきりして辞めたはずなのに音楽の熱は冷めなかったのだ。
 その熱はファーストアルバムに込めた。
 すぐにファーストアルバムはできあがり、秋野はメジャーデビュー曲「ME!」でデビューした。
 その曲は事務所が取ってきたドラマの主題歌になり、ドラマが大ヒットしたので曲も大ヒットした。販売もCDが売れない時代に新人のCDが初週で三十万を突破するほどで、ダウンロードは新人のダウンロードの記録を塗り替えた。
 異例のヒットを続け、あっという間にミリオンの大ヒットになった。
 MVの動画は一億再生を超えて、秋野の容姿も受けていた。
 弾き語りでありながらロックで、カラオケでは上位に食い込んで歌われている。
 そのヒットで秋野は会社を辞めた。デビューして半年で秋野は二枚目のアルバム制作やコンサートで忙しくなり、会社に止まることができなくなったのだが、社長や同僚は大喜びをして見送ってくれた。
 コンサート中もセカンドアルバムを作り、コンサートが終わると新曲と共にアルバム発売。短期間に二枚出したアルバムはあっという間にミリオン、ダブルミリオンと一位と二位を秋野のアルバムが独占、CMの挿入歌になったシングルも一位を取った。
 席巻する秋野はテレビの歌番組にも出て、ストリートで鍛えた歌唱を披露し、大盛況で盛り上がる。視聴率も近年では出ない高視聴率を叩き出した。
 大ヒットメーカーになって、年末の賞は新人賞、アルバム、歌唱、作詞作曲、売り上げ、大賞と総なめすることになり、その一年は秋野の年になったくらいだ。
 驚くほどのヒットを繰り返す秋野であるが、事務所は弱小であったがそれでも秋野を無視できるほど、テレビ局も馬鹿ではなかった。
 秋野に関してはストリート期間が長かったためか、その武勇伝ばかりが広まった。下隅が長いと何故か業界の人は喜ぶ傾向にある。あの秋野ですら売れない時期があったのが嬉しいのだろう。
 秋野伝説と言われて、秋野自身すら知らない話がテレビで盛り上がり、秋野はストリートの伝説とまでなった。
 サードアルバムは初週でダブルミリオンを超える最大のヒットとなり、曲は必ずミリオンヒットをする大物アーティストになっていた。業界で最もコンサートのチケットが取れないアーティストになるのに二年もかからなかった。
 秋野はその間も三年のストリート時代を忘れなかった。売れないことがどれほど苦しいことか知っている。だから常に邁進して貪欲に音楽を求めた。進化し続けるアーティストとして秋野は不動の地位を確立した。
 デビューして四年目にしてやっと秋野に長期の休暇が手に入った。
 ドームコンサートが終了し、ファイブアルバムも完成し、発売を待つだけの時間、僅かであるが一ヶ月空いたのだ。
 その間に秋野は元の会社を訪ねて、社長にあったりした。
「いやあ、秋野くんすっかりスターなんだもん、おじさんびっくりだよ。あの時、万歳で見送ってよかった。本当は売れるかどうか分からなかったし、その後も続くかどうか不安だったから、会社を辞めるのは辞めて欲しいなと思ってたんだけどね……そうしたら、知り合いのヤツがさ、君のストリート時代を知ってて、絶対に売れるから大丈夫だって太鼓判を押すんだよね。だから手放したって感じで。でも大正解だったよ」
 そう社長が言う。
「そうか、知り合いの人、俺のストリート時代を知ってるんですね。はは、あんまり人気はなかったんですけどね」
 秋野は笑ってそう言うのだが、社長は真面目に言った。
「だからね、見てる人は見てるわけ、君が地面を這いずって努力したこと、ちゃんと見てるわけ。神様もね。君の努力はちゃんと実ってて、それを邪魔したらバチが当たるって。それで痛い目を見たから、邪魔しちゃ駄目だって言うんだ、そいつがね」
 そう言われて、秋野は瞬時に頭の片隅にあった、あの男性を思い出した。
 あの秋野のスカウトを脅して、ストリートで秋野をスカウトをさせなかった、どういう組織を持っているのか分からない謎の男性だ。
 今でもあの心底後悔して落ち込んでいる男性の姿が消えないのだ。
「その人知り合いですか?」
「あ、ああ、もちろん。○○の地域の大地主なんだけど、君が行っていたストリートの管理者でもあるんだよ。名前は、糸川っていうんだけど。君の大ファンなんだ。コンサートも行ったみたいだし、グッズも全買いってのやってるほど……呆れたでしょ」
 そう言われて秋野は胸を鷲掴みにされる思いをした。
「その人には、どこに行けば会えますか?」
 そう秋野が言うと、社長はすぐに会うセッティングをしてくれたが、糸川には内緒にしてサプライズで会わせると言った。
 その日の夕方に料亭で秋野はあの男性、糸川と再会した。



「……秋野くん……」
「こんにちは、糸川さん」
 秋野がいるとは思いもしなかった糸川は、秋野の姿を見て明らかに動揺した。
 それでも大ファンの秋野がいるので、糸川がおかしいのは普通だと思った社長が間を取り持って、その食事会は進んだ。
 社長はやがてお二人でと秋野と糸川を置いて帰っていったが、それは秋野が頼んだことだった。
「……こんにちは、お久しぶりです」
 秋野が改めて言うと、糸川はその場ですぐに頭を下げた。
「すまない! 君の周りをうろついているつもりはなかったんだけど……」
「いいえ、それは怒ってません。最初から俺は怒ってなんですから、頭を下げるのは辞めてください」
「いや、君がちゃんとデビューしていたらもっと売れていたはずなのに、私の下心で君の三年を潰した。本当に申し訳ない」
 そう糸川が言うのだが、それを秋野は否定する。
「いえ、あの三年があるから、俺は今があると思ってます。これはデビューする時に思ったのですが、あの三年がなかったら俺はきっと一発屋で終わってたと思ってます。それくらいに悩んで悩んで沢山曲を作って、試行錯誤した時間でした。それがあるから俺は今があると信じています」
「いや……それでも」
「あなたは、あの後ちゃんと俺を解放してくれました」
「……!」
「俺のところに、ちゃんとスカウトがきたのはそういうことでしょう?」
 そう秋野が言うと、糸川は情けない顔をしている。
 糸川はちゃんと秋野のことを考えて、秋野に合う事務所にだけスカウトの解除をしたのだ。大手では秋野のことをアイドル扱いで使い潰すのは目に見えている。だから実力が発揮できる事務所を選んでくれたのだ。
「大手しか取れないような、主題歌とかCMとか、最初に取ってくれたのも糸川さんの力でしょ? ありがとうございます。今の俺があるのはあなたのお陰です。あり得ないほど売れて、あり得ないほどヒットできているのも、あなたが陰で助けてくれていたからです」
 秋野がそう言うと、糸川は苦笑したように笑う。
「分かっていたのか……どうしてこう君にバレるんだろうな」
 そう言うのだが、秋野は苦笑した。
「そういう世界なのは見れば変わるからです。甘くないのは知っていました。でもあなたが選んだなら、そこに甘えようと思ったのです。きっとあなたは俺の三年を返すためにやっているんだって思ったから、きっと俺がどれだけ大丈夫だと言ってもあなたが満足できないんだって分かったから」
 そう秋野が言うと、糸川はそこまでバレているとは思わなかったのか、肩を落としてがっくりとしている。
「それで、もう三年は過ぎました。事務所もそれなりに大きくなりました、俺もそれなりにやれていると思います。あなたの謝罪はもう大丈夫です。あなたが潰したと思っていた時間は戻りました。もう大丈夫です、俺は大丈夫です」
 そう秋野が言うと、糸川はやっと泣き出した。
 大きな背の高いイケメンが泣いている姿には、秋野は身体がゾクリする感覚を受ける。それが自分のために泣いているのだと思うと、どうしようもないほど身体が震えた。
「あなたの謝罪は受け取りました。だから今度は俺からのお礼を受けてください」
 秋野はそう言うと、糸川の頬を手で覆い、糸川にキスをした。
 糸川は何が起こったのか分からないような顔をしているが、すぐに我を取り戻して慌てた。
「あ、秋野くん……な、何を……」
「あなたのこと、三年間考えました。俺はあなたが許せなくて、あなたの姿を忘れられないのかって、何度も考えました。でも答えはここに来るまで分かりませんでした。さっき、あなたが泣いているのを見て分かりました。俺はあなたのことが好きなんです」
 秋野がそう認めると、糸川は信じられないような顔をして秋野を見る。秋野はそのまま糸川の唇に何度もキスをした。
「あなたが欲しいと言った、俺をあなたへのお礼に」
 そう秋野が言うと、糸川は我慢できなかったのか、そのまま秋野を押し倒した。
 バタリと倒れた秋野を糸川はしっかりと抱き留めた。
「君が……とても愛おしいんだ……それは本当なんだ」
 糸川が痛いほど秋野を抱きしめ、熱い告白をしてくる。
 それは本心で、最初の頃と変わってはいない。秋野を好きで好きすぎて手に入れようとして、秋野の三年を束縛したように。
「知ってます。だから抱いてください……」
 秋野がそう言うと、糸川は秋野をホテルに誘った。
 料亭で事に至るわけにもいかず、ホテルに別々に入り、糸川が取った部屋で合流してキスから始めた。
「はぁっ、ぁんっ、あっ、ん……」
 秋野は待ちきれずに自分で服を脱いで、糸川を誘った。
 綺麗な身体を見せつけ、自分から股を開いた。
 それに糸川は襲いかかった。目が本気で真剣に秋野の身体を貪る。
 秋野の首筋から下で舐めてキスマークを残し、乳首まで到達すると、すぐに乳首に吸い付いた。
「あんっあっ、ちくびっ、きもちい……、あっ、ぁん……」
 糸川は舌で秋野の乳首を舐めあげ、吸い上げ、何度も嬲ってくる。
 それに感じて秋野のペニスが首をもたげると、それを糸川が手で扱き始める。
「ぁっ、あっあっ、んっ、いい、おち○ぽっあんっ」
 乳首とペニスを同時に弄り、秋野の身体を高めていく糸川。
「んっ好き、きもちい、ふぁっ……ちくびっんんっおち○ぽもっいいっんっ」
 どんどん高められていき、とうとう秋野は腰を振った。
「ひぁっあっあ゛っらめっ……あぁんっあっ、いっちゃう、らめっ、あっあんっ」
 絶頂が近づいているのが分かる。ちゃんと糸川の手で感じる事ができて秋野は嬉しかった。
 ずっと泣き顔みたいな顔だった糸川の顔が消えて、真剣に秋野の身体を貪る獣の姿に変わっていく。
「あぁんっ! ひあっあ゛っいくっいくっあんあんあんっ!」
 秋野は糸川の手で達した。
 精液が自分の腹の上に飛んで、それを糸川が撫でて喜んでいる。
「沢山出たね……」
「あぁあん……はぁっ、ぁ、ん……」
 満足したような顔をした糸川がキスをしてくる。それを秋野は自然に受け入れて舌を絡めた。
「ん……、ふぅ、んっんんっ、ふぁっ、あん、ん……」
 キスをしながら、糸川は秋野のアナルを精液の付いた手で弄り始めた。
「あぁっ……あ゛っああっ……あっあんっ」
 クニクニと入り口を弄り、柔らかくなったら指が入り込む。指は根元まで入り、中をこじ開けるようにジュルジュルと出入りを始める。
「あっぁあっ、んっひゃぁっ……」
 指を二本と挿れるために糸川はコンドームを使い、秋野のアナルを広げた。
 秋野は早くペニスを入れて欲しくて、糸川のペニスを手で掴んで、それを何度も擦りあげた。既に勃起している糸川のペニスからは先走りの精液が出ている。
 秋野はそれを咥えたくて、身体を反転させて糸川のペニスを口にした。
「んんっ……、ん、ふ、ぅん……んっ、ふぅ、ん、んっ……んっんっ」
 しっかり咥えていると、糸川はシックスナインになったのをいいことに、秋野のアナルを舌で舐めて指を突き入れて犯した。
「んっんっ……はぁっ、ん、んんぅ……っ!」
 ペニスを咥えて秋野はアナルで感じながらもしっかりと糸川のペニスを口で扱いた。
「んん~っ……、んっ、ふっん、んんっ!」
 先走りをなども舐めてもどんどん溢れてきて、それが美味しくて秋野は何度も繰り返し舐めた。
「ん~っ……! んっ、はぁっ、あぁん」
 糸川も秋野のアナルを舌で舐めて柔らかくして広げて、さらには秋野のペニスも咥えて口で扱いた。
「ひあぁっ……あんっ、あん、いい、……っん」
 糸川の攻撃に秋野は糸川のペニスを手で扱きながら追い上げたが、糸川がやってくるアナルとペニスの扱きに耐えられず、とうとう射精をした。
「あ゛っひっ、あぁっ、そんなっ、あんっ!」
 糸川はその秋野の精液を口で受けてそれをごくごくと飲んでしまう。そして絶頂している秋野のペニスを糸川が綺麗に舐めていく。
「さあ、どうして欲しい? 君の望むと通りにしよう」
 糸川がそう言うと、秋野は自分で股を広げて、糸川を誘った。
「ああんっ……すきっ、おま○こにおちんぽハメられてっ、あぁっ、いっぱいおちんぽでおま○こを突いてほしいっあっあぁんっ」
「なんてイヤらしいことを、そんないい声で言うんだ……」
「ああぁっ……あんっああっ、おま○こにおちんぽ、挿入れてください……」
 待ちきれない秋野はそれどころではない。
「いっ、挿入れて……おっきいおち○ぽ、ハメて、突いてほしいですっ……」
「もっと言って」
「おま○こっ、はぁっ……おま○こに、おち○ぽ、奥まで挿入れてっめちゃくちゃにしてほしいっ、ん、あぁあっ!」
 そうはっきりと言う秋野を糸川は犯した。 ペニスをアナルに一気に突き入れ、根元までしっかりと挿入れた。
「あ゛ひっ……ぅあ、あっあぁんっ! あひっ、ぁあっ、あっあっあっ」
 その衝撃に秋野は絶頂した。それもドライオーガズムだった。射精をせずに絶頂した秋野を糸川が愛おしそうに犯した。
「ああ、嬉しいよ、私のペニスを喜んでくれて、そんな綺麗な嬌声を聞かせてくれるなんて……ああもっと啼いて」
 そう言って糸川は腰を動かした。
「あひっ、あっぁっ、ふぁっ、あぁんっ!」
 秋野は痛みを感じないで、初めから糸川で感じた。 
 ペニスが出入りするのなんか、少ししたら快感に変わった。萎えている秋野のペニスが半勃起して、シーツに擦りつけられる。
「あぁんっいいっ、あんっあんっ、あっふぅっ、ひあぁっ」
「もう腰を振るほどいいのか、嬉しいよ秋野くん、さあもっと啼いて見せて」
「んっあぁっあぅっ、おち○ぽでおま○こゴリゴリされるの気持ちいいっ……あっあひっあ゛んっんっ!」
「ああ、何て卑猥な言葉を……どこでそんな言葉を覚えたんだ……淫乱過ぎて、目眩がする。ああもっと言うんだその嬌声を私に聞かせて」
 卑猥なことを秋野が言うと、糸川はどんどん興奮していくばかりで、ペニスの勃起の硬さが更に増した。
「ひっあっ、あんっきもちっいいっ、あぁっおま○こっ、おちんぽ、ハメハメされてっあんっきもちいいっいいっんっひああっんっ!」
 秋野は何度も淫猥な単語を口にして気持ちがいいことを糸川に伝えた。
 そのたびに糸川の腰を振る速度が上がるのだ。乱暴に奥までペニスを突き入れて、根元までしっかり入れてカリが抜ける寸前まで抜くことを繰り返す。
 そして奥まで突き入れたままで、身体を乱暴に揺すられると、前立腺まで擦りあげられて、秋野は快楽を脳天が突き抜けるほど感じた。
「あんっ!ぁあっ、あっ、あひぃっひあぁっあひっ、あ゛っ、おちんぽらめぇっ……おま○こ壊れるっあぁっあっ」
 ガンガンと奥で突かれて秋野はドライで絶頂をする。
 それでも糸川のペニスで突く速度は止まらない。
「ぁんっ、あぁ、はぁっ、あふっ……はぁっ、はぁっあぁんっあぁんっ……はぁっ、んん……」
 秋野は絶頂しながらまた絶頂して、身体を痙攣させているのに、それを糸川に押さえつけられてまた絶頂に導かれる。
「あんっ、あぁっ、はっいいっ、おちんぽいいよぉっ……あっひあああぁんっ!」
「秋野くん、とても綺麗な嬌声を上げてくれて嬉しいよ……もっともっと啼いて聞かせて」
「あぁっすごい……っ、おちんぽっおっきくてすごいっいいんっいいっあっ……」
「ああ、凄く良いよ。気持ちが良い……」
「あぁんっ! ひっあっあっ、あんっ! はぁあんっ、もっとおち○ぽ、奥まで挿れてぇ……、ハメハメしてっ……あ゛っひああっ!」
「挿入れたままで身体を揺すられるのが好きなのかい? よし、このまま中出ししてあげよう、そうするともっと気持ちがいいよ」
「あ゛ああっいいっいい、中出しでおま○こきもちよくなるっっ……あんっあんっあんっ、いくっおま○こっいくっあああっ!」
「……っ!」
 糸川は深くペニスを秋野に突き入れたままで射精をした。
 それが奥まで流れ込み、秋野はその性器の射精でまた絶頂をした。
「あぁんっ……あぁっ精液きてるっああんっいい、もっとおちんぽハメハメいいよぉっ、ああっ」
 秋野は完全に糸川のペニスにやられた。
 好きな人に犯される感じでされるセックスが気持ちよくて、セックスに溺れる人の気持ちが初めて分かった。
 こんなの病み付きになるに決まっている。
「はああぁ……おち○ぽ、おっきぃ、はぁっ、あぁ……はぁ、はぁ……おちんぽほしい、硬くて、おっきくて、ビクビクしてるおち○ぽ……おれのおま○こにもっとハメハメしてほしいっ……はぁっ……めちゃくちゃにおちんぽで犯してっあっひっあ゛ああーっ……」
 秋野がそう言い出し、糸川は萎えていたペニスがすぐに復活してまた腰を振り始めた。
「あ゛あああ……っい゛いっひっ、あっ……あぅっ……ああっ……やっうごいてぇ……っおま○こっおちんぽでごりごりして……っあああっ」
 絶頂を何回もした後に、中出しされてさらに絶頂した後は、秋野の理性も壊れる。
 セックスすることしか頭になくなり、自ら腰を振ってどんどん糸川を煽った。
「あああぁっ! あああぁっ、あんっあんっ、い゛いっあぁっいいっ気持ちいっ……ぁあ、はぁんっいいよぉっあんっあんっあんっ」
「秋野くん、淫乱で嬉しいよ……さあもっと啼くんだ。君の囀りはとても美しいのだから」
 そう言いながら、激しく糸川は秋野を突き上げた。
 秋野は腰を振りながらも糸川に翻弄されて、また絶頂に導かれた。
「あ゛あああっ! いくっいくいっちゃうっ……あっあんっあひっあああーっ」
「ほら、また中出しだよ、こんなに出したら、孕んじゃうかもね」
「ああぁっすごいぃっ……ぁんっあんっああっ……あっあんあんあんあんあんっ」
 秋野は中出しされるとどうしてもそれだけで絶頂できてしまう。それくらいに精液を中出しされるのが気持ちが良かった。
「はぁっ、はぁっあぁんひっああっまって、あぁんっ……ぁあっん、んっんん~っ」
 さらに抜かずに糸川が腰を振り出して、秋野はまた快楽に突き落とされた。
「あんっ! あっあんっあんっ、おち○ぽっいい、よすぎるっ……」
 糸川のペニスが気に入って、それを内壁で締め上げると、更に糸川のペニスが復活して凶悪になる。
「あぁんっすごいっ……あっあんっおま○こきもちいいっ、もっとずぼずぼしてほしい、あぁんっ」
 それで突き上げられると、どうしようもなく感じて、もう頭の中に糸川のペニスのことしかなかった。
「あっあっあっ、いいっ、あんっひああぁんっ! あっあんっあんっあっああっ」
「さあ、まだまだだよ、もっと啼くんだ」
「あっああっ……やっあっあっあんっんっああぁっあああっ! あひっあっあっあ゛っあ゛ああっ」
「そうもっとだよ、君から誘ったんだよ。もっとだもっと啼け!」
「あぁんっ……あっあ゛ああっ……ひああぁっ! あっあんっあんっあんっああんっあっらめっ……ひあっあっあっあっあぁんっ、おれ、おちんぽで、おま○こぐりぐりされてっああっきもちいっあんっあんっいいっ」
「さあ、もっと私を求めるんだ」
「あああんっ、きもちいいからぁっ……い゛いっあっああっはぁあっあっおま○こに、精液中出しして……っあっあああんっ!」
「それでいい、好きなだけ中出ししてあげるよっほらっイけ!」
「あ゛あああっいくっああっ、いっちゃうっあぁああんっ!」
 また中出しをされ、秋野は身体全体で感じて、射精をして絶頂をした。
 けれど、糸川のペニスはまだまだ勃起した状態を保っている。
「もっとだよ……秋野くん、君の囀りは私を無限にさせるようだ……」
「はあっあぁっ……あっ、うぁ、あん……」
 秋野はほとんど気を失いかけた状態で何度も身体だけ絶頂をさせられた。
 ドライで迎える絶頂には終わりがないから、秋野はその日だけで何十回も絶頂をしただろう。そしてそれで糸川のペニスを覚えさせられた。
 秋野は二週間は糸川と関係を続け、ホテルに入り浸った。毎日セックスを繰り返し、いつでもどこでも盛ったら糸川のペニスを求めた。糸川も好きな時に秋野の身体を貪り、犯しまくった。
 それから、秋野は引っ越しをした。
 糸川の持つマンションのいい部屋を貸して貰えたので、そこに引っ越したが、実はその隣が糸川の部屋で、ほぼそこに入り浸っていた。
 毎日繰り返し求められて、秋野の寂しい心は満たされた。
 そしてファイブアルバムが発売される時には、すっかり元気を取り戻してツアーにも出た。
 それからも秋野は糸川と関係を続けている。いずれ、結婚をしないことを不思議がられるのだろうが、その不思議がられても結婚をしない道を選んだとしてもおかしいと思われないほどの実績を作ろうという目標ができた。
 秋野は今でも大スターで、糸川の憧れの人だった。
 でも一緒の時はちゃんと恋人関係になれた。
 道ばたで始まった出会いは、お互いに満足する形で収まっている。