R18Dreamnovel

隣人

 その日は早くに会社が終わった。
 定時に終わることができるのは滅多にないことで、他の社員も帰り支度をして帰っている。
 三和もさっさと片付けをして鞄を抱えると会社を飛び出した。こんなときに上司に見つかって追加の仕事なんて渡されたら最悪である。
 会社を抜け出し、まだラッシュが始まっていない改札を抜けて、近所のスーパーに寄った。いつもはコンビニになってしまっていたが、今日は色んなモノが買える。
 一人用の野菜パックを買い、ビールも買い足し、刺身やコロッケなども買った。更に惣菜も好きに選べて明日の朝の分も用意した。
 会計に並ぶと、ちょうど仕事終わりの主婦たちと重なり、レジが渋滞だった。
 そんなときに、声をかけられた。
三和さん、お早いですね?」
 振り返ると三和の後ろにマンションの隣人、茶木が立っていた。
 身長は百七十の三和よりも大きく、百八十はある。鍛えているのか、躰は太っているわけではない筋肉でできた太さを持っている。顔は彫りが深く、なんでもアメリカ人とのハーフだと聞いている。だから瞼がくぼんでいるように見えて、顎も角張っているから、怖い人に見える。
 見慣れていない人はびっくりするだろうが、三和は違う意味で驚いていた。
「あ、こんばんは……」
「いや〜この時間は混むから待っている方も大変でしょう?」
「そうですね」
 そう三和が言うと、茶木は隣のレジに並んだ。
 そうしていると三和の順番が回ってきて会計をしてもらう。クレジットで会計をしてすぐに荷物を袋に詰めると、急いで店を出た。茶木はまだ会計をしている。
 実は、あの隣に住んでいる茶木という人を、三和は余り快く思っていなかった。
 引っ越してきて真っ先に親切にしてくれた主夫なのだが、奥さんが大黒柱で始終海外に出張をしているらしいというのは、近所の人に聞いた。
 その茶木の評判は余りよくなかったのだ。
 主夫とはいえ、二人に子供はいなかった。つまり、主夫という名のヒモであるというのが近所の人の見解である。
 まあ、他人の家の事情に口を挟んでも仕方ないので、距離を置いて接していた三和だったが、茶木の方は自分と同じ世代の男が隣に越してきたからなのか、やたらと接触を持ちたがってくるのだ。
 最初のうちは何とか避けていた程度だったが、次第に茶木三和にボディータッチをするようになってきた。それはさすがに気持ちが悪いと三和は思い、なるべく茶木のことを無視するようにした。
 最近はその無視を察してくれたのか、茶木のおかずをお裾分け攻撃は攻撃は収まったのだが、それでもことあるごとに三和の行動を監視するかのように、姿を見せるようになった。
 エレベーターに乗ると、後から乗ってきて話しかけてくる。というようなことが何度も続いて、さすがに辟易して、三和は引っ越すことに決めた。
 入ったばかりで特に揉めたわけではないが、さすがに身の危険を感じたのだ。
 不動産会社に話を通したところ、やっぱりというようにため息を吐かれた後。
「なんでか、あの人、好かれないんだよね。ただ親しくしたいだけのようだけど、それでもちょっと気味が悪いというか……」
 不動産会社の人もそう思ってたらしく、訪ねていくとボディータッチをされるのだという。それをされる人とされない人がいて、どうやら気に入った人間にはしているらしい。
 親しくしたいならそれなりの距離というものがある。そこが分かってない相手に何を伝えてもなかなか分かってもらえない。
「仕方ないですね。別の物件で同条件。部屋は狭くなりますが、いいところが開いたので、そこどうですか?」
 そう不動産屋に言われ、早速見てきてそこに決めた。
 まだリフォームの部分があるため、あと一ヶ月は引っ越せないのだが、それでもなるべく三和茶木と会わないように時間をずらしていた。
 それが今日はドンピシャだ。
 しかも帰るところが同じ。
 捕まる前にとさっとレジを通して、袋にも商品を投げ込むようにして店を出た。このまま帰ると同じ道になるので、途中で茶木に捕まる可能性もある。それを危惧して三和茶木が入らないであろう漫画喫茶に飛び込んだ。
 一時間、時間を潰せばいいと思い、漫画喫茶で時間を潰してから家に帰った。
 エレベーターで一階下に止まり、非常階段を使って茶木の部屋を通らない道を選んで、そっと鍵を開けて部屋に入った。
「何で、自分ちにこそこそ入らないといけないんだよ……」
 思わず愚痴がこぼれる。これなら残業をしていた方がよかったかもしれない。
 そんなことを思いながら、部屋の電気を付けて鍵をしっかり閉め、チェーンもかけた。
 玄関の電気を消し、台所に入る。
 さすがに生活音は消せないので、仕方ないと諦めて冷蔵を開けたりして食事の準備をした。
 すると玄関のチャイムが鳴った。
 返事をする前にインターホンを見ると、玄関に立っていたのは茶木だ。
 生活音で帰ってきたのが分かったのか、訪ねてきたのだ。
 仕方なく、インターホンに出る。
「なんですか?」
『あの、夕飯を作りすぎたので、お裾分けに』
「あー、食べてきたので結構です。もらっても腐らせるだけになってしまうので。それにそういうのはやめてくださいって何度も言っているんで、いい加減やめてください。それでは」
 ずっとこうやってお裾分けを断っているのだが、ほぼ毎回持ってきては断らせることを茶木はするのだ。正直、食べ物に何を入れられているか分からないから、飢えていても貰うことはないというのに。
 引っ越しを決めたのは、この言っても分からないだろうなという行動のせいだ。普通、ここまで言えば、大抵の人は一回言われただけで、迷惑なのだと気付くだろう。しかし茶木にはそれがないどころか、意固地になって続けている可能性もある。そうなると厄介だ。
 もしかして奥さんはそれがイヤで、出張という嘘を使って逃げているのではないだろうかと思えてきた。実際、奥さんの会社は茶木の父親が会長をしているらしく、奥さんはその地位が欲しかったので結婚をしたらしい。でも茶木のことは嫌っていて、仕事を忙しくして、家庭から逃げているのだろう。というのが近所の人の話だ。
 実際、奥さんと茶木が住んでいたのは、たった一ヶ月程度で、それ以降、奥さんがここに戻ってくるのを見た人はいないという。
 こう考えると茶木も可哀想ではあるのだが、いかんせん、やっていることが狂っているから、同情は一瞬だけで嫌悪感のみが残る。
「地雷物件ってヤツだったんだな。広くていい立地の場所で家賃が希望通りだったのは、こんなことになってるからだったんだ」
 引っ越す前に地雷物件であることは言われなかったが、茶木の両隣が空いていること、さらには同階数に空きがもう一つあるのは、茶木のせいなのだろう。
 次に引っ越しをする場所は、本当に一人暮らしの部屋で狭い。けれど、その狭さであっても引っ越したいくらいに、ここに住んでいるのが苦痛だった。
 ストレス解消をする自宅が、ストレスの発生源なんて笑えない。
 三和は食事を簡単に済ませると、風呂に入ってさっさと寝ることにした。
 幾ら苦手な人とはいえ、邪険にしているのは気分が悪いものだ。更にそうさせる茶木に恨みがいくのだが、そう思っているのも気分が悪い。
 こういう日は早く寝てしまうに限る。
 三和は溜息を吐いて、布団に入った。


 布団に入ってテレビを付けたまま、ウトウトとしながら一瞬寝ていた。
 ハッとしたのは、カチャリと耳元で鳴った音のせいだ。
「?」
 目を開ける瞬間に、腕を引っ張られ、捻り上げられた。
「なっ! うっ!」
 ベッドに俯せにされ、腕を後ろ手にされて何かで固定された。
「誰だ!」
 強盗か何かかと思ったが、鍵は閉めたしチェーンもかけた。窓ガラスはそもそも開けていないのに、どこから物音もなく入ってきたのか謎だった。
 入ってきた人間は三和の足も掴んで、パジャマごと下着を脱がせられ、腰を高く上げられた。
「なにしてっ……やめろっ! やめろ! ひああっ!」
 高く上げられた尻に、息がかかり、何かがアナルを舐めた。
 それが人の口の中だと分かったのは、ザラリとした舌の感覚だった。
 ジュルジュルと音を立てて、美味そうにアナルを弄られて、三和の恐怖は快楽と隣り合わせにされた。
 激しく吸われ、舌でアナルを舐め解すようにされ、恐怖で萎えていたはずの三和のペニスが段々と刺激で勃起をしてくる。
「あ……はっん……ああっやめっ……ああっやめろっ!」
 激しく動く舌が、あり得ないほど奥まで届き、レロレロと中を解してくる。舌の動きが異様な動きで三和の感じる場所をばかりを舐めてくるのだ。
 下手に経験があるだけに、この舌の持ち主がこの行為が酷く上手いことだけが分かってしまう。
「う……あっああっ……やめっ……やめっあっああっ!」
 怖いという思いがあるはずなのに、見えないことで余計に相手が上手いことが分かってしまい、三和の中の恐怖が快楽にすり替わっていく。
 すると、三和の目の部分を何かが覆い、三和の視線を塞いだ。
 そろそろ暗闇に目が慣れてくる頃だと気付かれたのか、相手が先手を打ってくる。
「なっ……やめっだれかっ! 助けて!……んぶっ」
 三和が必死に助けを求めると、その口に中に大きなモノを詰め込まれた。
 それがペニスであることに気付いたのは、匂いだ。
「ぐふっ……っんんっううっ……う゛う゛っ!」
 喉の奥まで突き入れてくる男のペニスが、喉を犯してくる。カリが引っかかるくらいまで押し入れられ、苦しくて堪らないのに口を閉じることができない。男のペニスを噛んでしまえばきっと行為が終わるのは分かっているのに、口を閉じられないように男が頬を押し、口内の肉を奥歯にかかるように指を外から押し込んでいることで、噛み切ることができない。 
 この男は噛まれないで済む方法を知っている。
 イラマチオを繰り返してくる男が叫び声を上げて、三和の口の中で達した。
「うおおおおっ!」
 その声は心の底からの恐ろしい響きであったが、それと同時に三和は相手が誰なのか知った。
 そう隣の住人の茶木だ。
「ぐふっ……ん……あっげほっ!」
 喉の奥で出された茶木の精液をなるべく飲まないように吐き出そうとしたが、それは失敗してほとんどを飲んでしまった。
 濃い精液が口からも溢れるほどで、顔にもその精液をかけられた。
「……やっやめてください……茶木さんっ!」
 三和がやっとの思いでそう叫ぶと、茶木は一瞬だけ躊躇するように硬直したが、その手は止まらなかった。
2
 散々舌で解した三和のアナルをその手が広げ、アナルが大きく開く。
「やめっやめて! やだっいやだっ!」
 そう叫んでもこの部屋の構造上、何処にも聞こえていない。この部屋はそういう部屋。角部屋で、隣は襲ってきている茶木だ。
 下の階の人間は最近引っ越しており、上の階の部屋は空いている。
 まさにこのために部屋を空けているかのような状態に、三和はまさかと青ざめた。
 茶木はそのために周囲の部屋の住人に嫌がらせをして追い出し、この部屋に好みの人間が入るように仕向けたのではないかということだ。
 不動産屋でこの部屋しか勧められなかったのは、上下の部屋は茶木が買ったものだったのかもしれない。
「いやだっやだっ!」
 広げられた三和のアナルにさっきまで三和が咥えさせられていた茶木のペニスが入り込んでくる。
「あ……あああ゛っあ゛っああ”っ!」
 内壁を強引に開いて入ってくる茶木のペニスに、三和は圧迫感を与えられ、もがいたのだが、それを茶木に押さえつけられて逃げられない。
 滑ったモノが付けられているのか、ペニスは順調に三和の中に入り込み、三和も圧迫だけは感じたが痛みはなかった。それが恐怖を半減させている。
 ニュルニュルと前後しながら茶木三和のアナルを攻略し、ペニスを全て収めた。
「ふーふーっ」
 興奮した茶木が荒い息を吐いている。それが聞こえてきたのと同時に茶木が言った。
「せっかく親切にしていたのに、邪険にするからいけないんだ……そうじゃなきゃ、こんんなことしなかったのに……ただ三和さんが好きなだけだったのに……」
 そう茶木が言うのだ。
 茶木の言い分では、普通に三和に好意を持って接していたのに、三和が必要以上に関わってくる茶木を邪険にし、避けるようになったので茶木は強硬手段に出たと言っている。
 しかし、それは飽くまで茶木の言い訳だ。
 最初から三和が好意的だったとしても、最終的には茶木と寝なければ同じことをしたはずだ。だから茶木は、この行動の意味を三和のせいにして自分の罪悪感を消しているだけなのだ。
「やっ……いやだっ……ああっああっ!」
 茶木は言い訳をすると、三和の中を擦りあげるようにして挿入を開始した。
 最初こそ茶木のペニスの大きさに違和感しかなかったのだが、だんだんと挿入がなめらかになると、三和は自分の躰がそれで感じていることに気付いた。
「あっ……やっ…やめ……ああっんっふっんああっ!」
三和さんの中、あったかい……ああ、想像以上だ……」
 激しく腰を打ち付けながら、三和を犯してくる茶木は、譫言のようにそう繰り返した。一方三和は激しく突かれながら、感じてくる自分の躰を押さえるのに必死だった。
「ああっ……んああっ……ひああっやっああっんっ……ああっ!」
 パンパンと激しい音が鳴って、辺りの音はその音と三和の喘ぐ音しか響いていない。
「あんっ……だめっ……やだ……あああっあっあっ!」
 目隠しをされ、腕を後ろ手に縛られたままで抵抗らしい抵抗もできず、茶木に犯されるだけになってしまい、逃げ出せずに暗闇の中で感じるしかなかった。
 茶木の顔や姿を見れば、絶対に冷めて我に返るのに、今の状態ではほぼ茶木が喋らずにいるため、リアルに内壁の刺激を感じるしかない状態だ。
 だからなのか異様にそれを感じて、三和はただ嬌声を上げた。
「やだ……やだっあああっあんっああっ! ひああっ! ああっ! ああっ!」
 アナルを刺激されただけで、達しそうになり、三和が抵抗をしようとするも、茶木も達するのか、急に刺激が強くなり、挿入も速くなった。
「いくっ……やだああっいくっいくっああっああっ! ひああ――――――っ!」
「うっ……んっ」
 追い詰められた三和は暗闇の中で達した。
 勢いよく出た三和の精液は、三和の顔にかかるほど飛び、中では茶木も射精をして、逆流した精液が溢れて出ていた。
「あ……あっ……ああっ……」
 三和の躰が痙攣するのだが、茶木はそれを押さえつけたままで更に挿入を繰り返した。
 射精をしたはずなのに、まだ硬いまま勃起している茶木のペニスが、三和の内壁を犯していく。
「ああっ……やめっ……ああっん……あ!ああっ!いいっ……ああっ! ふかいっ……ああっ!」
 先に出した茶木の精液を掻き出すように挿入が激しくなり、精液の匂いが部屋中に広まる。ビシャビシャと三和のペニスからは精液が吐き出され続け、突かれるたびにピュッと精液が吐き出されていた。
「あっああっ……だめっ……ああ……いいっ……ああっああっ! ひあっ!」
 駄目だと口では抵抗を見せてみるが、躰が全く違った反応を見せる。
 茶木の手管にすっかり翻弄された躰が、これが気持ちがいいのだと言っている。何度も絶頂を迎えて、三和茶木に全く抵抗ができなくなっていくのだが、それでも茶木三和を攻めるのを辞めない。
 茶木はうめき声やうなり声を上げ、まるで鬼や獣のように、ただ性行為を楽しんでいる。三和を抱けることが嬉しくて仕方がないようだったが、三和の目を見ることが嫌なのか、目隠しはついぞ最後まで取ることはなかった。
 三和が解放されたのは、明け方のことだっただろうか。
 三和が疲れ切った躰で寝転がっているだけだとふと気付いた時には、茶木は消えていた。
「……」
 誰もいないことは気配で分かった。
 腕はいつの間にか拘束を解かれていて、三和は自分の手で目隠しを取った。
 薄らと部屋の中が見えるのは、朝の日の出の光だ。部屋の中には誰もいないことは目視できた。
 ほっと息が出たが、部屋は荒らされたままで、三和は重い体を引き摺ってシャワーを浴びて体中にかかっている精液を洗い流した。そして部屋を片付け掃除して床を磨いた。その後、冷えた躰を温めるためにお湯を入った風呂に入って躰を温めた。
 頭の中はまだ混乱をしていて、自分に起こったことが現実なのか夢なのか分からないほどだった。
 それから部屋に戻ってベッドに腰をかけると、朝のニュースが始まっていた。
 すると玄関のチャイムが鳴った。
 ビクリとした三和が恐る恐る玄関のチャイムの防犯カメラを見ると、立っているのは女性だった。かなりの美人でスーツ姿をしている。後ろには男性が大きな鞄を持って立っている。
「はい……」
 怪しい人なのかどうかも分からないので、一応対応した。
「朝早くに申し訳ありません、茶木の妻です。昨夜のことに関してお話があります」
 そう言う女性の言葉に、三和は驚いたが、茶木が喋ったのだろうなと予想は付いた。口止めに来たのか、素早い対応に慣れているというふうに見えた。
 家に上げて話を聞いたが、当然のように火消しだった。
 茶木は近所に住む男性に手を出しては襲い、こうやって妻が後始末をしているらしい。慰謝料は五千万。大体はこれで皆黙って引っ越していくのだという。三和にもその金額が目の前で提供され、訴え出ても三和が周りに強姦された事実を知られるだけで、警察に捕まった茶木はたった数年で出てくる。
 しかも茶木の性癖は通院しているレベルで、刑務所ではなくて病院に収監され、数年どころか数ヶ月で出てこられるかもしれないのだと言う。
 茶木の妻もできる限りの弁護で無罪を勝ち取ることも狙っているいい、戦うだけ無駄だと思い知らせてくる。
 三和はこれ以上あらがうのを辞めた。
 無駄な体力や財力を使って争う相手ではない。
 今までの被害者がやってきた通りに、慰謝料を受け取り、示談したという書類を書かされた。
 悲しいが現実はそこまで被害者を助けてはくれない。
 寧ろ、ここから逃げる道を与えられただけでも、自分はラッキーなのだと三和は自分に言い聞かせた。
 それで話が終わったはずだった。

 ホテルに避難した三和の場所をどうやって知ったのか、茶木がやってきた。
「ひっ!」
 茶木のことを終わったと思っていた三和は、ホテルの人間だと思って油断してドアを開けてしまった。そこに茶木が立っており、すぐに叫ぼうとした三和の口を持っていたガムテープで塞ぎ、部屋に押し入ってきた。
 逃げようとする三和茶木が押さえつけ、ガムテープで手を後ろ手に素早く固定してくる。
 足を曲げると、足首と太ももをガムテープで固定し、
 バタバタと暴れる三和茶木は押さえつけたままで言った。
「逃げるなんて、ずるいよ三和さん。三和さんのこと好きだって言ったじゃないか……どこまでも追っていくよ」
 示談したのに、どうしてと三和が混乱しているが、茶木はそのことは知らないように三和の服をナイフで切り裂いて、開けた胸に茶木が吸い付いた。
「おいしい……三和さんのおっぱい。んふ……んんっ」
「んん――――――っ!」
 どうして自分だけがこんな目に遭うのか。三和は考えてみたが、一切分からなかった。
 茶木は一晩中、三和を攻め立て、翌朝になれば消えていた。
 三和が居場所を変えても茶木は夜には現れ、三和を犯していく。
 最後には騒ぎになるのを恐れた、茶木の妻によって、三和茶木の別荘に監禁された。
 外に出ることは敵わず、屋敷の二階だけ自由に動けたが、三和の気持ちはどんどん削られていき、昼間はほぼ寝ており、夜になると茶木が現れ、三和を犯していくのに付き合う形になった。
 茶木は相変わらず、昼間になるとこんなことはいけないと思うらしいが、夜になると性欲が止められないのだという。
 二重人格的な性格の変化で、茶木三和を襲うのだ。
 茶木が飽きれば三和は解放されるのだが、それがいつになるのかまったくの予想はつかない。茶木の妻も茶木三和を与えていれば茶木が大人しくしていることに満足をして、三和を解放しようとはしなかった。
 その対価だけが、三和の貯金に蓄積されているが、三和はそれを見ることすらもできなくなっていた。
 茶木のしつこさだけが、いつまでも三和に付きまとう。
 三和は考えることをやめ、茶木に躰を与え、思考を停止した。