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月齢14

 その日はとても晴れた日だった。
 夜道を歩くには街灯もない道でも明るく光が届き、道がはっきりと見えるほどだった。酔っていた春次でも、足下が不安であったが、今日は違った。
 雲一つない夜空、星は少々街の明かりが消してしまっているが、それでも綺麗に見えた方だった。
 そのお陰で春次は空ばかり見上げて行動していた。それでも春次は上機嫌で鼻歌さ歌っていた。
 その日は友達の家で朝から映画を鑑賞し、さらには夕方から野球をTVで見て盛り上がり、酒を飲んで応援した。贔屓にしていたチームが勝利し、更に上機嫌になれたところで解散となった。
 春次は明日も休みだったが、友人は明日から仕事だったためだ。さすがに遅くまで騒ぐのは可哀想だと、止める友人を振り切って友人宅を出た。
 時間は九時ちょっと過ぎくらいだ。世のサラリーマンはこれから本格的に飲む時間だろう。帰宅するサラリーマンは少なく、やっと残業が終わったというサラリーマンが疲れ切って帰宅する時間にさしかかった。
 そんな中で少し酔った頭が冷めてくる。
 自宅付近の駅で下車し、街灯を頼りに自宅へ急ぐ、少しだけ酔いが冷めてしまったので駅前のコンビニで酒を少し買い込み、日本酒のカップ酒をコンビニの前で開け、飲み始めた。幸い、コンビニは人の往来が余りなく、入り口付近で飲んでいても誰にもとがめられることはなかった。完全に一本飲んでしまうと、空き瓶をゴミ箱に投げ捨てて自宅に向けて歩き始めた。
 酔いが戻ってきていい感じになったので、二本目のカップ酒を開けて飲みながら歩いた。
 春次の会社は三連休で、今日は二日目。明日は、やることがあるけれど、多分それ以外は寝て過ごすんだろうなと思えた。
 最近、彼女と別れた。結婚を迫ってくる彼女は年上だったのが、三十を目前にそれが酷くなった。まだ結婚しても上手くやれる気がしない春次は社会人二年目である。もう二年くらい待ってくれれば昇進はできそうだったので、それまで待ってくれと言ったところ、女はどうこうと語り初め、それが面倒になったので喧嘩になった。そして彼女の様子が更におかしくなったため、怖くなり別れを切り出した。
 彼女は暫く、三十女をフルなんてと春次を罵倒していたが、ある日を境にふっと音沙汰はなくなった。
 聞いた話では、急に会社を辞め、地方の実家に帰ったらしい。
 最初のうちこそ春次の悪口をこれでもかと言っていたらしいのだが、次第に他の何かに怯えるようになり、実家に逃げたらしい。それが何なのかは女友達も分からず、それ以来、彼女との連絡は一切実家の人が取り次いでくれないのだという。
 春次が何かしたのかと言われたが、せっかく別れる決意をして別れたのに、付きまとうみたいなことはしないと言うと、その友人も納得したくらいに、彼女の様子はおかしかったらしい。
 それ以来、春次は彼女を作るのは嫌になり、仕事に打ち込んできた。彼女の嫌がらせが酷く、春次の家の中はおとといまで酷い荒れ具合だった。暴れた彼女が壁を壊し、中のドアガラスを割り、食器や冷蔵まで壊したほどだ。何とか友人を頼って家財道具を一式揃え、彼女との思い出があるものを全て捨て、入れ替えたりした。
 壁の工事がおとといやっと終わり、部屋は新品に生まれ変わったが、その費用で夏と冬のボーナスが消えた。
 友人たちには、年上の女性を結婚するつもりもないのに振り回した授業料だと言われた。中には結婚しなくてよかったんだから、逆に見る目はあったのかもと言われた。 二年待ってくれという言葉を無視して結婚を迫る彼女の性格も暴かれたわけで、結婚していたら何をされたのか分からなかったなと、慰めてくれる人もいた。
 どっちもどっちと言われることもあったが、春次には結婚という言葉は更に重荷になった事件だった。
 その時に助けてくれた友人と、部屋が治ったお祝いと称して飲み歩き、友人宅で映画と酒と野球で盛り上がって、嫌な気分も一掃してきたところだ。
 もう彼女のことは忘れてしまおうと、春次が心に決めて、持っていた酒を一気に飲み干そうとした時だった。
 後ろから誰かがぶつかってきた。
「……!」
 コップに入った酒が、その衝動で気管に入り、叫ぼうとしたのだが声が出る前に咳が出た。
「げほっ……だ……だれ……ぐほっ」
 地面のアスファルトに受け身もなく倒れ込んだ為に、体中に衝撃を受けた。手はアスファルトの道で擦れて擦り傷ができていた。足も臑をぶつけて痛かった。気管には酒が入って苦しかった。そんな状況に何故なかったのか分からなかった。
 誰がこんなことをと振り返ったのだが、近寄ってきた人はわざとぶつかったのだと悟った。
 だってぶつかっておきながら、大丈夫かとかすみませんとか、そうした謝罪や心配をする言葉が全く聞こえてこなかったのだ。
 春次は、不良か何かに絡まれたかと焦った。
 その人物は、春次の口に何かを入れると、それを飲み込むようにペットボトルの水を無理矢理に上から注ぎ込んでくる。
「ぐほっ……げほっ」
 まさに少量の水で溺れさせられる感覚だった。
 飲みたくないのにその水を飲まなければ溺れると思い、春次はその水を全て飲み込むことで溺れる感覚から逃げた。
 ただでさえ、酒を二カップも飲んだところへ水まで飲めば、水分が腹に溜まり、そのせいで吐き気が起きる。
 春次にそうした人間は、春次を起こし、すぐ側の壁で春次が吐くのを解放するようにした。
「……ぐっ」
 水分だけがザバザバと吐き出され、さっき飲まされたものは全て出てしまったようだ。
「兄ちゃん、飲み過ぎ〜」
「ひゃははは」
 ちょうど側を通ったサラリーマン二人が、吐いている春次の様子を見て笑っている。
 その人達に助けてくれと言いたいのだが、言葉を発するたびに口から水分が出てきてしまう。そうしているうちにサラリーマンたちは遠くに行ってしまい、春次はふらつきながら、その人物に抵抗した。
 相手が男だとはっきりと分かったのは、自分よりも背が高く、体の形も太かったことだ。女性でそんな人間は早々いないから男だと思った。
 がっしりと肩を掴まれて、ふらつくままの体を男は誘導して、道の途中にある古びた門を開けて中へと連れ込んでいく。
「やめ……ろ……いやだ……」
 何をされるのか分からず、抵抗しようとすると、掴んでいる手の力が強くなり、骨が折れそうなほどに力を込められる。
「……いたい……」
 あまりの痛さに動けなくなると、男は春次を抱えるようにして脇に持つと、引き摺るようにして、その門の奥のドアを開けた。
 そこが玄関なのだろうが、何処かの住居という温かさはない。
 埃の匂いがして、とても人が住んでいるような気配ではない。
 そこで、春次はここが何処は予想がついた。春次の近所にある豪邸の廃墟だ。十年くらい前に家人が死に絶え、相続した人間はいるらしいが、今は誰も住んでいなかったし、管理もされている様子がないような屋敷で、壁には毎年青々とした蔦が生え、不気味な幽霊屋敷のようになっていた。
 男はそこに春次を連れ込んで、奥の奥まで進んでいく。この家の裏は少し小高い山がある。その山もこの家の持ち物だったようであるが、そちらは時々木々の伐採は行われていた。
「離せ……っ! なんだよ!」
 やっと咳が治まってきて、春次がそう叫ぶのだが、男は平然としたもので、春次が暴れるのも構わず、奥の部屋に入っていった。
 その部屋は、埃の匂いがしなかった。
 洗剤の匂いがし、フローラルな匂いまでする。あからさまにさっきまで通ってきた廊下らしき埃まみれの場所とは違う。
 男はその部屋の中央にある柱に春次を下ろすと、素早く春次の腕を捻り上げて柱の回されると、春次の手首に何かを填めた。
 内側に柔らかな布みたいなものが付いた拘束具であることに、春次はすぐに気付いた。
 腕にかかった力が消えたので動かした時に、柱を中心して拘束されたことが分かったからだ。
「何……これ何! お前なんだよ!」
 ここまで一切の理解できないことばかりで、春次の頭は混乱していた。何より酔っているせいで、ちゃんとした把握ができない。
 目の前にいる男が、春次のズボンのベルトを外し始め、ボタンやファスナーまで外してしまうと、下着と一緒にズボンを一気に足首まで下ろした。
「…………!!」
 いきなりのことで春次の思考は、やっと身の危険を察知した。
 ピンッと音がして、窓から入ってくる光が、ナイフを取り出した男を照らした。やっと男の顔が見えたのだが、暗闇なのではっきりと電灯の下で見るのとは違った。
 ただパッと見て知っている人間なら分かる程度の明かりである。
「……お前、誰だ?」
 知っている人間ではないことは確かだった。
 近くの人ではないし、道で見かけたこともない。近所の人ではなさそうである。
 だだ、その男の顔がいやに整っていることだけは分かる。中東辺りにいそうな彫りが深い海外の人間という顔立ちで、日本人っぽさは一切ない。
 もしかしてと春次は思う。
 言葉は通じてないのではという、相手と意思疎通を行うことができない恐怖がわいてきた。
 男のナイフが春次の体を撫でるように当たっていき、それがペニスの前で止まる。
 すると男はもう片方の手にスプレーのようなものを持ち、それを陰毛に向けて吹き掛けた。
「!!」
 何か分からないものを吹き付けられて、ビクリと体が震えたが、暴れることはできなかった。春次のペニスの横にはナイフが常にあり、それが刺さりそうで身動きができなかったのだ。
 だが男は吹き付けた泡を、陰毛に塗り込むようにして付近に更に足し、泡をたくさん付けた。そして缶を置くと、その手で塗り込むように撫で始めた。
 そこでやっと春次は男が何をしようとしているのか察した。
 陰毛を剃る為のシェービングクリームを塗ったのだ。
 男の顔がペニスに近づき、ピシャリと水音がする。どうやらこの周りには男が用意した道具があるようだ。
 ナイフが肌に当たり、それが春次の陰毛を剃っていく。その感覚が肌に当たり、春次は大人しく剃られるままになった。男は慣れたように毛を剃り上げ、春次の陰毛は綺麗になる。さらには足を上げて、股の間のものもカミソリで剃られた。
 そしてそれが終わると、男は濡れたタオルで春次の股間を何度も拭いては濡らしを繰り返し、クリームなどを取り除いた。
 ホッとしたのも束の間だった。
 こんなことを男がただの趣味でやっていて、終わったからと言って解放してくれるはずもない。
 男は春次の股間を覗き込むように、春次の太ももを掴み、萎えているペニスを息を荒くして眺めているのだ。
 確実に変態であり、頭がおかしい人だ。
 男は、暫く眺めていたが、春次の股間の唇を寄せて近づき、男の舌が春次のペニスを舐め始めたのだ。
「な……な……やめろっ!」
 怖くて震える足を掴み広げられ、その間に男の体が入り込んでいる。
「あ……やめ……いやだっ!」
 大きな声を出しながら抵抗し、体をくねらせるのだが、男が押さえた足に込められた力が強力であったし、後ろ手に拘束されているため、逃げ出せない。更に足の先には自分のズボンや下着が絡まり、男を蹴ることさえできなくされていた。
 混乱しながらもペニスを舐め上げられてしまい、体がピクリと反応してしまう。男はスッポリと口の中にペニスをくわえ込んでしまうと、舌で先の方を何度も何度も舐め上げてきたのだ。
「あ……あっ……いや……だ……あっあっ」
 男はペニスを口で扱き始める。強く吸い付いたままで、頭を動かしフェラチオをする。それが非常に上手く、春次のペニスはすっかり高められてしまい、勃起してしまっていた。
「あっ……んっんんっ」
 なんとか耐えようとするのだが、腰がガクガクと震えた。
 知らない男にペニスを咥えられて扱かれているのに、感じてしまう自分の体が信じられない。だが、酒に酔っていたというのもあり、頭が余りはっきりと回らない。
 ペニスを吸われていて、ふと気付いたが男の指がアナルの周りを撫でている。濡らした指が何度も何度も孔の皴を撫でていて、やめてくれと思うのに、腹から何故か熱くなっていく。
「いや……あっあっ……ああっんっんんっ!」
ぼうっとした感覚が頭を支配し、もう何も考えられなかった。
 男の指がアナルの中にぷつりと入り込み、濡れた指が中を何度も擦り上げる。その指が入ってから、更に腹から熱くなり、こわばっていた体が緩くなっていく。
「あっあっああぁっんっんっんんっ」
 フェラチオをされながら、アナルに指を入れられ、それが擦り上げる感覚に腰が勝手に動き、春次は自ら腰を振っていた。男は既に咥えているだけの状態で舌を絡める余裕をみせていた。男の口に自分から腰を振ってペニスを吸わせるように動き、さらにはオナホールでも使っている気分に陥り、男の口を使って自分で気持ちがいい部分を当てるようにして腰を振り続けた。


2
「あっあっひぃっんっあっ! あんっあんっあっ!!」
 春次は男の口の中にしっかりと精液を吐き出して達した。
 男はそれを喉の奥で受け止め、ゴクゴクと美味しそうに精子を飲み込んでいく。さらには吐き出された精液を一滴も残さないように、ペニスの先を舌で舐めとってくる。
「やっあんっあんっああぁんっ」
 さっき精を吐き出して萎えたはずのペニスが、また勃起をしてしまうくらいに男は春次のペニスを舐めて勃起させた。
 ぐんっと起ったペニスが、男の口からやっと解放されたのだが、その先端からはまだ精液が溢れている。彼女と別れてからセックスもオナニーもしていなかったのもあり、性欲はなくなっていたと思っていたが、それは勘違いだったようだ。
 ガクガクとすると足で立ったままで、ペニスを勃起している様はきっと他の人にはレイプには見えないだろう。
 男はそれに満足したように、春次の太ももなどにキスをし、そこを舌で器用に舐め取っていく。片方の指がまだアナルの中にあり、それがいつの間にか二本くらい入っている。それを何度も締め付けるようにアナルが蠢いている。
 アナルが熱い、そう思ったのは初めてだった。
 だがそれは春次の勘違いではなかった。
 男が何度も擦りつけていた液体は、春次が漏っていた日本酒のカップに入っている酒の液体だったのだ。
 アナルから酒を吸収すると、酷い時には死ぬとも言われている。だが男は指に付けた程度の酒を二三度ほどアナルから入れて中で吸収させたようだった。
 そして春次は、自分が飲んでいる以上に酒に酔い、思考判断ができなくなっていっていた。だが本人は飲んだ酒ではここまで酔うわけがないと思い、男が飲ませた何かが反応しているのだと思ったくらいだ。
 しかし男が飲ませたものは、その場で吐き、更に酒も殆ど吐いてしまった。だから酔いがここまで酷いのはあり得ない状況である。
 春次はふわふわとする頭で男を見るのだが、男はべたべたになるほど舐めていた。それがだんだんと上へと上がり、シャツを捲り上げた。
 男の目の前に晒された春次の乳首は、すっかり起っていた。
 男は一旦しゃがみ込み、酒を舌で舐めてから春次の乳首に吸い付いた。

「あぁんっ……はぁっあっひっああっ!」
 ジュルジュルと音を立てて乳首を吸われて、春次は胸を男に突きだした。男は春次の乳首を舌で転がしながらも、胸に噛みつくように歯を立てて傷を付けて、それを舌で更に舐めて、また乳首をチューチューと音を立てて吸い上げる。
 その間もアナルに入った指が強くアナルを広げるように入り込み、二本の指が自在に出入りできるようになっていた。
 乳首を吸われながらアナルを指で突かれ、さらには酒に酔って思考回路が停止して、知らない男に犯されていることが怖いとは感じなかった。
「ひあぁっ、あんっあんっ……あんっだめっだめっ……ああぁっ!」
 乳首が感じるのは、年上の彼女が舐めるのが好きで、開発されてしまっていたからだ。だから春次は乳首を舐められても感じた。しかし、歯で噛まれたまま引っ張られたり、胸自体に噛みつかれるのは初めてだった。だがその痛みが、今は心地がよいと感じてしまい、いつも以上に乳首で感じた。
「やっ、あんっ、あんあんあんあんあんっ」
 ザラリとした舌が乳首の先端を舐めるたびにアナルがギュッと男の指を締め付け、男はそのたびに強引に孔の中に指を突き入れた。
 もうアナルは男の指に馴染んで、ジュルジュルと音を出しながら滑らかに動いていた。その指が一旦抜けてしまうと、閉じそうだったアナルには、その指よりは大きいものが宛がわれた。
「あんっ……あひっ、いっ、あっあっあうっあっ!」
 男はポケットからペニスの形をしたディルドを取り出し、それを春次のアナルに押し入れた。
 無理矢理ではあったが、ペニスの形をしているディルドがツルツルとした素材だったためか、抵抗もなく春次のアナルがそれを受け入れた。
「ひぁっ……まっ……あ゛っあ゛っああぁっ……」
 つるっとした物が入り込み、それが引き抜かれる。それが指が届かなかったところまで押し入ってきて、春次は衝撃に一瞬だけ苦痛を感じたが、その後は、押されるたびに甘い声が出てしまう。
「ああぁっやっ、あんっ、ひっ、あっあっあっああぁ!」
 ジュボジュボとアナルにディルドが挿入されていくたびに卑猥な水音がした。男がローションを足したらしく、それが音を激しく鳴らしていた。
 男はありとあらゆる物を側に置いているらしく、器用に様々な物を取り出してきた。空いている乳首には、クリップのような物で、その先に振動するバイブのような形のものが振動を与える道具をはめてきた。
 重みで痛みが増すのだが、それを和らげるように男は吸っている方の乳首を音を出して吸い上げてくる。
 春次の反り起ったペニスは先端から精液を漏らすように垂れ流し、明らかにこの行為を喜んでいる。さらには腰が揺れてしまうのでペニスもユラユラと揺れ、先端からの精液が勢いよく男の服などに飛び散っている。
「あぁんっ! あうっ、あっあっあひっあっああんっ!」
 男は口では乳首を吸い舌で舐め回し、片方の手でディルドを使い、春次のアナルをリズムよく犯し、もう片方の手が春次のペニスを掴んだ。
 しかしペニスを掴んだその手には、男のペニスも一緒に擦りつけられた。
「ああっ……ああ」
 男の熱く勃起したペニスが、凶器のように大きいことだけが春次に伝わってくる。
 二つのペニスを掴んだ男の手が両方を擦り上げてくる。さすがに無言だった男もふっふうと声を漏らしてきた。興奮していた上に、気持ちが良くて息が漏れるという感じであるが、それが胸に当たってこそばゆいほどだった。
 どこもかも男に犯され、春次は唯一自由になる口から涎を垂れ流しながら、自分でも気付かないほど大きく甘い声を上げていた。
「あっ!あんっ!あ゛っ!ひっ!ああぁっ! こわれる……あぁっ!」
 どこもかしこも気持ち良くて、春次は悲鳴を上げた。
 男は手の動きを両方とも速め、春次を追い上げるようにしてくる。春次はもう何も考えられずに、男の手の中で射精をした。
「い゛っあっいあっあ゛んっああーっ!」
 射精をした瞬間、男も達していた。男の精液が春次の体に降り注ぎ、ベタリとした粘り気が強い精液が張り付いた。
 春次の精液は男の服に張り付いたが、男はそれを気にせずに、自分のペニスの精液を全て春次に吐き付けると、やっとアナルに入ったディルドから手を離した。
「ん……あ……あああぁぁあ」
 手という栓がなくなると、滑りやすい素材のディルドがゆっくりと動き、それは抜けてきた。緩んだアナルからディルドが抜け、床にディルドが勢いよく落ちて転がっていく。
 その衝動で、完全に体の力が抜けてしまうが、男がそれを支えた。
 後ろ手にされていた枷が外され、今度は腕を上げた状態で再度拘束された。
 男が春次を抱え、部屋を半周すると、そこには床に敷かれているベッドのように柔らかい素材の物があった。
 男はそこに春次を寝かせる。春次が腕を引っ張ろうとすると、まだ柱に固定されており、逃げ出すのが更に困難になっていた。それどころか拘束の仕方が独特で、起き上がることすら不可能だった。
 男はまるで、こんなことになれているとばかりの素早い動きで、この状況を作りあげていく。
「あんた……誰なんだ……」
 頭の中がグチャグチャで、さらには酔っているからなのか、考え事がまとまらないが、やっと聞けたのはそれだけだった。男はそんな春次の質問には一切興味がないとばかりに何の反応もみせなかった。
 春次の方を向いた男は、手にバイブを持っていた。それにたっぷりとローションを付けて、春次の足を大きく広げると、アナルに突き刺した。
「ひっ、うぁっ、おっ、あっ、あっ、あっ……」
 さっきのディルドより大きいバイブで、入れた瞬間に男はそのバイブの電源を入れる。
「いっあ゛っあっうぁっあ゛っ!」
 グルグルと動き、中をかき回すようにうねり、そのバイブについていたイボのような形がアナルの中を自在に蠢く。それを固定するように腰回りに器具が取り付けられた。
「いやぁああっ……ああぁっああっああっあっあっあっ」
 固定されることで振動が内部に更に強くなり、アナルの中が広げられる。その感覚がもはや気持ちが悪いことではなく、気持ちがいいと感じるくらいになっている。
 酔っていて頭がおかしいのかもしれないし、男に何か飲まされた時のものが効いているのかもしれない。どれか分からないが、春次は自分が普通ではないことだけは理解していた。
 乳首にはまだクリップに付いたローターがぶら下がっており、寝転がったために横に引っ張られている。
 男が春次に跨がると、また乳首に唇を寄せてチューチューと音を出して乳首を吸い出した。
 そうされると萎えていた春次のペニスがまた勃起を始める。男はそんな春次のペニスを掴むと、強引に扱き上げてくる。
 乳首で感じ、ペニスを扱く男の手で感じ、アナルのバイブで感じる。その三つに責められたら、もう喘ぐ以外の言葉は必要なかった。
「あひっ、いっあっ、あんっあんっ……あああっ」
 今度は射精も早かった。まるで男に教え込まれ、こうやると達するべきだと脳が覚えてしまったように体が勝手に反応した。
「あ゛ひっ、あっあああぁっ」
 一回達すると、男はアナルのバイブを抜いた。動いているバイブがアナルから抜け出て転がっていき、男はそれを掴んで電源をきった。
 春次のアナルはローションで濡れたようになり、それが泡を吹いている。男は春次の足を掴んで大きく広げると、腰を高く上げた。
 男のペニスがとうとう春次の中に入り込む。男のペニスはさっきのバイブのように大きく、更にイボがある。普通にイボがあるのではなく、真珠などを埋め込んでいった人工のイボだ。
 それがアナルに入り込んでいくたびに抉ってくるのだ。
「うあっあはぁんっひっあッあんあんあんあんっ!」 
 さっきまで男を知らなかったのに、今や見知らぬ男のペニスでアナルを掻き回されて感じている。おかしいとは分かっていても、男は手慣れていて、春次のいいところを全て知っているようだった。
「あっあっおまえ……だれっ……なんだ……あっあっ」
 体を犯されていることや強姦であることの以前に、この男が何者なのかという方が気になって仕方ない。
 ―――誰なんだ? 何でこんなことをする?
 そう思う気持ちが今は頭を占めている。
 男はそれを無視していたのだが、何度も何度も聞かれて、初めてその理由を口にした。
「ずっと……好きだった」
 ガラガラとした声がそう言った。
「ずっと見てた。ずっとずっと。あの女とやっと別れた」
「……え?」
 そんな前から自分を見ていたと言われて春次はゾッとした。彼女と付き合う前からということは、大学で引っ越してきてからということになる。
 だがこんな男が近所に住んでいたら、きっと顔は覚えたはずだ。だって中東系の顔ならこの辺では珍しい方だからだ。近所にいたら絶対覚えている。
「どこで……」
 腰を使っていた男の動きが止まる。
 激しい息をしながらも春次が尋ねると、男は今までの無言が嘘のように堰を切って話し出した。
「ここから駅までずっと見ていた」
 どうやらこの屋敷は無人ではなく、一応人が住んでいる家だったらしい。余りにも出入り口から人が出入りしないのでいないと思っていたが、よく考えれば、使用人の入り口などの反対側を使えば出入りを見られることはないだろう。表通りの人はみたことなくても裏通りの人は知っているという具合に、この屋敷は大きかったので分からなかったのだ。
「ずっとずっと見ていた。あんな女、いなくなってせいせいした。やっと俺の番だ」
 男は春次と別れた彼女のことを執拗にあんな女と貶(けな)した。
 そこで春次は思い出す。別れた彼女は何かに怯えるように故郷へ逃げ帰っていったと聞いた。
 ―――まさかこの男に何かされたのか?
 だから逃げて、こちらの人間とも縁を切ったのか。
「おまえ、何をした! 彼女に何をした!」
「―――会社にいられないようにした。あの女、会社の金を横領していたから、そのことを調べて二度と春次に近づくなと言ってやった」
「……おう、りょう? はは、まさか……彼女が?」
 想像外の回答が来てしまい、春次は混乱した。
 まさか彼女が結婚をしたがったのは、春次と結婚を急いでいたのは、横領がバレる前に寿退社してしまおうと考えていたからなのか。二年を待てないと狂ったように暴れたのも、それが原因なのか。
 普通なら男の言うことなど、疑って当然なのだが、あの彼女の行動の全てに意味があるとしたら、これしかないという説明をされてしまい、春次は言葉を失った。
 悲惨な目に遭っているのに、別れた彼女の異常さを察知したこの男が、その彼女を遠ざけてくれ、二度と近寄らないようにしてくれたというのだ。確かに横領なんてした女と関わって人生を台無しにしたくはないという気持ちと、あのまま結婚していたら家庭が壊れてしまっただろう。横領なんていつかバレてしまうものだ。
良かったと胸を撫で下ろしても、この男に感謝はできない。
春次は、俺のものだ。俺の……俺の……俺の」
 男はそう言うと口を摘むんで、また腰に手をかけると一気にペニスを突き上げた。「あひっ、いっあんっあんっ……あああっあっあっ!」 
 男は腰を速め、抉るように強引に春次を犯した。狂ったような動きに翻弄されて春次は何度も達し、精液がでないオーガズムまで達するが、男は春次を犯したりないと、行為を繰り返した。
 春次は、このまま解放されないで自分は死ぬのではないかと思ったが、その快感という苦痛が心地よく、最後はされるがままにされた。
 男の精液は枯れることを知らないのか、薄くはなったが春次の中に出し尽くし、それがアナルから吹き出て、悲惨なことになっていた。
 春次はそのまま気を失い、次の目覚めはないのだろうと思いながら、意識を手放した。


 春次が次に目を醒ました時、春次は見慣れた天井を見上げていた。ハッとして起き上がると、そこは自分の自宅だった。
 あの男の姿はなく、部屋には何の異常もない。
 春次はベッドから起き上がり、ゆっくりと部屋中を見回す。人の気配がしないのを確認して、玄関に走りドアを確認した。すると、玄関には鍵がかかっていた。その鍵は新聞受けの中に入っていて、男がわざわざ春次をここまで連れてきて寝かせたことが分かった。
 体中が痛く、節々が痛い。だから起こったことは間違いなく、夢ではない。だが男があのまま解放してくれたことを喜んでいいのか悩んだ。
 男には家を知られている。
 鍵だって、コピーを取られているかもしれない。
 いや、もっと恐ろしいことがあるかもしれない。何せ男はその近所の屋敷に住んでいるのだから。
 春次は、玄関に座り、どうしていいのか分からないまま、うっすらと笑って泣いた。
 助かったのか、ピンチなのか。
 部屋の中に戻り、TVを付けると翌日の昼であることが分かる。
 TVでは、ある企業の会社員の横領事件をやっている。そこに元彼女の名前と顔写真が出ており、数億円の巨額横領事件として報道されており、元彼女が刑事に手錠を掛けられて連れて行かれている場面が映っている。
 男が話した通りの内容で、彼女は自分のブランド品や旅行に使ったと供述しているという。
 そこには彼氏に貢いだなどの話はない。
 それもそのはずで、春次は奢ったことはあるが、奢られた記憶は一つもないのだ。
 ピンチなのに、何かがおかしかった。
 乾いた笑いが出てしまい、笑っていると友人から電話がかかってくる。
『お前、何で携帯にでないんだよ! 心配したぞ! それよりTV!』
「さっき起きたんだ。TVは今見た。俺どうしたらいいんだ?」
『マスコミに見つからないところに逃げておいた方がいいんじゃないか? どこって俺のところは多分すぐバレるぞ』
「だよな……」
 そうすると玄関のチャイムがなった。だが次の瞬間、鍵が勝手に回ってドアが開いた。そこに昨夜の男が立っている。
 春次はすぐに、察した。
「当分隠れてるよ。落ち着いたら連絡する、じゃあ」
 そう答えて電話を切ると、部屋の中にあの男がいる。
 だが不思議と怖くなった。
「それで、俺はどうなるわけ?」
 そう言うと、男が春次を抱きかかえるようにして、部屋から連れ出し、裏口からマンションを出て、あの家に向かった。
 その後ろから大きなバンがどんどんやってきて、春次のマンションの方角に人が走っていくのが見えた。多分マスコミだ。思った以上に早く元恋人として見つかったらしい。
 そこで春次は、考えるのをやめ男の後を大人しくついて行った。
 家に戻っても、マスコミの餌食になるだけのことだ。
 そう思うと、男と一緒にいるのも悪くはないかもしれないと思えたのだ。


 世間が春次に興味をなくすのに、一か月を要し、見つからない春次への疑いも高まったが、春次の生活を知れば知るほど、横領を示唆した男の暮らしではないことは見て取れたようだった。
 警察の捜査がなくなるとマスコミも興味をなくしていき、新たな事件へと世間の話題も移っていた。
 春次は家族だけに生きていることを知らせた以外では、誰にも連絡を取ることはなく、未だに男と暮らしている。
 男は甲斐甲斐しく、春次の世話をして、その代わりに春次は男とセックスをした。マニアックなことをされてはいたが、どれも許容範囲だった。

 あの屋敷から男と共に出ることもなく、そこで一生飼われるのだと分かったのは、男の家族が春次の処遇を綺麗に整理したことで分かった。
 男の家族は、男をこの屋敷に止めて一生出さずにしたいらしい。だから新しいおもちゃである春次は必要だったらしい。
春次の感覚も次第におかしくなり、男の言いなりのまま暮らしていくことになった。
 もう考える必要は何もないのだ――――――。